全国84施設への展開で年間1,280時間を削減!システム操作が苦手な職員でも使えるfreeeのスマホアプリ

社会福祉法人檸檬会 コーポレート本部 財務経理部 部長 榎本悦子様、副主任 藤岡和世様

課題
初心者でも経理や労務を簡単にエクセル・紙管理からの脱却

保育事業や障がい福祉事業など多岐にわたるサービスを展開し、全国に84施設を持つ社会福祉法人檸檬会。急成長を遂げる裏側では、紙の領収書を添付し本部に郵送するアナログな経費精算に追われ、本部・現場双方に多大な工数と心理的負担を抱えていました。


そのような状況のなか、アナログ経理からの脱却と業務効率化を目指し、申請から支払いまで経費精算を一括して効率化できる、freee支出管理 経費精算Plusを導入しました。決め手となったのは、システムや経費処理に不慣れな施設職員でも使える直感的なUI/UX。全国84施設にどのように導入し、現場と本部にはどのような変化が生まれたのでしょうか。コーポレート本部 財務経理部 部長の榎本悦子様と副主任の藤岡和世様にお話を伺いました。


課題

・全国84施設の小口現金管理と紙ベースの経費精算処理対応による本部の工数
・経費処理に慣れている事務職員でも、習得に時間がかかる既存精算システム
・経理の専門知識がない施設長が仕訳処理を担当することによる入力ミス
・書類不備の確認・修正による本部・現場双方のストレス

導入の決め手

・システム操作が苦手な人でもマニュアルなしで操作できるUI/UX
・現場職員がスマートフォンから経費申請が可能
・導入に向けた手厚いサポート体制

導入後の効果

・本部での照合・修正作業が大幅に減少し、年間1,280時間以上の工数削減見込み
・施設長一人当たり年間60時間以上かかっていた事務作業がゼロに
・書類不備の確認によるストレスからの解放

全国84施設の経費処理に追われる本部。紙と郵送のアナログな運用が抱える課題

社会福祉法人檸檬会

――さまざまな事業を運営されている社会福祉法人檸檬会様。現在は、どのような事業を展開されているのでしょうか。

榎本さん(以下、榎本): かつては待機児童問題の解消を重要課題とし、2020年頃までは保育事業を主軸として取り組んできました。しかし、現在ではその課題も徐々に解消されつつあり、より広範な社会課題への対応へと視野を広げています。


現在は、障がい福祉事業をはじめ、地域社会に必要とされる多様なサービスを展開し、福祉の新たな形を追求しています。「ソーシャルインクルージョンの実現」をビジョンとして掲げ、埼玉から沖縄まで北から南へと全国に84の施設を運営しており、毎年施設の数が増え続けています。


※ソーシャルインクルージョン……誰もが人生を楽しみ、躍動する機会が得られる社会の事

――全国に施設が増えるなか、それを取りまとめる本部では経理業務においても複雑化や効率化などの課題があったのではないでしょうか。

榎本: 次々と増える施設の経費処理が課題でした。現在の当法人は、一般企業でいえば支店が84あるような規模感です。しかし、正式な月次決算を締める作業は、和歌山県にある法人本部にいる財務経理部の10名で行っていました。


各施設でも経費処理はしていましたが、現場から郵送で書類が送られてきた後に、本部で再度確認し、仕訳や書類の不備などをチェックしながら進めていたため、膨大な工数を要している状況でした。


――各施設では、どのような方が経費処理を担当されていたのでしょうか?

榎本: 施設長をはじめとする、現場を統括する役職者です。領収書を1枚ずつ手作業で紙に貼り、金種表をつけ、会計ソフトに入力していただき、それを本部で取りまとめていました。事務員がいるわけではなく、現場の担当者が本業務の合間に経理作業を行う体制でした。


――そのような体制ですと、入力ミスや仕訳間違いなども起こりやすかったのではないでしょうか?

榎本: まさにその通りです。毎月10日頃に前月1ヶ月分の領収書が各施設から送られてくるのですが、施設長が入力してくださった会計ソフトを見ると、科目がまったく違っていたり、打ち間違いがあったり……。送られてきた書類を本部で1枚ずつ確認し、少しでもおかしいと思うものがあれば、都度電話などで連絡を取り、確認しながら仕事を進めていました。


社会福祉法人檸檬会


藤岡さん(以下、藤岡): 仕訳間違いのほかに、会計システムへの入力も課題でした。施設長のなかには、システム操作に苦手意識がある方もいらっしゃり、習得に時間を要する場合もありました。施設が増えるに従い施設長も増員となるため、さまざまなスキルレベルの方々へのレクチャーと問い合わせ対応に、本部では相当な時間を割く必要がありました。


榎本: 新任の施設長にはまず1時間程度で全体をご説明し、そこから不明点などがあるときは電話やメールなどでやりとりしています。遠隔ですべてを行っているため、問い合わせ対応だけで15分以上かかることも少なくありません。頻度としては、各施設から月1回、新任の方の場合は週1回はご連絡をいただくような状況でした。 1回あたりの対応時間はそれほど長くありませんが、年間で見るとかなりの時間になります。


数字の間違いについても、届いた領収書だけではすり合わせができないため、その確認の時間だけで丸一日かかることもありましたし、確認が重なり3施設分の対応に追われることもありました。


システム導入に疲弊した現場。それでも導入できた「誰でも使える」UI/UX

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――本部での業務負荷が増えるなかで、どのようなきっかけでfreee支出管理 経費精算Plusを導入されたのでしょうか?

