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エクセルの中央値とは?MEDIAN関数で正しく計算する方法を解説

エクセルの中央値とは?MEDIAN関数で正しく計算する方法を解説

中央値は、データを並べたときに中央に位置する値です。エクセルを使ったデータ分析でも、重要な役割をもちます。

中央値を用いることで、売上や残業時間、アンケート結果など、ばらつきのあるデータの実態を把握しやすくなります。

中央値の考え方と計算方法を理解することで、数値を正確に読み取り、分析や報告の精度向上につなげられるでしょう。

目次

エクセルにおける中央値とは

中央値とは、複数の数値を小さい順(または大きい順)に並べた際、ちょうど中央に位置する値のことです。データ数が偶数の場合は、中央に並ぶ2つの値の平均が中央値になります。

エクセルでは中央値を簡単に算出できるため、給与や売上、アンケート結果など、ばらつきのあるデータ分析でよく使われています。

中央値は「データの実態をつかむための代表値」です。平均値だけでは見えにくい「多くの人が属する位置」を把握したいときに役立ちます。

平均値との違い

中央値の特徴を理解するうえで欠かせないのが、平均値との違いです。

平均値は、すべての数値を合計して件数で割ることで求められます。そのため、一部に極端に大きい数値や小さい数値が含まれていると、その影響を強く受けます。

一方、中央値は「順位」に注目する指標です。数値の大小そのものではなく、並べたときの真ん中を見るため、極端な数値が混ざっていても影響を受けにくいという特徴があります。

たとえば、チームの残業時間が「10時間・10時間・10時間・10時間・100時間」だった場合を考えてみましょう。

  • 平均値:28時間
  • 中央値:10時間

平均値だけを見ると「残業が多い部署」という印象を受けますが、実際には多くの人が10時間前後であることがわかります。このように、外れ値が混ざりやすいデータでは、中央値のほうが実態に近い判断材料になることがあります。

エクセルでデータ分析を行う際は、平均値だけで結論を出すのではなく、中央値も確認することでバランスの取れた判断が可能です。

エクセルで中央値を求める方法

エクセルで中央値を求めるには、「MEDIAN関数」を使います。データ量が多い場合や外れ値が含まれる場合でも、正確な中央値を算出できます。

MEDIAN関数の基本的な使い方

MEDIAN関数は、指定した数値データの中から統計的に中央に位置する値(中央値)を自動で計算する関数です。基本的な構文は「=MEDIAN(数値1,[数値2],...)」です。

実務では、数値をひとつずつ入力するケースはほとんどなく、「=MEDIAN(B2:B100)」のように、データが入力されたセル範囲をまとめて指定する使い方が一般的です。この指定方法は、SUM関数やAVERAGE関数と同じ考え方のため、エクセルに不慣れでも直感的に扱えます。

売上データや残業時間、アンケート結果など、件数が多く並べ替えが大変な場合でも、MEDIAN関数を使えば瞬時に中央値を確認可能です。

具体的な操作手順

関数に慣れていない人でも迷わず操作できるよう、実際の流れを簡潔に説明します。

  1. 結果を表示したいセルをクリックする
  2. 数式バー、またはセルに「=MEDIAN(」と入力する
  3. 中央値を求めたいデータ範囲をマウスでドラッグして選択する
  4. Enterキーを押す

これで、選択した範囲の中央値が自動的に表示されます。範囲指定は手入力よりも、マウスでドラッグするほうが入力ミスを防げるためおすすめです。

なお、閉じカッコ「)」はEnterキーを押すと自動入力されます。一連の操作に慣れておくと、日常的なデータ集計のスピードが大きく向上します。

ステータスバーで中央値を一瞬で確認する方法

「関数を入力するほどではないが、中央値だけすぐ知りたい」という場面では、ステータスバーの活用が便利です。

エクセル画面の右下に表示されているステータスバーは、表示内容を自由に切り替えられます。設定方法は次のとおりです。

  1. ステータスバー上で右クリックする
  2. 表示された一覧から「中央値」をクリックしてチェックを入れる

この設定を行うと、任意のデータ範囲を選択するだけで、その中央値が画面右下に表示されます。

関数を入力する必要がないため、会議中の確認やざっくりデータを把握したいときに役立ちます。一度設定すれば次回以降も維持されるため、エクセル作業を効率化したい人は活用しましょう。

関数を使わずに中央値を調べる方法

実務では、MEDIAN関数を使うのが基本です。しかし中央値の考え方を理解したり、計算結果を確認したりする目的であれば、関数を使わずに調べる方法も役立ちます。

昇順・降順に並べ替えて中央の値を確認する

関数を使わずに中央値を確認するシンプルな方法は、データを並べ替えて中央の値を目視で確認することです。MEDIAN関数は便利ですが、計算過程が見えないため、慣れないうちは本当に正しいのか不安になることもあるでしょう。そのような場合、並べ替えての目視は、結果の裏付けとして有効です。

手順は以下のとおりです。

  1. 並べ替えたい範囲を選択
  2. 「データ」タブから昇順(小さい順)または降順(大きい順)をクリック

並べ替えによって元データが壊れるのを防ぐため、別の列やシートにコピーしてから行うと安心です。

奇数・偶数のデータ件数から中央位置を判断する

手動で中央値を探す際に押さえておきたいのが、データの件数が奇数か偶数かによって判断方法が変わる点です。

データ件数が奇数の場合は、並べ替えたときに中央に位置する値がひとつだけ存在します。この値がそのまま中央値になります。

たとえば、5件のデータであれば、上から3番目の値が中央値です。一方、データ件数が偶数の場合は、真ん中にひとつの値が存在しません。この場合は、中央に並ぶ2つの値の平均を取ったものが中央値となります。

