会社設立の基礎知識

定款の認証についてわかりやすく解説

株式会社設立をする際には、定款(会社の規則などを定めたルール)を作り、公証役場にて定款の認証を受けなければなりません。どのように作成し、認証ももらえばいいのでしょうか。本記事では定款の認証について紹介します。

定款の認証とは?

会社を作ろうとしたとき、まず必要になるのが定款です。定款は発起人(1人で会社設立をする場合であれば自分だけ)が作成します。

会社設立時に作成された定款のことを「原始定款」といいますが、この原始定款は、株式会社の場合、作成してそのままの状態では定款としての効力を持ちません。公証役場で公証人に正式な定款として認めてもらうことではじめて効力を持ちます。

上記のように、公証役場にて「公証人」と呼ばれる人が定款を認めることを定款の認証といいます。

定款認証は株式会社で必要、合同会社では不要

なお、会社設立における定款の認証手続きが必要なのは、株式会社のみです。持分会社である合同会社・合資会社・合名会社では定款の認証手続きは不要です。

定款認証に必要なステップが追加(2018年11月30日~)

公証人法施行規則の改正で定款認証に必要な書類が1枚追加されます。

定款認証を行う際には、設立予定の法人の実質的支配者を明示し、暴力団員になどに該当するかどうかを申告する必要があります。

実質的支配者とは?

今回は株式会社の場合に絞ってご説明します。実質的支配者は以下の優先順位で決められます。

なお、ここで出てくる「自然人」という単語に聞き覚えがない人も多いかと思います。自然人とは権利・義務の主体である個人という意味の法律用語です。ただし、ここでは上場企業やその子会社も自然人に含まれます。

1)議決権の直接保有及び間接保有が50%を超える自然人
該当者がいればその1人が実質的支配者です。
※ただし、事業経営を実質的に支配する意思または能力がない場合は(3)の条件で判断
2)議決権の直接保有及び間接保有が25%を超える自然人
1に該当者がおらず2に該当者がいた場合、2の該当者全員が実質的支配者になります。
※ただし、事業経営を実質的に支配する意思または能力がない場合は(3)の条件で判断
3)出資、融資、取引その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力のある自然人
1と2で該当者がいない場合や該当者に実質的に支配する意思や能力がない場合は、3の該当者すべてが実質的支配者になります。
4)代表権を持つ取締役
1~3に該当者がいない場合は代表取締役が実質的支配者になります。

実質的支配者の申告書の提出

書類のひな形は日本公証人連合が公開している申告書を利用しましょう。申告書に記入する内容は以下です。

  • 実質的支配者の(1)~(4)の条件のどれに当てはまるかのチェック
  • 実質的支配者の情報(住所、国籍、生年月日、暴力団員等に該当するかなど)
申告書が完成したら、定款認証を依頼するまでに提出しましょう。定款の内容を事前に公証役場にチェックしてもらう際に行うとスムーズです。

定款を認証してもらうためには

定款を認証してもらうために必要なことについて説明します。定款の認証には以下のものが必要になります。

  • ・定款3通
  • ・発起人の印鑑証明書(全員分)
  • ・収入印紙(紙の場合):4万円分
  • ・認証手数料:5万円
  • ・定款の謄本交付手数料:1ページにつき250円
  • ・委任状(代理人が定款の認証に出向く場合)

定款認証の費用はどれぐらい?

収入印紙代や認証手数料は固定されていますが、謄本交付手数料に関しては会社によって変わりますので、いくらぐらい持っていけばいいのかわかりにくいのではないでしょうか。

おおよそ、謄本交付手数料は2,000円前後になることが多いようです。もちろん、それよりも少なくなったり、多くなったりすることもあるので、9万円に加味して、少し余裕を持った金額が定款の認証費用としてかかることを覚えておきましょう。

参考:会社設立に必須!「定款」の認証にかかる費用はいくらぐらい?

電子定款の認証の場合、収入印紙の費用はいらない

定款を電子データにして認証を受ける電子定款の場合は、収入印紙代の4万円がかかりません。

電子定款を作成するためには電子署名をするためのソフトや電子証明書が必要になるため、購入するか代行をお願いする必要があります。

ソフトなど必要なものを既に持っている場合や、代行依頼手数料が4万円を下回る場合は、費用削減のために電子定款を選択し、認証を依頼するのもよいでしょう。

まとめ

定款の認証を受けるための持ち物や、注意点について紹介しました。定款を認証してもらう前に、定款内容に問題がないかを公証役場にFAXなどで確認しておくと、認証に時間がかからずに済みます。定款が出来上がってから一度相談してみるのもいいでしょう。

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