バラバラだった人事労務ツールの一本化で、350人分を3名で支える体制へ。工数・属人化リスクも大幅削減

社会福祉法人嵐山寮 法人事務局 係長 中嶋 優 様

課題
給与計算から振込までラクにミスなくバックオフィスの体制構築・効率化

社会福祉法人嵐山寮は、京都市内に4つの拠点を構え、特別養護老人ホームや養護老人ホーム、地域包括支援センターの運営など、高齢者福祉に特化した事業を展開しています。約350名の従業員が在籍するなかで、勤怠管理・給与計算・年末調整といった人事労務業務は、長らく異なる複数のツールを個別に運用しながら対応してきました。


しかし、ツール間の連携をおこなう上で必要となるCSV加工など煩雑な作業が発生し、業務は属人化。従業員からの問い合わせも多く、管理部門・現場担当者双方に負担がかかっていました。こうした状況の改善を目指し、2025年1月にfreee人事労務を導入。今後はfreee勤怠管理Plusの導入も予定しており、さらなる業務効率化を目指しています。


今回は、freee人事労務とfreee勤怠管理Plusの導入に至るまでの経緯や、実際の活用効果について、法人事務局 係長の中嶋優様にお話を伺いました。


課題

・複数ツールの使用により、人事労務業務に大きな工数が必要
・ツール間の連携に必要なデータ作成が属人化
・操作がわかりづらく従業員からの問い合わせが多数あり

導入の決め手

・複数のツールがfreee一つで連携でき、CSV作成も不要
・複雑な勤務体系にも柔軟に対応できる設定性
・操作に不慣れな職員でも使いやすいUI設計

導入後の効果

・労務チームが5名から3名体制に
・CSVの加工作業が不要となり、属人化リスクを解消
・従業員からの操作問い合わせがほぼゼロに減少

勤怠・給与・年末調整。バラバラなツール管理の限界

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――人事労務業務の体制やツールの運用について、freeeを導入する前の状況を教えてください。


中嶋さん(以下、中嶋): 勤怠管理、給与計算、年末調整など、人事労務に関わる業務ごとに異なるツールを使って対応していました。各業務の課題に応じて、担当者ごとの判断で個別にツールを導入していった経緯があります。


結果的に、ツールがツギハギになってしまい、管理が煩雑化してしまって…。人事労務の業務に多くの人手と時間が必要でした。実際にfreee導入前は、労務担当が5名体制、うち給与計算には2名もの人員を割いていました。


――そうした状況のなかで、特に課題を感じていたことは何ですか?

中嶋: ツール間の連携ができないため、各ツールのデータを別のツールに取り込むためにCSVデータを加工する作業が必要だったことです。例えば、勤怠情報を給与計算に連携する際には、1度勤怠データをエクスポートし、Excelで関数や数式を組んで整え、給与計算ツールにインポートする必要がありました。


この作業が非常に複雑で、対応できる職員が1人しかおらず、完全に属人化していたんです。1人で行わざるを得ないため、勤怠の確認から給与システムへの反映までに、7営業日ほどかかっていましたね。


――実際に各ツールを使用する従業員側からは、どのような声がありましたか?

中嶋: 申請の内容によって使うツールが異なっていたため、操作に戸惑う従業員が多くいました。住所変更などの個人情報は人事情報管理のツール、有給休暇は勤怠ツール、給与明細はまた別の給与管理ツールと、確認や申請のたびに使い分けが必要で。


それぞれ操作方法も異なるので、たまにしか操作をしない従業員にとっては扱いづらく、事務局側もその問い合わせ対応に時間を要していました。


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――現場のスタッフだけでなく、事務局のスタッフにとってもツールが使いづらいとストレスになりそうですね。

中嶋: 実は経営層からも、操作の煩雑さや情報の分散について課題の声があがっていました。ツール同士が連携していないため、確認したい情報によってそれぞれ別のツールにアクセスする必要があり、手間がかかっていたんです。使いやすさを重視したツールの見直しは会社全体の課題でした。


決め手は200種類以上のシフトに対応できる柔軟性。勤怠から給与まで人事労務に関わる情報が加工不要で自動的につながる

――新しいシステムを検討するうえで、どのような点を重視されましたか?

