シングルサインオン(SSO)とは|仕組みやシステムの選び方を解説


最終更新日:2025年01月06日

シングルサインオン(SSO)とは|仕組みやシステムの選び方を解説

シングルサインオン (SSO) とは、一度の認証で複数のシステムやサービスにログインできる仕組みです。 各サービスごとに異なるIDやパスワードを入力する手間が省け、利便性が向上したり、パスワードの使い回しや管理ミスを減らし、セキュリティの強化にも寄与します。

本記事では、シングルサインオン(SSO)の概要とその仕組み、システムの選び方について解説していきます。

目次

シングルサインオン(SSO)とは

シングルサインオン (SSO) とは、一度の認証で複数のシステムやサービスにログインできる仕組みです。通常、複数のWebサービスやアプリケーションを利用する場合、それぞれに異なるIDとパスワードを入力してログインする必要があります。しかし、SSOを導入することで、一度のログイン操作で、許可されたすべてのシステムにアクセスできるようになります。

また、複数のIDとパスワードを管理する必要がなくなるため、パスワードの使い回しや紛失のリスクを減らすことにも繋がります。

ユーザーのアクセス権限を一元管理できるため、セキュリティポリシーの適用やアクセス状況の監視が容易になり、IT管理者にとっても有用でしょう。

シングルサインオン(SSO)の主な方式と仕組み

シングルサインオン(SSO)の主な方式と仕組みとして主に以下5点が挙げられます。

  • エージェント方式
  • リバースプロキシ方式
  • 代理認証方式
  • フェデレーション方式
  • 透過型方式

それぞれのポイントについて解説していきます。

エージェント方式

ユーザーの端末に専用のエージェントソフトをインストールし、ID・パスワード情報を一元管理する方式です。この方式では、ユーザーがサービスにアクセスする際に自動的にログイン情報を入力してくれるため、ユーザーは毎回ID・パスワードを入力する必要がありません。
ただし、端末ごとにエージェントソフトをインストールする必要があるため、管理の手間がかかるというデメリットもあります。

リバースプロキシ方式

リバースプロキシ方式は、リバースプロキシサーバーを介してアクセスすることで、ユーザーは一度の認証で複数のサービスを利用できます。この方式では、リバースプロキシサーバーがユーザーの認証を行い、認証が成功すると、アクセスしたいサービスへユーザーを転送します。サーバー側で認証情報を管理するため、端末へのソフトウェアインストールは不要で、管理の手間も軽減できます。

代理認証方式

代理認証方式は、サービスのログイン画面に対して、ID・パスワードを自動的に入力することでSSOを実現します。ユーザーはログイン操作を意識することなく、シームレスにサービスを利用できます。
この方式は、既存のシステムを変更することなく導入できるというメリットがありますが、セキュリティ面では他の方式に比べて脆弱性が高い可能性があります。

フェデレーション方式

フェデレーション方式は、異なる組織間でユーザー認証を連携します。組織Aで認証されたユーザーは、組織Bのサービスにも改めてログインすることなくアクセスできます。
この方式は、組織間での連携を強化したい場合に有効ですが、導入には高度な技術と設定が必要となります。

透過型方式

透過型方式は、ユーザーがSSOを利用していることを意識させずに、シームレスにサービスへアクセスできます。既存システムへの影響が少なく、導入しやすい点が特徴です。ユーザーは普段通りの操作でサービスを利用できるため、利便性が高い方式と言えるでしょう。

シングルサインオン(SSO)のメリット

シングルサインオン(SSO)のメリットとして主に以下3点が挙げられます。

  • アカウント管理の効率化
  • 利便性の向上
  • セキュリティの強化

それぞれのポイントについて解説していきます。

アカウント管理の効率化

シングルサインオン(SSO)を導入することで、IT管理者はユーザーのアカウント管理を効率化できます。

従来、複数のシステムごとに個別にアカウントを作成・管理する必要がありましたが、SSOではアカウント情報の更新やアクセス権限の変更などを一括で行えるようになります。また、従業員の入社・退社時や異動に伴うアカウント管理もスムーズに行えるようになり、IT管理者の負担軽減に繋がります。

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利便性の向上

SSOは、ユーザーの利便性向上にも貢献します。複数のシステムにアクセスする際に、毎回IDとパスワードを入力する必要がなくなり、ログインの手間を省けます。パスワードを覚えたり、管理したりする負担が軽減されるため、ユーザーはストレスなくシステムを利用できるでしょう。
また、パスワードの使い回しやメモの紛失といったリスクも低減されます。

