Amazonの品揃えや利便性はそのままに、法人向けに始まった新サービス「Amazonビジネス」。このAmazonビジネスがfreeeと連携したことで、企業や税理士事務所に大きなメリットが生じています。
「Amazonビジネス×freee」を早い段階から導入している株式会社Wewillの代表で、税理士法人Wewillの代表も務める杉浦直樹さんに話を伺いました。
ワークフローを容易に統一できる
――freeeを導入したきっかけを教えてください。
杉浦直樹氏(以下、杉浦): 私たちが運営する株式会社Wewillは、IPOを目指しています。その意味では、他に検討の余地なくfreeeを選択しました。私を含め弊社のスタッフが「どう使ったらいいか」を隅々までわかっているので、自分たちで業務を構築していくイメージがいちばんしやすいのがfreeeだったのです。
――他社のサービスとは比較しなかったのですか?
杉浦: 他社のサービスは常日頃から比較しています。マネーフォワードも弥生もTKCもバクラクもスマートHRも、すべて試用して特徴を理解しています。その中でも、ERP【※1】的に業務を管理できるfreeeの魅力が勝ったということです。
※1 Enterprise Resource Planningの略。企業経営の基本であるヒト・モノ ・カネ・情報を適切に分配して有効活用する計画(考え方)を指します。
――freeeを導入してどんな効果がありましたか?
杉浦: ワークフローを統一できたのが大きな効果の一つだと思います。freee人事労務で設定したワークフローで、例えば労務系も会計系も稟議系もすべて統一できます。
またいちばん大きいのは、購買申請やワークフローが仕訳に紐づいていることです。判断の基準となる情報が仕訳に紐づいているのは便利だと思います。帳票についても、普通に仕事をしていれば、最終的なデータを会計から一緒にたどれるのは素晴らしいことです。そこが統合されているのはfreeeしかないと思います。
Amazonビジネス&freeeのインパクト
――貴社は購買周りのDX(デジタルトランスフォーメーション)としてAmazonビジネスをご利用されています。同サービスを活用した運用について工夫していることがあれば教えてください。
杉浦: 例えば軽減税率の8%というものがあります。Amazonビジネスで「これしか買ってはいけません」と設定しているアカウントについては、分けて管理しています。入口が別になるので、データに色がつけられます。
「これしか買ってはいけません」と区分けしているアカウントからの申請は、念のためチェックはしますが、すべて8%で処理しています。
――freeeとの連携によってAmazonビジネスが便利になった点があれば教えてください。
杉浦: 改変できない状態で明細が入ってくることだと思います。明細にはタイトルがすべて入ってきますが、そうなるとわざわざAmazonへ見に行かなくてもfreee側で「これは何だったっけ?」というのがわかります。つまり会計管理部としては、freeeだけを見ていればどの部門が何を買ったかがわかるのです。
他にも、部門ごとにAmazonアカウントを分けているので、部門会計も自動化できます。繰り返しになりますが、入口を分けることでデータに色をつけるのは会計の基本中の基本です。
――他にも工夫している点は何かありますか?
杉浦: 繰り返し購入する物品については、「これしか買わない」という取り決めをして購買表を作り、スタッフの変な好みを入れさせないとか、いろいろ工夫はしています。
細かく言えば、例えばトイレットペーパーはダブルかシングルか、という話もあります。ダブルだとふんわりして気持ちいいのかもしれませんが、購買頻度が上がるので無駄だと感じる人もいるでしょう。ダブルのふんわり感を許したばかりに、購買の手間が増えるのは本末転倒だととらえる人もいるはずです。笑い話に聞こえるかもしれませんが、業務改善というのはこういう細かいことの積み重ねだと思います。
新しいことはとにかく研究する