中嶋: 重視したポイントは大きく2つあります。1つ目は、勤怠から給与まで人事労務に関わる情報が連携できることです。特に介護業界では制度や報酬の加算ルールが頻繁に変更されるため、そのたびにExcelで数式を組み直して対応する必要があります。属人的な作業になるうえ、修正の工数もかかるんです。そのため、連携のためのCSV加工などが極力必要ないシステムを重視しました。


2つ目は、現場の従業員から労務担当者まで、誰でも扱いやすいシステムであることです。使用頻度の低い従業員が操作しやすいことはもちろん、日常的に業務を担う担当者にとっても、無理なく使い続けられる操作性は重要な判断基準でした。


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――他社のサービスも比較されたと伺いましたが、最終的にfreeeを選んだ理由を教えてください。

中嶋: 複数のサービスを比較するなかで、自社の運用に合った設定が可能かを慎重に確認しました。例えば、当施設では正職員・アルバイトを含む多様な雇用形態の職員が在籍しているだけでなく、介護業界特有の業務や手当があります。勤務シフトは200種類以上もあって…。複雑な勤務体系や勤怠処理に対応できる柔軟な設定ができることは必須機能でした。


freeeは、こうした複数の勤務パターンへの対応はもちろん、勤怠打刻の修正なども手軽にできて実務に合った仕組みも備えており、当施設の現場でも無理なく運用できると判断しました。


またデモ画面を触った際に「freeeのシステムは直感的に操作できそう」という声が労務担当者から上がっていました。こうした現場の反応も、導入を後押しする材料でした。


労務は5名から3名、給与計算は2名から1名体制へ。freeeを軸にした業務改革で、属人化しない"強い組織"を構築。

――freeeを導入して、実感されている効果はありますか?

中嶋: とくにfreee人事労務の導入で、特定の時期に業務が集中する状態を解消できたことが最も大きな変化です。例えば、交通料金改定の登録作業について、以前は改定料金が適用されるその日以降にしか登録ができず、限られた期間で集中的に処理する必要がありました。


しかし、freee人事労務では事前に予定情報を登録しておけるため、業務が特定の時期に偏らず、日々の業務で分散して対応できます。この機能のおかげで担当者の精神的な負荷はかなり軽減されました。


給与計算にかかる作業についても、導入前はベテラン担当者に業務が集中し、残業が発生する状況でした。現在はメイン担当者以外の職員も給与システムの操作が可能となり、特定の人に業務が集中するリスクも軽減されました。


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また、導入前は労務担当者の独自の業務フローなどもあったのですが、導入を機会にfreeeのシステムに業務フローを合わせるように見直しました。freeeであれば、労働基準法も考慮したベーシックなフローに自然に合わせられるので安心です。


導入前は労務に5名体制、うち2名で給与計算を行っていましたが、現在は全体で3名体制、給与計算はそのうち1名がメインで対応しています。freee人事労務によって、作業効率が上がった成果だと思います。


――経営陣との人事労務の情報連携に変化はありましたか?

中嶋: 以前は経営陣に提出するレポートを自分たちで表計算ソフトを使って作成していたが、freeeの人事レポート機能によってグラフ化されたデータをボタン一つで作成できるようになりました。人事労務の情報活用が加速していると感じます。


freeeは働きやすさを“仕組み”で支えてくれるパートナー

――今後、freee勤怠管理Plusの導入も予定されていますね。freee人事労務を導入してみたうえで、どんな効果を期待できそうでしょうか?

中嶋: 複雑なシフト作成や勤怠管理が自動化できるfreee勤怠管理Plusを導入することで、各ツールの連携に必要としていた作業工数の削減が見込めます。


現在は、勤怠データの集計や確認作業も、別ツールからのエクスポート・加工といった作業で最大7営業日ほどかかっています。freee勤怠管理Plusで集計した勤怠データをワンクリックでfreee人事労務へ取り込めることで、全体の流れとしてより効率的な運用が実現できると期待しています。


実際、freee人事労務で利便性を感じているからこそ、freee勤怠管理Plusでも同様の効果が得られるのではないかと期待しています。


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――最後に、嵐山寮様にとって、freeeとはどんな存在でしょうか?

中嶋: 従業員の働きやすさを追求する上での「最強のサポートツール」だと感じています。介護の現場で生産性を大きく上げることは簡単ではありませんが、業務の負担感を減らし、精神的なゆとりを生み出すことはできると考えています。


freeeは、そうした「働きやすさ」を追い求めていく中で、実際の業務にフィットしながら、現場を下支えしてくれる存在だと思っています。


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