セキュリティの強化

ユーザーは、強力なパスワードを一つだけ管理すれば良いため、パスワードの使い回しや、単純なパスワードの使用を防げます

他方、多要素認証などの高度な認証方法を導入しやすくなるため、不正アクセス対策の強化に繋がります。また、アクセスログを一元管理することで、不審なアクセスを早期に検知し、セキュリティ上の問題を予防できます。

シングルサインオン(SSO)のデメリット

一方でシングルサインオン(SSO)のデメリットとして主に以下2点が挙げられます。

  • 不正アクセスのリスク
  • システムダウンした場合のリスク

それぞれのポイントについて解説していきます。

不正アクセスのリスク

SSOを導入すると、ユーザーは一度の認証で複数のシステムにアクセス可能になります。そのため、SSOの認証情報が不正に取得された場合、複数のシステムへの不正アクセスが一度に行われるリスクが高まります。
そのため、SSOを利用する際は、パスワードの厳重な管理や多要素認証の導入など、セキュリティ対策を強化することが重要です。

システムダウンした場合のリスク

SSOシステムが何らかの理由でダウンした場合、全ての連携サービスへのアクセスが一時的に不可能となる可能性があります。

業務に大きな支障をきたす可能性があるため、SSOの導入にあたっては、認証システムの信頼性や可用性を十分に検討する必要があります。また、システムダウンに備えて、バックアップ体制や代替手段を準備しておくことも重要です。

シングルサインオン(SSO)システムの選び方

ここではシングルサインオン(SSO)システムの選び方を紹介します。

  • 対応するアプリケーションの範囲
  • 認証方式のサポート
  • 導入形態
  • 運用コスト

それぞれのポイントについて解説していきます。

対応するアプリケーションの範囲

シングルサインオン(SSO)システムを選定する際、まず自社で利用しているアプリケーションやサービスがそのSSOシステムと連携可能かを確認することが重要です。
特に、業務で頻繁に使用するSaaSやオンプレミスのシステムが対応しているかをチェックし、必要に応じてカスタマイズや追加設定が可能かも検討する必要があります。

認証方式のサポート

SSOシステムは、SAML 2.0やOpenID Connectなど、さまざまな認証方式に対応しています。自社のアプリケーションがどの認証方式を採用しているかを確認し、それに対応したSSOシステムを選ぶことで、スムーズな連携が可能となります。
また、多要素認証(MFA)や生体認証など、追加のセキュリティ機能を必要とする場合は、それらをサポートしているかも確認しましょう。

導入形態

SSOシステムは、SAML 2.0やOpenID Connectなど、さまざまな認証方式に対応しています。自社のアプリケーションがどの認証方式を採用しているかを確認し、それに対応したSSOシステムを選ぶことで、スムーズな連携が可能となります。
一方、クラウド型は、ベンダーが提供するクラウドサービスを利用する方式で、導入が容易で、初期費用が抑えられるというメリットがあります。
自社の規模や予算、セキュリティ要件などを考慮して、適切な導入形態を選びましょう。

運用コスト

SSOシステムの導入には、初期費用だけでなく、運用・保守にかかるコストも考慮する必要があります。
クラウド型は月額料金が発生する場合が多く、オンプレミス型は自社での運用管理が必要となるため、人件費やメンテナンス費用がかかります。
自社の予算や運用体制に合わせて、総合的なコストを評価し、最適なSSOシステムを選定することが重要です。

よくある質問

シングルサインオン(SSO)とは?

シングルサインオン(SSO)は、ユーザーが一度の認証で複数のシステムやサービスにアクセスできる仕組みです。

シングルサインオンの弱点は?

シングルサインオンの弱点としては、不正アクセスのリスク、システムダウンした場合のリスクがあることが挙げられます。

シングルサインオンのメリットは?

シングルサインオン(SSO)のメリットは、アカウント管理の効率化、利便性の向上、セキュリティの強化が挙げられます。

まとめ

シングルサインオン(SSO)は、ユーザーが一度の認証で複数のシステムやサービスにアクセスできる仕組みです。各サービスごとに異なるIDやパスワードを入力する手間が省け、利便性が向上します。また、パスワードの使い回しや管理ミスを減らし、セキュリティの強化にも寄与します。

シングルサインオン(SSO)システムは、対応アプリケーションの範囲や認証方式のサポート、導入形態やコストの観点から自社に適しているものを選ぶようにしましょう。

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