年間500枚、契約書の山をゼロに!現場の課題をスリム化して、より本質的な業務を推進

社会福祉法人こぐま福祉会 事務部長 宇野様

課題
エクセル・紙管理からの脱却バックオフィスの体制構築・効率化

福岡県小郡市にある社会福祉法人こぐま福祉会。児童発達支援や生活介護など9つの事業を展開する社会福祉法人です。複数施設を運営し、数百名以上の利用者と年間契約を結ぶ同法人では、契約書の管理や更新業務が現場の大きな負担となっていました。


そこで導入されたのがfreeeの電子契約サービスである、freeeサインです。今回は9事業の総務を管轄する事務部長の宇野様にサービス導入の背景と今後の展望について伺いました。


導入法人

・法人名:社会福祉法人こぐま福祉会様
・事業内容:児童発達支援センター、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、生活介護事業、就労支援事業、相談支援事業、診療所、企業主導型保育事業、病児病後児保育事業
・従業員数:119名(常勤77名、非常勤42名 2025年4月1日時点)
・事業社URL: http://www.koguma.ed.jp/

課題

・紙契約書では、回収状況の管理だけでなく、保管場所の確保や書類の山からの捜索も負担
・現場の保育士、支援員が契約業務を兼務、本来の保育・福祉業務に追加での負担に
・訪問や郵送による契約書回収をおこなう場合もあり、回収完了に1カ月半以上かかることも

導入の決め手

・シンプルで直感的に操作できるUI/UXで、職員の運用イメージがついた
・現場の保育士、支援員の負担をゼロにできる業務フローを構築できた
・freeeの担当者によるサポート体制が充実していた

導入後の効果

・電子化により管理スペースが削減でき、施設のスペースにゆとりが生まれた
・スマートフォンでいつどこからでも捺印・提出でき、回収状況の進捗もリアルタイム管理
・契約業務にかかる時間が短縮され、現場の保育士、支援員が本来の業務に時間を充てられるようになった

毎年500枚もの紙契約書をやりとり。現場の負担も大きいこれまでの契約業務

―― 現在、導入しているfreeeのサービスを教えてください。

宇野さん(以下、宇野): 2025年3月からfreeeサインを導入しています。現在は本格的な運用に向けて準備をしている段階で、マニュアルを整備している最中です。環境が整い次第現場でも本格的に活用する予定です。


まずは年間契約でサービスを提供する児童発達支援センターと放課後等デイサービス事業から利用を開始し、いずれはあらゆる契約書を電子にしたいと考えています。

―― freeeサインの導入前は、どのように契約書を管理してきたのでしょうか?

社会福祉法人こぐま福祉会

宇野: 500名近い利用者との契約をすべて紙で管理していました。特にネックとなっていたのが、年間契約の更新作業です。


更新時期である4月には、毎年利用者全員と契約を結び直す必要があります。まずは説明会を開催し、保護者に紙の契約書を配り、サインを書いた契約書を事業所に持ってきてもらう……。何度か開催しても説明会に来ることが叶わない保護者もいるので、その際は個別に説明をおこなったり、郵送で契約書を送ったりしていました。


より良いサービスに向けて毎年のように書面の修正もあるのですが、何度も内容を確認したはずなのに、印刷後に間違いに気づくこともあって。約500枚分の契約書を再度印刷し直すなど、印刷代と労力の無駄が発生し、年度更新時期は契約準備では残業することもありました。


何より気がかりだったのが、契約書配布や回収業務を現場の保育士や支援員にお任せしていたことです。本来の保育・福祉業務があるなか、追加での業務負担をかけてしまっている状態をどうにかしたいと思っていました。

―― すべての契約書の回収にはどれくらい時間を要したのでしょうか?

宇野: 契約書をお渡ししてから最後の1名の契約書を回収するまで、1か月半ほどかかっていました。サービス提供開始までに契約締結を終える必要があるなか、思うように回収できないときは焦りましたね。


保護者の方が契約書を持ってくるのを忘れることや、紛失してしまうことも珍しくなく、期限までに提出のない方に進捗を伺うのは心労がかかります。


また、紙での契約書管理は保管方法にも課題がありました。回収した契約書は鍵付きのロッカーで厳重に管理していたのですが、内容を確認したい際には保管場所まで足を運び、鍵を開けて紙の山から該当書類を探す必要があります。


障がい福祉サービスを利用するのに不可欠な「受給者証」を契約書と一緒に管理する必要があり、このセットがバラバラになるリスクだけでなく、500枚近くの大量の契約書を漏れなく確認することの大変さもありました。


直感的に使えるシンプルな画面と操作性が、導入の安心材料に

―― どのようなきっかけでfreeeサインを知ったのでしょうか?