榎本: 取引先の金融機関さんからのご紹介がきっかけでした。経理面で特に魅力に感じられたのは、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応です。法的要請もあるため、今まで時代遅れだった会計業務をこの機会に刷新したいという想いがありました。


以前から本部職員向けに別の経費精算システムを導入していましたが、全施設に展開するには少し不安があり、法改正のタイミングで他のシステムも検討したかったんです。


――以前使っていたシステムでは、具体的にどのような点がご不安だったのでしょうか?

榎本: 本部職員は事務員なので、システム操作で困ることは基本的にはないはずなのですが、使い方に関する問い合わせが多かったんです。同じシステムを、普段はあまり事務処理を行わない現場職員に展開することに不安がありました。


藤岡: 経費精算を行う現場職員のなかには、ご高齢の方もいます。以前、勤怠管理システムを導入した際に「もうお腹いっぱい。これ以上システムを導入するのは勘弁してほしい」との声が多数出ていたので、新しく今のシステムを全施設に導入することが果たして正解なのか、悩んでいました。


――システム導入の検討にあたり、現場の意見はどのように反映されたのでしょうか?

榎本: 施設長の何名かと個別にお話して「一度アンケートを取ってほしい」という意見があったため、アンケートを実施しました。そのなかで、システム導入への不安の内容としては「自分が使いこなせるか」という点だけでなく、職員からの質問に対応できるかという不安の声もありました。


――システム操作へ不安を抱える方が多い状況だったんですね。その後、どのようにシステムの比較検討を進められたのでしょうか?

榎本: 財務経理部のメンバー10名でデモを行い、マニュアルなどを何も見ずに使ってみて、どう感じるかを試しました。その結果、初めて触る人でも最後まで操作を進めることができたのは、freeeだけだったんです。「現場の負担をいかに減らすか」という点が導入の大きな決め手になりました。


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藤岡: 保育園や障がい福祉関連施設の職員はパソコンを持っていない方も多く、業務中の申請はすべてスマートフォンで行われるため、スマホアプリの使いやすさが非常に重要でした。マニュアルを読むのが苦手な職員でも、見ただけである程度理解できるfreeeの直感性は、大きな強みだと感じました。


榎本: 当初は一度に全施設に導入するつもりでしたが、freeeのご担当者様から、本部がサポートしやすい近くの施設から段階的に導入することを提案いただきました。少しずつ進めることで、現場の混乱を最小限に抑え、本部も不慣れな点にじっくりと対応できました。この提案が結果的にスムーズな導入につながり、非常に心強かったです。

「数字が合わない」ストレスからの解放。工数削減だけではない効果

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――freee支出管理 経費精算Plusを導入後、職員の方からの問い合わせなどはなかったのでしょうか?

榎本: 申請操作については、システム操作が苦手な一部の方を除いて、ほとんど問い合わせはありませんでした。段階的に導入を進めたことで、最初の導入時にあった問い合わせ内容を2回目ではケアできる体制で進められたため、導入が進むごとに問い合わせが減少しました。


――導入後、どの程度工数を削減できたのでしょうか?

藤岡: 施設長に関しては、事務作業がほぼゼロになりました。残ったのは確認や承認だけです。
また、以前は領収書の提出を月に1回、全職員分をまとめて郵送していたのですが、freee支出管理 経費精算Plus導入後は、各職員が使用した日のうちに提出できるようになりました。1営業日以内で完結するため、職員が内容を覚えている間に不備や問い合わせ内容を伝えられています。


その伝え方についても、以前は施設長を通して伝言ゲームのようになっていたのですが、freeeに搭載されているコメント欄を活用することで、職員に直接不備を伝えて差し戻せるようになり、仕訳に関する問い合わせも格段に減りました。


まだ導入して日が浅いため正確ではありませんが、本部では一人あたり10〜15施設の問い合わせ対応や修正の工数がかかっていたので、年間で考えると1,280時間の工数削減が見込めると試算しています。


榎本: 本部としては「数字が合わない」という、会計に携わる人間にとっての気持ち悪さやストレスから解放されたことが大きいです。施設の方々も、お金のことなので合わないと非常に気にされていて……。こうした双方の精神的な負担が軽減されたことが、何よりの成果だと感じています。


freeeは一緒に成長してくれる存在。寄り添ったサポート体制がDX挑戦の鍵に

社会福祉法人檸檬会

――freeeの導入を検討している企業様、特に貴法人のように多くの施設を抱え、システム操作に不慣れな方も多い企業様に向けてメッセージをお願いします。

榎本: 私たちは9年前に会計ソフトを入れて以来、経理に関してほぼシステム導入をしておらず、人海戦術で乗り切ってきました。今回の全施設へのシステム導入は当法人にとってかなり大きな挑戦でしたが、freeeのご担当者様のサポートもあり、98%の施設へスムーズに導入できています。


また、「こんな機能はありませんか?」と聞いたときに、まだ実装されていない機能だった場合でも、freeeの方は必ず「ご意見としてお聞かせください」と言ってくださいます。そして、それを開発に活かしてくれます。freeeさんはシステム導入企業と共に成長してくれる存在だと、とても信頼しています。


藤岡: freeeさんを選んだ理由は大きくふたつあって、まずは「誰もがシステム操作において負担にならないこと」、そしてもうひとつの大きな決め手は「freeeさんのお人柄」です。どんなに便利なシステムがあっても使うのは人であり、当法人の成長を支えているのはやはり「人」だと考えています。 システム導入に抵抗があっても「無理」と思わず、「寄り添ってくれるfreeeさんと一緒なら大丈夫ですよ」とお伝えしたいです。


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