IXホールディングス株式会社は、三重県伊勢市に本社を置き、事業会社8社と持ち株会社1社の合計9社から成るホールディングスです。伊勢志摩を力強く変革させていく一翼を担いたいという思いのもと、「おにぎりせんべい」を製造販売している株式会社マスヤを中核に、伊勢志摩に密着した事業を多数行っております。
もともと使っていたオンプレミスの会計ソフトではメンテナンスや更新に手間 がかかり、更新のタイミングを機にクラウドサービスを検討することになり、freee導入に至りました。
導入のきっかけや、グループ会社でのシステム導入のリアルについて、システム担当の神山大輔さん、伊藤彰紀さんに話を伺いました。
――IXホールディングス様の事業概要と、神山さん、伊藤さんの業務について教えてください。
神山 大輔 さん(以下、神山):
去年の1月1日に社名を「IXホールディングス株式会社」変更しております。「I」は伊勢志摩の「I」で、「X」はトランスフォーメーションの「X」となっており、伊勢志摩を力強く変革させていきたい、その一翼を担いたいという意味をここに込めています。
IXホールディングスは、事業会社8社、及び我々持ち株会社が1社で、合計9社からなるホールディングスです。基本的には「おにぎりせんべい」を製造販売している株式会社マスヤが中核になっており、その他は特に伊勢志摩に密着した企業が多いです。
私は伊勢志摩で生まれ育ったのですが、 大学卒業後は大阪や東京のIT企業で経験を積みまして、 ちょうど5年前の45歳の時にUターンで転職をさせてもらい、そこからIXホールディングスのグループCIOとして、業種業態の異なる事業会社の情報システムを横断的に統括、グループ全体のDXを推進しています。
伊藤 彰紀 さん(以下 、伊藤): 私は株式会社マスヤに入社をしまして、当時は総務本部の一員として、基本的にはシステム業務をしておりました。5年前に神山さんが来られて、ホールディングスの方にデジタルチームができたのでそちらの移籍しました。それからは、他のグループ会社のサポートもしています。弊社はサービスごとに担当が決まっており、私はfreeeさんとのやりとりを担当しています。
――バックオフィスはどのような状態でしたか。当時、困っていた点などを教えてください。
神山:
もともとオンプレを使っていたため、全てネットワークを分けて、専用のパソコンで業務に取り組まなければいけなかったんです。当時は10社あり会計ソフトも別々のものを導入していたため、経理担当が病気になってしまったり辞めてしまった時にとても困っていました。
そんな頃、システム部門が設立され、全社でシステムを統一しようという流れになったんです。このタイミングで事業会社の1社がfreeeのシステムを導入しはじめ、使い勝手もよかったため他の会社でも使い始めることになりました。
freeeは小さい事業所向けのサービスであり、製造業にはあまり向いていないと思っていたので正直不安はありました。その思いをfreeeの担当者にぶつけたところ「やれますよ!」とおっしゃっていただいて導入に至りました。
伊藤: 製造業ならではの会計業務もあるので、運用に落とし込むまでには大変な側面もありました。特に管理会計の部分は、もともと導入しているシステムと調整を行いながら、なんとか運用に落とし込む ことができました。
――導入にあたって、どのような準備や作業が必要でしたか?
伊藤: 導入までは4ヶ月かかりました。freeeの担当者の導入サポートの存在が大きく、認定アドバイザーの力を借りながら、スムーズに導入することができました。
タグであったり、仕分けの部分など、freeeならではの構造を理解するところは大変でした。私自身は会計の知識がなかったのでわかりやすかったですが、経理担当者はここに少し時間がかかりました。システムを使う中で慣れていき、今では社員から「使いやすい」という声が上がるようになりました。
残業ありきのバックオフィスも、システム導入で定時退社を実現
――DXを進める上で、社員さんの意識に変化はありましたでしょうか?
神山: 新型コロナウイルスの流行は一つのきっかけになりました。やっぱり、社員はもともとIT化に対して苦手意識が強い状況だったんですね。システムはあくまでも補助的な道具という位置付けで、メインでは使ってなかったんです。ただ新型コロナウイルスが流行してしまって田舎でも「出社するな」という命令が出てきた時、たまたま準備をしていたのでリモートワークをスムーズに行うことができました。これをきっかけにこうしたシステムを使う機会が増 え、少しずつ社員も慣れてきました。
社内のシステムを変えていくことに対して、社長が前向きだったことも大きいです。どんどん変えていこうという方針なので、社長が使っているならということで社員もそこに対応していくような雰囲気はありました。
伊藤: システム部門が設立され神山さんが入社したことも一つのきっかけとなり、社員の中にも「変わらなきゃいけない」という意識が少しずつ芽生えてきました。もちろん抵抗のある社員も多くいましたが、全社としてもIT化を進めていく方針だったので、使っていく中で少しずつ慣れてきたと思われます。
神山: こうしてDX化を進めることで社内には時間が生まれたと思います。最近は帰宅時間が早くなりました。昔は、VPNへの接続や他部署との連携も大変で19時頃まで残っている社員も多くいましたが、今では18時にはもう半分以上の社員は帰宅しています。
Excelからの脱却。作業量は1/3に。
――freeeを導入して変化したことはありますか?
一番大きな変化はExcelから脱却することが出来たことです。伝票や清算書などを作って印刷して保管して...。こうした一通りの細々とした作業がなくなりました。Excelへの転記がなくなったことで入力作業は半分になりました。また、全体的な作業量は1/3になり大幅な時間削減が叶いました。
――最後に、御社のようにグループ全体で経営や業務フローを見直している会社へアドバイスがあればお願いします。
freeeのシステムは汎用性が高いので、どんな会社にでもある程度合うものだと思います。我々も9社ありますが、どこでも使っていけるものです。UIもわかりやすいので、触ってみてもらえばそれがよくわかると思います!