3日かかる年末調整の作業時間を1時間に短縮! 電子申告の利用で工数を大幅に削減!

freee株式会社 労務部 宮﨑 亮子 氏

課題
バックオフィスの体制構築・効率化

令和3年1月以降、法定調書の提出が100枚以上の企業は電子申告が義務化され、各事業所での対応が必要となります。


freeeでは年末調整業務は外部に委託せずに自社の人事で行なっており、令和3年の電子申告義務化に先駆けて、自社による電子申告に取り組みました。


社労士事務所で6年間働かれたのちfreeeに転職、freee労務部で令和2年度の年末調整の電子申告に際して実務を担われた宮﨑亮子氏に、話を聞きました。



ーー前職では社労士事務所に勤めていたということですが、年末調整はどのように行っていたのでしょうか。

年末調整の申告の際には、事務所総出で印刷された申告書を市区町村ごとに封筒詰めする作業や、市区町村ごとの送付先を調べる作業が発生していました。100名規模の事業所を担当していましたが、これらの作業を行うために、3人掛かりで2日ほどかかっていました。

年末調整のフロー

ーーfreeeでは前年度までどのように年末調整の申告を行われていたのでしょうか。

前年度までは、自社の電子署名を取得していなかったので、従業員情報の収集まではfreee人事労務を用いて労務部で行い、申告は税理士資格を持っている弊社従業員に代理申告をしてもらっていました。



ーー令和2年度に自社で電子申告を行おうと考えたきっかけを教えてください。

作業量の削減と来年度の電子申告義務化を見据えた結果、取り組もうと思いました。


令和2年度は退職者も合わせると約800名もの給与支払報告書の申告を行う必要がありました。もし、紙で申告を行っていた場合、支払調書や法定調書合計表、給与支払報告書の総括表も含めると約2,000枚の書類が必要になります。6名掛かりで3日ほどかかっていたのではないかと思います。


freeeは令和3年度からも電子申告義務化の対象事業所なので、なんとしても今年から自社で電子申告したいと考えました。


また、プロダクトを提供している会社の労務としてもっとプロダクトの進化に貢献していきたい思いがあります。


繰り返し行う反復作業やテスト環境ではなく実際に行うのが簡単ではない申告業務など、実務担当だからこその気づきやフィードバックを積極的に行っていきたいです。
今回の自社での電子申告は実務担当者の肌感をプロダクトへフィードバックできるいい機会だと思いました。


freee 宮﨑 亮子 氏

ーー実際にfreee人事労務の電子申告を利用されてメリットはありましたか?

事前準備も含めて約1時間で申告完了

e-Tax(イータックス)・eLTAX(エルタックス)の利用者番号を取得したり、電子証明書の紐付けを行ったりといった設定におよそ1時間。そして、freee社員が住む100を超える市区町村に申告する必要がありました。北は北海道札幌市から南は鹿児島県鹿児島市まで。それでも、従業員から集めた情報をもとに電子申告自体は10分ほどで完了しました。


電子申告画面1

※申告先の一覧画面の一部

印刷や封筒詰めなどの根本的な作業の激減はもちろん、freee人事労務の場合は給与計算のデータと申告のデータが統合マスタとして一括管理されているので、給与ソフトから申告ソフトにデータを移行する作業も一切発生しないです。おかげで画面上のクリック数もかなり少なくすみました。


これまではCSVを出し入れするのが大変でした。また、電子申告でエラーが出るともっと大変で、給与計算ソフト側に戻って修正をして、再度データを出力するなど手間がありました。


全体的に立ち止まることのない画面フローになっており、通常の労務業務を圧迫することなく終えることができました。



ーーfreeeの便利な機能を教えてください。

まずはクラウド上で資料回収を行うことができるところです。


従業員自らfreeeにログインし、プロダクトの流れに沿って入力したり、控除書類をアップロードするだけ。簡単に年末調整に必要な情報が労務に集まります。


手順が分かりやすため、紙の時に比べて問い合わせが少ないということも、とても嬉しいポイントです。


電子申告画面2

※従業員の提出画面

また、管理者の画面では、資料回収の進捗が分かるため、とても便利です。


これを見ながら、提出が滞っている従業員を素早く見つけ、フォローすることができました。以前は紙の書類を集計し、誰が何の書類を提出しているか把握するのも一苦労でした。


電子申告画面3

※管理者用の進捗確認画面

市区町村ごとへの申告も大変楽になりました。従来の紙での申告の場合、従業員が所属する市区町村が100あれば、その分封筒を用意して、郵送をする必要がありました。


電子申告にすることによって、市区町村ごとの従業員振り分けも自動で行われ、申告先も画面上で一覧確認できます。


もうひとつは、申告開始から完了、そして送信結果の確認まで全てfreeeで完結する仕様になっている点です。


事前にe-Tax(イータックス)の利用者識別番号とeLTAX(エルタックス)の利用者IDの取得さえしていれば、申告作業の途中でetaxなどの別ソフトを使う必要もないので作業が滞りません。


また、freeeを利用した申告、申請を一覧で確認したい場合や、各従業員の提出先を再確認したい場合もfreee内で見ることができます。


電子申�告画面4

※freeeでの申告一覧

ーー今後はどのようなことに取り組みたいですか?

労務チームとして、プロダクトの進化に寄与したいと思っています。今回、実際に自社で申告を行ったことにより、プロダクトの改善点も見えてきました。


ユーザーの皆さんに更なる価値を届けるためにも、freee人事労務の今後の進化に対してどうすれば実務担当者の声を反映できるかも考えていきたいです。



ーー検討中の方へ一言

自社プロダクトながら、freee人事労務の電子申告機能は使わないと損です。通常の労務業務を止めることなく、年末調整を終えることができるので労務担当者の負担を大幅に減らすことができます。


2,000枚のペーパーレス化に加え、大幅な工数削減も実現でき、とても満足しています。法定調書が100枚以上の企業は令和3年1月以降、電子申告義務化となりますが、ぜひfreee人事労務を有効活用いただきたいと思います。



freee株式会社