「10・20・30・40」という4つのデータであれば、中央の「20」と「30」の平均である「25」が中央値です。

MEDIAN関数を使った際に、元のデータには存在しない小数値が表示されることがあります。偶数件データに対し、中央2値の平均が自動的に計算されているためです。

エクセルで条件付きの中央値を求める方法

エクセルで条件付きの中央値を求めたい場合は、MEDIAN関数にFILTER関数(またはIF関数)を組み合わせて使います。

専用の関数は用意されていないため、条件に合うデータだけを抽出したうえで中央値を計算するのが基本的な考え方です。

0を除いて中央値を出す方法

売上や稼働データを集計していると、「0」が含まれるケースは少なくありません。 たとえば、休業日の売上や未入力データが0として登録されている場合、そのまま中央値を計算すると、実態よりも低い値になってしまいます。

このような場合は、0以外のデータだけを対象に中央値を求めることで、実際の傾向を把握しやすくなります。

「Microsoft365」や「Excel2021」以降を利用している場合は、FILTER関数を使うのがもっとも簡単です。構文は、「=MEDIAN(FILTER(範囲,範囲<>0))」です。

この構文では、「指定した範囲の中から0ではない値だけを抽出し、その中央値を求める」という処理を行っています。

一方、FILTER関数が使えない環境では、IF関数を組み合わせた配列関数で対応します。関数は「=MEDIAN(IF(範囲<>0,範囲))」です。

性別ごとに求める方法

「男性社員だけの給与中央値を知りたい」「女性社員の残業時間の中央値を出したい」など、特定のカテゴリごとに中央値を確認したい場面もあるでしょう。

平均値であればAVERAGEIF関数が使えますが、中央値には同様の専用関数が存在しません。そのため、FILTER関数を使って条件に合うデータだけを抽出します。

B列は性別、C列は給与というデータ構成で、男性の給与中央値を求めたい場合は、「=MEDIAN(FILTER(C:C,B:B="男性"))」と記述します。

B列から「男性」に該当する行を探し、その行に対応するC列の給与だけを取り出して中央値を計算しています。

この考え方を応用すれば、部署別・商品カテゴリ別・地域別など、さまざまな切り口で中央値を算出できます。

複数条件で中央値を求める方法

実務では、「東京支店」かつ「売上50万円以上」のように、複数の条件を同時に満たすデータの中央値を求めたい場面もあります。

FILTER関数を使い、条件を掛け合わせることで対応可能です。「A列が東京」かつ「C列が50万以上」のデータの中央値を求める構文は、「=MEDIAN(FILTER(C:C,(A:A="東京")*(C:C>=500000)))」です。

ここで使われている「*(アスタリスク)」は、AND条件を表しています。Excelでは、TRUEが1、FALSEが0として扱われます。そのため、両方の条件を満たした場合(1×1)のみデータが抽出される仕組みです。

この方法を使えば、ピボットテーブルでは扱いづらい細かい条件指定をしたうえでの中央値分析も、関数だけで完結させられます。

まとめ

本記事では、平均値だけでは見えにくいデータの実態を把握するために、中央値をエクセルで求める方法を解説しました。MEDIAN関数を使った基本的な算出方法に加え、0を除外したり条件を指定したりすることで、より実情に近い分析が可能になります。

中央値を活用すると、売上や残業時間など、ばらつきのあるデータも客観的に捉えやすくなり、報告や判断の精度が高まります。こうした分析を継続するには、データ管理を効率化することも重要です。

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よくある質問

中央値を返す関数はなんですか?

エクセルで中央値を求めるには、MEDIAN関数を使用します。

指定した数値データの中央に位置する値を自動で計算でき、データ量が多い場合や並べ替えが難しい場合でも正確に中央値を求められます。

詳しくは、記事内「エクセルで中央値を求める方法」をご覧ください。

エクセルの平均値と中央値の違いはなんですか?

平均値は、すべての数値を合計して件数で割った値のため、一部に極端に大きい・小さい数値(外れ値)があると、その影響を強く受けます。

一方、中央値は、数値を並べたときの真ん中の順位にあたる値を指すため、外れ値が含まれていても実態を捉えやすいのが特徴です。

たとえば残業時間のように、一部だけ突出した数値が混ざりやすいデータでは、平均値より中央値のほうが現場感覚に近い判断材料になることがあります。

詳しくは、記事内「平均値との違い」をご覧ください。

Excelで最高値を求める関数はなんですか?

Excelで最高値(最大値)を求める場合は、MAX関数を使用します。指定した範囲の中から、もっとも大きい数値を自動で抽出してくれる関数です。

基本的な使い方は「=MAX(A1:A10)」です。この例では、A1〜A10に入力された数値の中で、もっとも大きい値が表示されます。売上の最大金額や、点数・数量の最高値を確認したいときによく使われるのが特徴です。

なお、本記事で解説している中央値(MEDIAN関数)は「真ん中の値」を確認する指標であり、MAX関数のような「最大値」とは役割が異なります。データの実態を把握するには、最大値・平均値・中央値を目的に応じて使い分けましょう。

詳しくは「MEDIAN関数の基本的な使い方」で解説しています。

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