企業規模の拡大に耐え得るバックオフィス体制の構築を目指し、ヌーラボがfreeeを導入した理由

株式会社ヌーラボ 管理部長 田村雅 氏

課題
月次決算を早期化し事業の意思決定スピードを上げたい

株式会社ヌーラボは、プロジェクト管理ツール「Backlog」、ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」、チャットツール「Typetalk」を中心としたウェブコラボレーションツールの開発および提供をしている会社です。


ヌーラボは、2004年の設立以来「コラボレーションの促進によるチームの生産性向上」をテーマとしたサービスの開発を進めながら、現在は本社を構える福岡のほかにも、東京・京都・ニューヨーク・アムステルダム・シンガポールとグローバルに拠点を展開しています。


組織規模の拡大に伴い、バックオフィスに求められる役割にも変化が生じるなか、理想のバックオフィス体制構築に向けて、会計freeeおよび人事労務freeeを導入しました。


今回はヌーラボの躍進を陰で支えるバックオフィス業務にクローズアップしながら、管理部 田村氏にfreee導入の経緯や効果ならびに今後の展望についてお話を伺いました。

御社の企業理念や事業内容について教えてください

コラボレーションツールの提供を通じ、人と人のコミュニケーションを促進することでチームの生産性を向上

弊社を代表するサービスとして、プロジェクト管理ツール「Backlog」があります。プロジェクト管理というと固く聞こえ、ユーザーが身構えてしまう傾向がありますが、Backlogの場合はシステムがわからない人でも気軽に扱える点がメリット。エンジニアだけではなく営業社員や総務・経理の社員が使ったり、パートナー企業同士が一緒に使ったり、個人で子供の勉強や夏休みの宿題を管理したり、というところでも使われています。プロジェクト管理に縛られずに色々な使い方をしていただいており、このことがBacklogの特徴と言えます。


日本だけでなくて海外でもボーダーレスにご利用いただいています。誰もがBacklogを使った結果プロジェクトが上手く進む、そのようなツールであり続けたいと考えています。


弊社として一番古くからのサービスは「Backlog」ですが、ほかにも「Cacoo」、「Typetalk」と3つの主要サービスを展開しています。


「Cacoo」は、ウェブブラウザで使える作図共有ツールです。オンラインで同時編集できるところがポイントで、例えばワイヤーフレームなど、ビジュアル面について複数人で話をするとき、Cacooで一緒に作り上げていくという使い方をされています。


「Typetalk」はビジネスチャットツール。チャットツールは様々存在しますが、Typetalkは、チームというところをポイントにしています。Backlogとの連動性も高く、チームとしての生産性が上がる事を重視したチャットツールである、という点がポイントです。チャットはテキストが次々に流れていきますが、テキストが流れていく中でも上手く流れをまとめ整理でき、ファイルをうまく共有できる機能などを持っています。


何よりこれら3つのサービスが単体で存在するのではなく、それぞれがシナジーを産み出している状態を重視しています。たとえばウェブの制作をしようとなった時に、そこには色々な人が絡んできます。単純につくる側の一社だけではなく、依頼をしたクライント企業を含め、複数の企業から複数の人が関与していきます。
そういった環境の中でプロジェクトを行うにあたり、必要なコミュニケーションが取れるようにするためのツールです。


弊社はコラボレーションツールの提供を通じて、人と人とのコミュニケーションを促進し、チームの生産性を高める取り組みをしています。


株式会社ヌーラボ 管理部長 田村雅 氏


管理部長 田村 雅 氏
前職では、シフォンケーキ屋を個人事業主として開業。ゲーム業界での経験が長く、アマゾンジャパン合同会社にてエディターを務めた経験も持つ。ヌーラボがバックオフィス機能の強化に目を向け始めたタイミングで同社にジョイン。現在は管理部門を統括する役割を担いながら、バックオフィスの更なる生産性向上に取り組んでいる。

freee導入のきっかけとご利用状況を教えてください

バックオフィスのシステムはすべてクラウドに。freee以外に選択肢はない

これまで会計ソフトについては他社のクラウド会計システムを利用していました。企業規模が拡大していく中であらためて要件整理をした際、会計監査への対応や連結会計業務への対応など、会社が大きくなるにつれて他社の機能ではどうしても足りない部分が出てきました。経理業務は入力する者・承認する者がいて、複数人で連携しながら進める業務です。複数人にまたがる管理が他社のシステムでは実現できず、会計ソフトの入れ替え検討が始まりました。


