Lecto株式会社様は、「金融の摩擦を解消し、人の無限の可能性を解き放つ」というミッションのもと、金融サービスのバックエンドにある債権管理・督促回収の自動化や効率化、オフバランスまで一気通貫で管理できるプサービスの展開を行っている会社です。アナログなやり方のままアップデートされていない督促回収に関わる業務をデジタルの力で改善していくサービスであり、幅広い業種の企業が注目しています。
同社ではfreee会計と同期できる「freeeカード Unlimited」によって、経理事務の効率化を実現しています。導入前の課題や現在の利用方法、得られているメリットなどについて、金融領域で豊富な経験を持つ代表取締役社長の小山様にお話を伺いました。
【導入企業様の紹介】
督促回収の業務にボトルネックがある幅広い業種で活用が進んでいる
――まずは貴社の事業内容について教えてください。
弊社は、金融事業を行っている会社をはじめ、反復継続的にお金の回収が必要な企業に向けて、債権管理や督促回収の業務をデジタルの力で自動化・効率化するサービスを提供している会社です。
「督促回収」というと、支払期限を過ぎた人に対して人手をかけて電話したり書面を送ったりするというのが一般的なイメージだと思います。実際、大手企業であってもベンチャーであっても関係なく、日本ではこのアナログなやり方がこれまでずっと続いてきました。
弊社では、この督促回収にまつわる業務をテクノロジーによって自動化し、人がやらなくても解決できる仕組みを提供することで、回収率の向上や人的リソースを含めたコスト削減を実現するプロダクトを展開しています。
――フィンテックの中でも「督促回収」という絞り込んだ領域で事業を展開されていますが、この領域に着目した理由を教えていただけますか?
一つは、督促回収はデジタル化が進んでいない領域であり、単純にビジネスチャンス があると考えたことです。もう一つは私自身が金融業界で15年近く仕事をしてきて、実体験としても督促回収のアナログなやり方に課題感を持っていたためです。
Lectoを立ち上げる前に後払い決済サービスの会社を経営しており、実際に自社で督促回収しなければならない当事者になったときに、電話や紙でやるのが本当に大変という経験をしました。決済サービスというと、入り口である与信のところを頑張るべきと認識されていることが多く、それは間違いではないのですが、どうしても未回収のリスクは背負わなければなりません。当時いろいろ試行錯誤する中で、とくに督促回収という部分をひたすら工夫に工夫を重ねたのですが、それがワークして成功体験となりました。
これをさらに突き詰めて、Lectoでは督促回収のノウハウが詰まった自動化の仕組みを提供しています。督促回収にボトルネックがある企業にとって、確実にお役に立てるビジネスだと考えています。現在は金融事業を行っている会社だけでなく、サブスクリプションモデルを展開している会社など様々な領域でご利用いただいていますが、国内では新しい領域のビジネスということもあり、わかりやすいように「督促回収テック」と表現しています。
【freeeカード Unlimited導入前の課題・導入の経緯】
freee会計を使っているなら利用しない理由はない
――freeeカード Unlimitedの導入によって解決したかった課題や導入の経緯を教えてください。
今までは口座に紐づくコーポレートデビットカードを中心に決済していました。弊社のようなSaaS事業ではシステム利用料や通信費など月次で支払っているものも多くなりますが、どのコーポレートカードであっても会計ソフトに手作業で反映しなければならないという手間は発生します。
デビットカードの場合、リアルタイムで決済状況はわかるものの、会計ソフトに反映させるには利用明細の内容を加工してアップしたり、手打ちで入力したりするという作業は発生するので、これが非常に面倒で手間のかかる作業でした。
弊社ではfreee会計を利用していたので、freee会計との連携に優れたfreeeカード Unlimitedの提供が始まると同時に導入を決めました。
――金融領域のプロの視点から見たfreeeカード Unlimitedの印象をぜひお聞かせください。
非常に合理的だと思っています。コーポレートカードは様々なものが提供されていますが、会計ソフトに反映させる手間はどのカードでも同じく発生するので、課題に感じている企業は多いと思います。会計ソフトを提供するfreeeがコーポレートカードも提供して自動連携させるというのは、とても合理的でリーズナブルです。
【freeeカード Unlimitedの現在の利用状況】
メンバーに追加カードを配布。freeeカード Unlimitedのみの運用で経理事務を効率化
――現在、freeeカード Unlimitedをどのように利用されているのかを教えてください。
親カードの他、追加カードを10枚発行して必要なメンバー に配布しています。営業担当の場合は移動の交通費や会議費、会食費などが主な使途です。エンジニアの場合は海外も含めて様々なソフトウェアを契約しているので、それらの決済に使っています。
親カードは私が所有していて、コーポレートとして必要な決済、たとえばメンバーのPC購入や備品などの発注時に活用しています。
経理観点では一つのカードに集約したほうが楽なので、基本的に他社カードは使用していません。
――カードの利用はどのように統制されているのでしょうか?
