freee会計で経理担当者は2人から1人へ。NPO法人によるfreee会計の使い方とは

NPO法人ドットジェイピー
事務局次長 友水美奈子様

課題
複数人・複数拠点で経理データを共有

大学生の国会・地方議員などへのインターンシップを通じて、若者を政治に取り戻し、若年層の投票率上昇を志すNPO団体がドットジェイピー。全国25か所に拠点を置き、インターン先としての議員事務所数も500を超えるドットジェイピーの経理作業は膨大です。かつては社員2人がかり、休日返上で経費精算や請求書郵送を行っていました。しかし、クラウド会計ソフトfreee(以下、会計freee)を導入して状況は一変、経理担当者は1人で済むようになり、請求書などを含む印刷費も削減でき、バックオフィス業務は大幅に効率化されました。

NPO法人ドットジェイピーについて

議員インターンシップで若者と政治を繋げる

「ドットジェイピー」は若年層の投票率向上を目的に活動しているNPOです。メイン事業は大学生の長期休暇を利用し、年に2回実施する「インターンシップ事業」で、3つの体験学習プログラムを提供しています。


国会や地方議員のもとで行う「議員インターンシッププログラム」と、大使館や各国公的機関で行われる「グローバルインターンシッププログラム」。そして、国内のNPO法人や国際NGO団体で行わる「NPOインターンシッププログラム」です。また、年2回、インターンシップ期間中に、国や地域を考える、政策コンテストを開催しています。


それぞれの生の現場で、議員や公的機関、NPOで働く人びとの仕事に対する姿勢や思いを知り、私達が生活する社会と政治のつながりを感じることのできるプログラムになっています。


現在、全国25拠点で約500人の大学生スタッフが中心に活動し、メイン事業である「インターンシップ」や、政策コンテストの運営を行っています。

freee会計導入前の経理状況

経費精算に丸5日、毎月中旬は土日返上で経理作業

入社当時から全国各地に大学生のスタッフがいて彼らの経費精算がとにかく大変でした。毎月15日から20日まで5日間みっちり経費関連の業務に当て、導入までの10年間、毎月中旬は経理関連の処理だけで業務が手一杯でした。


学生スタッフから送られてくる経費関連の精算書は、メールと郵送の2種類あり、それをひとつひとつ確認するのもハードな作業でした。スタッフから提出してもらう精算書と、会計処理で必要なデータを取りまとめるフォーマットが同じではなかったので、時間もかなりかかるんです。そもそもエクセルのデータを開いていくのも億劫なんですよね。たくさんのデータを同時に扱っているとPCもフリーズして業務が滞ってしまうので効率が悪かったです。


スタッフは全国にいて、直接対面でやり取りをするのではなく、メールでのやり取りがメインとなります。文面だけで経費関連の細かいやりとりをするのは、お互い負担になっていたと思います。


プログラムにご協力いただく議員会員の方々にも、500件の請求書を一斉に発送します。ご入金も同時期なので、請求書の発送からご入金の確認、そして、領収書の発送など、とても時間がかかりました。請求書発送はスタッフ3人がかりで丸2日間かかりきりでしたね。


もちろんそれだけでなく、全体の会計関連に関しての会計士とのやりとりも対面で終日みっちり行っていました。


freee会計導入後の効果

経理担当者を2人から1人に削減。請求書郵送機能もフル活用

freee会計を導入したきっかけの一つは、バックオフィス担当者が一人会社を離れてしまい、私一人で行うことになったからでした。しかし結果的に、一人でも余裕を持って業務を行えるようになったので、1人分の人件費が削減されたことになりますね。土日もきちんと休めるようになったのが個人的には嬉しかったです。


学生スタッフの経費精算はとてもスムーズになりました。freee会計上で各支部のデータが月末に同期されるので一目瞭然なんです。


議員会員の方々からの会員費の振込は500件以上に上りますが、freee会計が自動消込してくれるので、とても助かっています。もちろん人力でのチェックも行いますが、従来は5日間かかりっきりだったのが、現在では他の業務の空き時間にチェックする程度で済んでいます。


freee会計には「請求書郵送機能」もあるのでとても重宝しています。郵送の作業がほとんど要らなくなったのはもちろんのこと、印刷郵送費も削減することに成功しました。


会計士とはfreee会計導入前は月に一度会っていたのですが、現在は半年に一度、納税のタイミングだけで間に合っています。以前は私同様、会計士の方も、クラウド会計に不安を抱えていたのですが、現在では「やり取りが楽になったね」と話しているので、双方にとって良い選択だったと思います。


私はもともと数字から分析するのが好きで、登録するだけで一望できるfreee会計はとても合っていました。前は膨大な数字を処理してエクセルで計算式を作って二重チェックするところで力尽きてしまい、数字の分析まで手が回らなかったのですが、freee会計のおかげで可能になりました。


今後の展望

経理作業を誰にでも引き継げるようなシステムを構築したい

現在、全国に25の拠点でインターンシップ事業を行っているのですが、25拠点にとどまらず、全都道府県に広げていきたいと思っています。いずれは全支部のスタッフが一同に集まる全社会議を東京ドームで行えたら……という大きな夢を持っています。


そのためにも私自身、現場の仕事により一層コミットする時間を増やしたいので、freee会計をもっと使いこなせるようになり、自由な時間を増やしたいです。


今、会社でfreee会計を扱えるのは私だけなのですが、誰にでもスムーズに業務移行できるような体制を整えたいです。「誰にでも簡単に会計作業ができる」のがfreee会計の良いところですから。


通常、インターンシップは就職活動を意識しだす大学3年生が参加するものかと思いますが、弊社のインターンシッププログラムは、1.2年生が多く参加をしています。みんなやる気に満ち溢れていて、チャレンジ精神が旺盛。パワフルすぎて心配になるくらいで、若さの持つエネルギーはすごいなあと関心しきりです。


学生のやる気を削がないためにも、経費精算など面倒なことで負担はかけたくないんです。議員会員のみなさんからの会員費の入金は同時に行われるため完全に自動化されているのですが、参加学生や、スタッフとのやりとりは個別対応にならざるを得ません。煩雑な部分はまだまだ多いので、すべて自動化できるように工夫していきたいですね。


社会の仕組みや自分の住む国・地域を知り、社会と政治のつながりを実感するためには、それぞれのプログラムに参加をして、自ら体験するのが一番早いと思っています。議員や機関の方々に会い、その仕事をすぐそばで見ることによって、政治はもちろんですが、自分が住んでいる地域、そして国をより身近に感じられるでしょう。日本の若者たちの政治参加がより進むように、団体の使命をまっとうしていきます。

NPO法人ドットジェイピー