当初、実は導入の候補にfreeeは挙がっていませんでした。他社システムをいくつか比較した末、一度はオンプレミスでの開発を選択しました。実際にオンプレミスのシステムを構築し動かすところまで進んだのですが、会計業務の慣習がネックとなったのか、実際に使ってみたところ全然業務が楽にならない。導入は上手くいきませんでした。


再選定の機会が生じた際、freeeが選択肢に挙がってきたのです。


弊社はバックオフィスにエンジニアを複数名抱えています。社内システムの自社開発や、他社システムと連携のためのAPI開発ができる環境もあるのですが、どうしても会計システムの内製化は現実的ではありませんでした。


それは会計の法的な側面、法令の変化を社内だけでキャッチアップしていくことが大変難しいからです。加えて弊社の場合は連結子会社の会計も行わなければならず、求められる会計基準としては国内トップレベルを見据える必要がありました。その点に耐えられるかどうかがシステム選定における最重要ポイントでした。


さまざまなシステムがオンプレミスからクラウドに移行していく流れの中で、バックオフィスのシステムがすべてクラウドに置き換わること、そしてシステム間が連携することは間違いありません。バックオフィスシステム連携の中心に会計ソフトが中心になっていくのも、どうも間違いなさそうです。 そうなるとAPI連携に積極的、なおかつクラウドでのサービス提供をしているfreeeを選択するのが必然な流れとなりました。



会計システムの改善スピードが他社を圧倒。freeeを選択していれば問題ない

私はfreeeに対して、最初は評価はあまり高くありませんでした。
実は、私が個人事業でシフォンケーキ屋を営んでいた際、会計freeeを利用していたのです。


その時はまだfreeeも立ち上がったばかりでサポート体制も悪く、普通の会計システムとは違う「取引」の概念にもなじめず、使い勝手の悪さを感じていました。


シフォンケーキ屋を個人事業主として開業した経験を持つ田村氏
シフォンケーキ屋を個人事業主として開業した経験を持つ田村氏



シフォンケーキ


しかし、その後のfreeeの力の入れ方と会社、サービスとしての成長がすごかった。大規模な資金調達を経て社内にも優秀な方が増えたのだと思います。エンタープライズプランの拡充や、我々のような組織会計・管理会計の要求にも耐えうるユーザー目線の機能追加が進んでいきました。「freeeであれば、この先も問題がないだろう」という期待を込め、弊社の新しい会計システムにfreeeを選択しました。


freeeを本格的に導入して感じるのは、やはりシステム改善のスピードです。本来満たされるべき会計システムの改善スピードは、freeeが他社を圧倒しています。他社のクラウド会計システムは「これをやります」という実装計画を発表しながらもなかなか機能追加されないケースが散見されます。一方、freeeの場合は大変スピーディに動いていて、使う側の声、たとえば担当者の方にお願いしたこともちゃんと聞いてくれ、実装してくれる実感があります。


サポート面も見違えるほど充実してきました。弊社が今後、テクノロジーを活用して社内の生産性を高めていこうと考えるなか、freeeを入れていれば間違いないだろうと確信するに至ったのです。


株式会社ヌーラボ 管理部長 田村雅 氏




毎月の月次決算業務を1~2日短縮。freeeが業務効率化に貢献

現在は会計freeeエンタープライズプランと人事労務freeeライトプランを利用しています。会計freeeを利用して以前から大きく変わった点は振り込みです。会計freeeに変え、伝票を計上してから消し込むまでの作業が一連の取引として紐付いたため、消し込みがしやすくなりました。弊社から支払いする時もデータを会計freeeから取り出せるため、業務の効率化につながりました。


弊社は海外に子会社を有していますが、海外子会社との連結業務の一部で会計freeeを利用しています。


クラウドなので共有がしやすい点もメリットです。「終わりました」とひとこと言えば、各自がシステムにログインし、出力も可能。特に支払データの出力面で明らかに作業量が減りました。正確な業務量の測定はしておらずあくまで感覚ではありますが、freeeに変更したことで月次決算の業務を1日~2日は短縮できたと感じます。