宇野:参加したオンラインセミナーで、freeeのサービスを知ったことがきっかけです。


その頃は新型コロナウイルスの影響で世の中がどんどんデジタル化し、私たちも対応を考えていた時期でした。


最初は、労務の法改正についてのセミナーだったので、freee人事労務の話を聞いていたんです。すでに人事労務は他のシステムを使っていたので断念したのですが、話題に出た別のサービスで印象に残ったのが、freeeサインでした。


社会福祉法人こぐま福祉会

以前から紙での契約書管理に対しては強い課題感を抱いていたこともあり、園長に説明したところ興味を持ってくれて、それならば、と導入を決めました。


これまでのフローがなくなるのは大きなメリットですし、電子契約であれば内勤の事務職員がメールで保護者の皆さんに契約書を送付できます。現場の保育士や支援員に負担をかけずに済むのもうれしいですよね。

―― 電子化にあたり、不安はありませんでしたか?

宇野: 「本当にうまく活用できるだろうか⋯」という不安はゼロではありませんでした。


実は以前、社内のコミュニケーションの効率化に向けてチャットツールを導入したところ、現場から「使いにくい」と声が上がったことがあるんです。今回で言えば、これまで長く紙契約をしてきたので、いきなり電子に切り替えて保護者に受け入れてもらえるかも不安でしたね。

―― 今、不安は解消されていますか?

社会福祉法人こぐま福祉会

宇野: はい。担当の方からの説明を受けるうちに、具体的なイメージを持つことができ不安は解消されていきました。


freeeサインはスマートフォンからも確認や捺印作業ができるようになっており、使い方のマニュアル動画も観られるため、パソコンを持たない方にもスムーズに使ってもらえています。


また、導入を進めていくうちに職員から「(子どもの)塾もfreeeの電子契約でしたよ」という声も聞いて。すでにさまざまな場面でfreeeが活用されていることや、電子契約に慣れている方が多いこともわかり、安心して導入を進められています。

―― 今後は利用契約書以外の電子化も検討されているのでしょうか?

宇野: そうですね。契約関連はすべて電子化していきたいと思っています。重要な説明は口頭でおこない、契約書は電子化することで、あらゆる漏れや紛失のリスクを防げると思います。


今後は他の書類も電子管理して、職員全員がいつでも、どこからでも必要な情報にアクセスできる状態にすることが理想です。電子化により、契約業務はすべて事務職員による手続きで完結させることで、現場の保育士や支援員の負担を無くしていけると確信しています。

電子化によって生まれた時間を活用し「やりたかったけどやれてない」業務を推進

社会福祉法人こぐま福祉会

―― 運用に向けて、これまでどのようなことをしてきましたか?

宇野: 実務担当の職員を中心に、設定やテストを進めてきました。


慣れておらず分からないことも多いのですが、freeeの導入支援サービスにとても助けられました。とくに設定を進めていた時期は毎日のように電話で質問をしていたのですが、細かな質問にも一つひとつ丁寧に回答いただいたのが印象的でした。 現在は本格的な運用に向けて、保護者の方向けのマニュアル資料を整備しています。デジタルツールに慣れていない職員に、作ったマニュアルを見ながら使ってみてもらうなど、テストを重ねて最終調整をしているところです。


利用者さんに「わかりやすい」「前よりも便利になった」と思っていただけたらうれしいですね。

―― freeeサインを導入した未来で楽しみなことはありますか?

宇野: まず思うのは、印刷のやり直しや契約書を紛失してしまうかもしれない不安から解放されることです。


紙の契約書を管理する場所が少なくなるのもうれしいですね。実は来年、施設は引っ越しを予定しています。電子化によって紙を減らせる分、引っ越し後は施設のスペースを他の用途として活用できたらなと。


引っ越しを期にペーパーレスの動きが加速していて、まさにfreeeサイン導入時期はベストタイミングでしたね。

―― 最後に、freeeサインの導入を検討している事業者にメッセージをお願いできますか?

宇野: 特に保育や介護の事業者は、デジタル化を進める際に利用者や保護者の声が気になると思うのですが、私は電子契約の導入は相手にとってもメリットが大きいと考えています。


だって、紙の契約書を提出するために事業所に足を運んだり、郵送したりする必要がなくなるのですから…!スマートフォンでいつどこからでも捺印・提出できるのはかなりの負担軽減になるでしょう。 こうした「契約業務」に時間がとられることも減って、ミーティングや研修に十分な時間を掛けられる体制が整えられています。


具体的には、現場スタッフの時間的余裕が生まれて、毎日の慌ただしさが少し軽減されるので、気持ちにも余裕ができて、子ども達にも良い影響があると思います。 こころの余裕は支援の質にもつながるんです。


契約業務にかかる時間が短縮された分、現場の保育士、支援員が本来の業務に時間を充てられるようになり、ペーパーレス化した契約業務は負担を最小限に、事務スタッフに移譲することができました。 こうした業務の仕組みを整えることで、利用者により良いサービスが提供できるのではないかと考えています。


これまで契約に割いていた労力と時間を本質的な業務に充てることで提供する福祉サービスのさらなる向上に取り組みたいですし、電子契約への切り替えはきっと多くの事業者にとってポジティブな変化を生むのではないでしょうか。


社会福祉法人こぐま福祉会

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