創業120年コクヨの挑戦を支えるfreee工数管理!低コスト×導入支援いらずのUI/UX

コクヨ株式会社 ビジネスサプライ事業本部 エンジニアリングユニット ユニット長・小谷侑哉さん
エンジニアリングマネージャー・新田誠一郎さん

課題
内部統制・IPO準備の効率化工数管理

2025年に創業120周年を迎えたコクヨ株式会社。国内有数の老舗企業として、文具・オフィス家具の製造・販売から、ワークプレイスの空間デザイン・コンサルティング、そしてEC事業へと、その事業領域を広げてきました。


そのコクヨが、未来を見据えた新たな一手として2024年に立ち上げたのが「内製エンジニアチーム」です。そして、同チームでの開発資産を適正に評価するため、freee工数管理を導入。その運用が評判を呼び、現在では他部署への展開も視野に入れられるほど注目をされています。


今回は、この重要な変革を主導する、ビジネスサプライ事業本部 エンジニアリングユニットのユニット長・小谷侑哉さん、そしてエンジニアリングマネージャー・新田誠一郎さんの二名に、立ち上げの背景から工数管理ツール導入の検討過程、そして工数管理の成功の秘訣について伺いました。


老舗コクヨの新たな成長へ、創業以来初の内製エンジニア組織の立ち上げ

――はじめに、貴社の事業についてお教えください。

小谷 侑哉さん(以下、小谷): 弊社の事業は大きく分けて3つあります。まず、文房具を中心とした「ステーショナリー事業」。そして、オフィス空間や家具の設計・施工を扱う「空間(ワークプレイス)事業」。それから、BtoBでの「EC事業」です。


EC事業では、仕入れから販売、商品をお客さまにお届けするまでを一貫して担うサプライチェーンのような役割を担っています。このEC事業において、2024年に立ち上げたのがエンジニアチームです。


――エンジニアチームの体制について詳しく教えてください。

小谷: エンジニアチームには現在25名のエンジニアが在籍しています。そのうち11名は今年入った新卒の社員です。その他は中途採用の人材ですが、20代後半のメンバーがほとんどで、30~40代は管理者である我々も含めて3名のみです。組織も人も若いのがチームの特徴といえますね。


――エンジニアチームの立ち上げにはどのような背景がありましたか?

小谷: 120年の歴史を持つ弊社ですが、これまでエンジニア組織を設けたことがなく、ゼロからの立ち上げとなりました。


「内製のエンジニアリングの実現」は、コクヨを更に成長させていくために大きな課題であった「テクノロジーの利活用」の具体的な手段として掲げられました。社内でエンジニア組織が確立されれば、開発のスピードアップにつながり、実験的なものづくりを支える土台となります。


そのうえで、迅速な組織の立ち上げに最適だと判断されたのがEC事業です。すでにWebシステムが存在していて、外注での開発実績もあたっため、エンジニアを集めやすいと考えられました。また、作るものが明確なので組織化しやすいことも判断理由です。


今後はさまざまな部署でエンジニアリングの内製化を目指しており、このエンジニアチームは極めて重要なプロジェクトと位置付けられています。


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低コストとシンプルさで即決。使い方の説明時間はゼロ

――工数管理ツールの導入に至った直接的なきっかけはありますか?

小谷: 直接的な目的は、ソフトウェアの「資産計上」のためです。エンジニアチームは社内のソフトウェアを作るのが仕事なので、最終的には成果物を資産化しなければなりません。その際、何かしらの手段で工数を管理する必要があります。本格的な開発は2025年からスタートと決まっていたので、2024年の段階で、早いうちにツールを定めておく必要がありました。


――さまざまなツールがあるなかで、どのようなきっかけでfreee工数管理に着目いただいたのでしょうかか?

小谷: まず、とにかく「シンプルに工数管理をしたい」という明確な目的がありました。そこで、「一番楽に導入できるもの」という観点でいくつかの製品を調べ、検討する流れになりました。


freeeのことはクラウド会計ソフトの会社として知っていました。エンジニア界隈でもよく社名を聞きますし、そんなfreeeが工数管理ツールも提供していると知り、エンジニア組織で使うツールとしては安心感をおぼえましたね。


――freee工数管理を選ぶ決め手となった点はどのようなところですか?