人事労務freeeについては、内製した勤怠管理システムと連動させ、勤怠管理システムから吐き出したCSVを人事労務freeeにインポートして使っています。


勤怠管理については未だ答えを見出せていません。企業規模が大きくなってくると、労務面は特に厳しく管理する目が必要になります。
単に出勤簿が備え付けられており出退勤記録がなされていれば良いだけではなく、労働の妥当性も含めた管理が必要となります。弊社では、すでにリモートワークが出来る体制を構築していますが、リモートで勤務をした時に難しくなってくるのは労働者からの申告の妥当性です。単純な「出勤/退勤」データが管理できていれば良いわけでもないので、その点が悩ましいところです。
労働法や就業規則を担保した内容になっているか、という事も当然ながら重要です。それを、常々社内だけで対応しきれるか、というと難しい状況です。


人事情報・労務情報の管理について、現状の勤務体系においては人事労務freeeと内製した勤怠管理システムの併用で問題なく運用できていますが、今後、会社の規模が大きくなる状況を見据えて模索を続けています。



給与計算のリードタイムを1週間から最短1日に短縮

給与計算についても効果がありました。以前は社労士事務所にアウトソースしていましたので勤怠情報をまとめて送り、それから数日してデータが帰ってきて、その後に「ここが違っていました」などのやり取りがありました。
結果として締日から給与計算を終えるまで1週間ほどの時間を有していたのですが、freeeの導入後は完全内製化にも成功。勤怠を締めたあとに1営業日で給与をまとめられる状況になっています。劇的に早くなりました。
会社が大きくなればなるほど、社内でコントロールできなければならないと考えており、内製化もfreee導入の良い変化だと感じます。


導入サポートも非常に助かりました。期末までに導入したい、というギリギリの状況の中で色々とご協力をいただき、無事に稼働まで漕ぎ着ける事ができました。


営業の方が頻繁にコンタクトを取ってくれますので、機能面を含めたやり取りが出来る点は非常に助かります。機能要望を含めたところは、チャットだけでは伝わりづらいので非常に助かります。法人向けの窓口は運用にコストもかかるでしょうし、他の会計ソフトで全部が全部で出来ている事ではないと思います。
その点が、私たちの期待したfreeeの改善スピードにつながっているのだと思います。


株式会社ヌーラボ 管理部長 田村雅 氏


今後の展望について教えてください

バックオフィスで得たデータを現場へ提供する連携意識が大切

企業規模が拡大していけば、自ずとバックオフィスの業務は増えていきます。今後も事業の成長を続け、組織規模も拡大させていく予定です。しかし、それに伴いバックオフィスの人数も比例して増やしていく、という考えは今のところありません。
少ない人数で今と同等以上の業務をこなしていくために、今後はバックオフィスのさらなる生産性向上が必要不可欠となってきます。


バックオフィスが社内を管理するだけで満足するのではなく、正確に早くデータを取りながら、そのデータを現場が活かせる形に昇華させられるかどうかが重要です。バックオフィスが得たデータを、いかに迅速・適切に現場へ提供できるかが求められています。
データを二次利用できるようにするという本質を見据え、これからのバックオフィスには他部署との連携意識がより濃く求められてくると考えています。


属人化している業務をシステム化したり、メンバー間で業務の交換ができる体制も構築していきたいです。たとえば、連結業務や計算業務の属人化が現在は社内に複数存在してしまっています。これからさらに会社が大きくなっていく中で、その状況からは早い段階で抜け出していきたいですね。



社内エンジニアと連携し、さらに生産性高いバックオフィスを目指す

バックオフィス内にエンジニアがいる環境は、弊社組織の大きな強みです。その強みを活かしながら、まだどの会社も実現していないような独自の連携などを進めていきたいです。


システム化できることをあえて人力で回していこうという意識はありませんので、テクノロジーを活用し、業務とシステムを上手く融合していくことが重要です。


どちらかというと経理・財務は、まずあるべきところを固め、完全性を担保するところが最重要ではありますが、同時にfreeeをはじめとした外部のテクノロジーもしっかりと活用しながら、生産性の高いバックオフィス体制の構築に取り組んでいきたいと考えています。


株式会社ヌーラボ 管理部長 田村雅 氏