freeeカード Unlimitedは追加カードごとに限度額の設定ができるので、その範囲内で必要に応じて使ってもらえばいいというスタンスで、あまり厳格なルールは設けていません。
弊社はまだ20名に満たない規模ということもありますし、とくに説明しなくてもメンバーは節度ある使い方を心得ているので、その点はあまり心配していません。また、freeeカード Unlimitedでは誰が何に使ったのかリアルタイムで通知が届くので、そこで統制できるという安心感もあってガチガチなルールは決めていないということもあります。
ただ、10万円以上の少額減価償却資産になるものを購入する際は経理上の処理が必要になるので、あらかじめ承認依頼をもらうことにしています。
【freeeカード Unlimited導入後のメリット・改善できた点】
freee会計に反映するための手作業がなくなり経理事務の時間を大幅に短縮
――実際にfreeeカードUnlimitedを利用して、メリットに感じていることや改善できたことを教えてください。
freee会計に自動連携されるようになり、経理事務の工数が大幅に削減できたことが一番大きなメリットです。コーポレートデビットカードを使っていたときは、明細ごとにデータを加工してfreee会計に反映させなければならなかったのですが、freeeカードUnlimitedを導入してからは手作業がほとんどなくなり、本当に楽になりました。また、freee会計やfreeeカードUnlimitedのホーム画面上で各自の明細を一元管理できることもメリットの一つです。
弊社の場合、プロダクト開発などはメンバーに権限委譲しているので、私の業務の中心は事業戦略の策定や調達をはじめ、広報、ブランディング、経理・会計といったコーポレートとしての仕事にかなりの部分を寄せています。経理事務はできるだけ自動化して、空いた時間をクリエイティブな仕事に回したいと思っているので、freeeカードUnlimitedによるインパクトは大きいものです。正確に計測しているわけではないですが、月に数時間は短縮されたと思います。
限度額が大きめという点もfreeeカードUnlimitedの特徴ですが、弊社の場合、もともとデビットカードを使っていたので今のところはそこまでメリットを感じていないものの、総額として大きく持たせていただいているので、今後非常にありがたいと感じる瞬間がくると思っています。
――freeeカードUnlimitedでとくに気に入っている機能やサービスはありますか?
freee会計との連携やリ アルタイム通知、上限額などは多くの企業さんが挙げると思うので、あえて違う視点からいうと白い券面のデザインがとても気に入っています。クレジットカードはダーク系のデザインが多いですが、白のデザインがシンプルながらもお洒落で、財布に入れてもいい感じに目立っていますよ。
【今後実現したいこと】
コーポレートカードを作りづらいスタートアップにもおすすめ
――今後のLecto様の展望を教えていただけますか?
大きく3つあります。1つ目は、私たちが提供する督促回収のプロダクトをより幅広い産業において活用していただけるようにすることです。当初は金融事業を営む会社をメインに考えていましたが、現在はサブスクの会社や電気ガス水道を扱う会社、賃貸事業を営む会社など、滞納や回収に課題を持つ多くの業種で活用が広がっています。今後はさらに、あらゆる産業でお役に立てるようにしていきたいですね。
2つ目は、お金にまつわる体験の向上です。督促回収は英語ではCollectionといいますが、コレクションエクスペリエンスの改善ですね。電話や紙など人手による督促回収の場合、自分の心を削りながら作業にあたっているという人も多いと思います。弊社のプロダクトをご利用いただくことで、回収の効率化に加え、メンタル面のダメージをなくすことができると思っています。また、支払う側からするとうっかり期日を忘れている場合も多く、ショートメールのリマインド一つで回収できるケースも少なくありません。督促する側もされる側も、気持ちよく対応できる世界を実現したいです。
3つ目はこれの発展形となりますが、コレクションエクスペリエンスが改善されると、督促する側・される側ともに無駄な時間が減り、有意義に時間を使えるようになります。入り口としては督促回収というニッチな領域ですが、実務面・心理面に与える影響は小さいものではなく、かつ多くの産業が抱える課題です。弊社のプロダクトを通じて、最終的にQOL(生活の質)向上というところまでやれたらいいなという思いで取り組んでいます。
――最後に、「freeeカード Unlimitedはこんな企業様におすすめ」というポイントをぜひお願いします。
freeeカード Unlimitedはシードからアーリーくらいのスタートアップ企業におすすめしたいです。なかなかコーポレートカードを作りづらかったり、社長個人の与信に紐づいたコーポレートカードしか発行できなかったりすることが多く、デビットカードやプリペイドカードという選択肢しか持てないケースも多いのではないでしょうか。
あとはfreee会計を利用している企業は申し込むべきですね。企業のフェーズを問わずおすすめできると思います。
――ありがとうございました。freeeカード Unlimitedは今後も進化を続けてまいりますので、ぜひご期待ください。
Lecto株式会社
https://lecto.co.jp/