社会福祉法人檸檬は、特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業所の4つを併設した複合型介護施設を運営しています。2014年に法人を設立し、2016年に特別養護老人ホームを開所して運営事業を本格的に開始。「会えて良かった」という法人理念に基づき、人を大切にする経営を実践し、現在では従業員約125名の規模に成長しています。
同法人はまた、DX化推進に取り組んでおり、その一環としてバックオフィス効率化のためにfreee会計を導入いただきました。今回は、そうした取り組みの背景から、freee会計を選んだ決め手や導入後の効果について、事務長の櫨 丈一郎様と事務主任の北尾 里美様にお話を伺いました。
課題
・会計士へ送るデータのバックアップが多数存在し、最新版が不明確に
・経営判断に必要な月次デー タの確定が遅く、意思決定に支障があった
導入の決め手
・クラウド型でデータ共有や更新が容易
・社会福祉法人会計に対応、継続的なバージョンアップが期待できる
導入後の効果
・月次・決算の確定が1か月以上早まり、迅速な経営判断が可能に
・会計以外の業務に充てられる時間が増えた
業務の標準化で職員の成長とキャリアの幅を拡大
――DX化推進はいつ頃から、どのような背景で進めてこられたのですか。
櫨さん(以下、櫨): 5年前にタイムカードをクラウド型の勤怠システムに切り替えたのが最初です。その後、段階的に各種システムを導入してきました。
労働人口が減少する中で、人が担う仕事はAIに置き換わる部分も増えていきます。そう考えると、DX化は避けて通れないというのが、推進理由の一つです。
もう一つの理由は、仕事を属人化させたくないという思いです。多くの業務を誰でもできる仕組みにしていけば、職員のキャリアビジ ョンが広がりますし、現場の職員が本部業務にチャレンジするきっかけにもなります。できるだけシンプルで誰でも同じように業務を進められる仕組みを意識して、少しずつシステムを取り入れています。
――その流れのなかで、freee会計の導入も進められたのですね。
櫨: はい。会計業務はもともと北尾と上長の2人体制でしたが、その上長が退職することになったことも一つのきっかけでした。新たに人員を補充するか、それとも1人でも対応できるようシステムで補うのかを検討したうえでの判断でした。
北尾さん(以下、北尾): 当時は別の会計システムを使っていたのですが、それが使いづらかったことも、freee会計導入のきっかけです。特に、入力作業でコピー&ペーストができず、同じような仕訳でも毎回すべて手入力する必要があり、非常に時間がかかっていました。
また、入力後は会計士さんに確認してもらっていたのですが、毎回バックアップを取ってからデータを送る必要がありました。しかも、訂正があるとバックアップを取り直してからデータの再送が必要で、非常に手間でした。バックアップのタイミングを間違えると、どちらが最新のデータかわからなくなることもあり、そこが一番困っていた点です。
こうした会計業務のやり方を少し見直したいと思っていた時に、クラウド型のシステムであるfreee会計を紹介してもらい、導入を検討することになりました。