小谷: freee工数管理が魅力的に映ったのは、その「圧倒的な導入コストの安さ」です。弊社には、「小さく始める」「とりあえずやってみる」というカルチャーが根付いており、そこにピッタリとマッチしていると感じました。
しかし、もっとも重視したのは「入力の容易さ」ですね。工数管理は管理者にとっては重要でも、開発者にとっては本質的ではない、退屈な作業に映りがちです。だからこそUI/UXを重視し、シンプルで簡単な入力ができることを最優先としました。


また、チームの半数が新卒で、工数管理自体がそもそも初めてのメンバーが多かったということもあり、多機能よりもシンプルさ、初めての人にもやさしい、という点にもこだわりました。


――スムーズに導入を進めるために取り組まれたことはありますか?

小谷: 「目的」の共有を徹底することです。「なぜ資産計上を行うのか」という本質的な説明に多くの時間を割きました。


一方、ツールに関する操作説明はほとんどしていません。「使えば分かってもらえる」という感覚があったからです。
実際にほとんど苦労することなく使えるようになり、「導入支援は0時間」で導入できました。ツールがシンプルな分、エンジニアが納得する本質的な話に時間を費やせたのもうれしいポイントでしたね。
また、ヘルプページも充実していて、多くの問題は自分たちで解決できるのも、導入ハードルが低いポイントだと思います。


管理工数はわずか5分。社内で評判となり、他部署でも導入へ

――freee工数管理の導入後にはどのような変化がありましたか?

小谷: 我々2人でチームメンバー25人を管理しているのですが、月末の締め作業の時間はわずか5分程度にまで短縮されました。イメージ通りシンプルに操作でき、当初の目的を十分に満たしています。アップデートを追いかけなくても、自然により使いやすくなっており、非常に満足しています。


新田 誠一郎さん(以下、新田): 私も前職からエンジニアをしており、管理者側よりも入力者側としての時期が長かったのですが、山のようなプロジェクトから選択し、個別に工数を入力していく作業がとにかく苦痛でした。一方freee工数管理は、その使いやすさにいろいろな面で驚きがありました。


特に便利なのが、Googleとの連携です。Googleカレンダーに予定を入れていれば、ツール上でもすぐにプロジェクトをさかのぼって確認できます。また、「工数の不足時間を自動で埋める機能」もかなり使いやすいですね。工数入力の不足時間の処理が自動化できるなど、細かい作業が軽減されるのは非常にありがたい点です。


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部門単位でのスモールスタートにもピッタリ

――freee工数管理を一言で表現するならどのような言葉が当てはまりますか?

新田: 私は、「ちょうどよくて使いやすい」というイメージです。


小谷: 「小さく始める」が思い浮かびました。とにかく導入がしやすく、弊社のような企業規模でも、部門単位で導入してまずはやってみる、ということが可能です。


「触ればわかる」という感覚で、ツールはスムーズに浸透しました。さらに、我々の導入事例を知って、「うちでも使いたい」という部署が増えているんです。


その1つが、社内でデータ抽出などを担うデータサイエンティスト部門です。これまでは概算で工数管理を行い、作業工数を依頼元部門に請求していたのですが、「データサイエンティストとしてより正確に工数管理を行いたい」ということになり、freee工数管理を導入する話になりました。


――これからツールを検討される方にアドバイスがあれば教えてください。

小谷: 導入の目的に対して「過不足のないツールを選ぶこと」が大切だと思います。「多機能であること」や「あれもこれもできる」と言われても、それがやりたいことの外側にあるのであれば、選定基準にしないほうがよいと思います。


――今後の事業についての展望もお聞かせください。

小谷: エンジニアチームのメンバーをさらに増やし、新しい事業にも派生しながら、価値を生み出していくのが理想です。このチームを「ひとを育てる場」として機能させつつ、各事業に人材をシェアしていくことができたらいいですね。


そのためには、数人単位のチームに分かれたとしても、組織として自走できることが重要な課題となります。ここから離れた場所でも価値を生み出せる、そんな自律したマインドを持つ組織を作っていきたいです。


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掲載日:2025年10月10日


Company Profile

コクヨ株式会社
従業員数:連結7,647名、単体2,261名 (2024年12月末現在)
URL:https://www.kokuyo.com/


事業内容

文房具の製造・仕入れ・販売、オフィス家具の製造・仕入れ・販売、空間デザイン・コンサルテーションなど

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