業務効率化の基礎知識

業務平準化とは?標準化との違いやメリット、業務改善する方法を解説

業務平準化とは?標準化との違いやメリット、業務改善する方法を解説

業務平準化とは、組織内の業務量や負荷を均等に配分し、特定の担当者に業務が集中するのを防ぐ取り組みです。従業員間の業務量の偏りをなくし、チーム全体で効率的に業務を進められる状態を目指します。

本記事では、業務平準化の概要やメリット・デメリット、進め方、注意点を解説します。正しい手順で業務平準化を実施すれば、属人化の解消や生産性の向上につながります。

目次

業務平準化とは?

業務平準化とは、組織内の業務量や作業負荷を分散させ、特定の人材に業務が偏らないようにする取り組みを指します。

チーム全体で業務を均等に分担し、誰かに過度な負担がかかる状態を避けることが目的で、業務量の波を抑え、安定した業務遂行を実現できます。

たとえば、特定の担当者だけが複雑な業務を抱えている状況では、担当者が不在になると業務が停滞します。業務平準化によって属人化を解消することで、組織全体の業務効率が高まり、従業員の負担も軽減されるでしょう。

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業務平準化と業務標準化の違い

業務平準化と業務標準化では、目的とアプローチが異なります。業務平準化は業務量の均等化を目指すのに対し、業務標準化とは業務の手順や品質を統一するための取り組みです。

業務標準化では、業務の進め方をマニュアル化し、誰が担当しても同じ手順で同じ品質の成果物を作成できるようにします。業務のばらつきを減らし、品質を安定させるのが主な目的です。

一方、業務平準化は標準化された業務を前提に、それらを適切に配分して負荷を均等にします。

多くの企業では、まず業務標準化を実施した後に、業務平準化を進めます。業務標準化は、業務平準化を行ううえでの土台づくりともいえます。標準化されていない業務を平準化しようとしても、担当者ごとのスキルや経験の差が影響し、負荷を分散できません。

業務平準化のメリット

企業で業務平準化を導入すると、さまざまなメリットがあります。業務平準化の主なメリットは、以下のとおりです。

業務平準化のメリット

  • 属人化や業務量の偏りを防げる
  • 業務の生産性や効率が向上する
  • 従業員が働きやすい環境を構築できる

属人化や業務量の偏りを防げる

業務平準化によって、特定の担当者に業務が集中する状況を解消できます。業務が特定の人材に依存していると、その人が休暇や退職で不在になった際に業務が滞るリスクがあります。平準化によって、複数の担当者が同じ業務を処理でき、安定した事業運営が可能です。

業務量の偏りがなくなれば、繁忙期と閑散期の差も縮小します。特定の時期だけが忙しくなる状況を避け、年間を通じて安定した業務遂行が可能です。従業員の負担が均等化され、特定の従業員に偏る過労やストレスの軽減にもつながります。

また、属人化が解消されれば、誰がどの業務をどれだけ担当しているか可視化され、業務の透明性も向上します。

業務の生産性や効率が向上する

業務平準化によって業務量の偏りが解消されると、特定の時期や担当者に負荷が集中しにくくなります。 業務処理のスピードや品質が安定するため、突発的な遅延や手戻りが発生しにくくなります。その結果、組織全体の業務進行が滞りなく進み、生産性の底上げにつながるでしょう。

また、業務量に余裕がある担当者が一時的にサポートに回りやすくなり、リソースの柔軟な活用が可能です。

従業員が働きやすい環境を構築できる

業務量が均等化されれば、特定の担当者だけが長時間労働を強いられる状況がなくなります。

また、負荷が適切に分散されると、従業員の心理的な負担も軽減されます。「自分だけが忙しく、他の人は余裕がある」という不公平感が解消され、チームの雰囲気も改善するでしょう。

さらに、業務が平準化されると、休暇を取得しやすい環境が整います。日常的な負荷が均等化されていれば、自分が不在でもチーム全体の業務が滞るリスクが減るため、心理的な抵抗なく有給休暇を申請できるようになるでしょう。

業務平準化のデメリット・リスク

業務平準化にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。業務平準化の主なデメリット・リスクは、以下のとおりです。

業務平準化のデメリット・リスク

  • 導入時に負担が増える
  • イレギュラー対応やリソース調整が難しくなる
  • 従業員のモチベーションが低下するおそれがある

課題や対策を理解したうえで、業務平準化を進めましょう。

導入時に負担が増える

業務平準化を始める際は、現状の業務内容や業務量を調査し、データを収集・分析する作業が必要なため、一時的に業務負担が増加します。

また、平準化のためには業務の標準化が伴うため、マニュアル作成や新しい業務フローの設計、担当者への教育・トレーニングの時間も必要です。引き継ぎ期間中は、教える側と教わる側の両方に負担がかかります。通常業務と並行して進めるため、一時的に残業が増えるケースもあるでしょう。

ただし、これらの負担は導入初期に限定されます。長期的には業務効率が向上し、負担は軽減されていきます。

イレギュラー対応やリソース調整が難しくなる

業務平準化を進めると、業務量や人員配置が固定され、突発的なトラブルや急な業務増加に対応しにくくなる場合があります。

特定の時期や担当者への負荷を避ける設計は、通常業務では効果的です。一方で、想定外の依頼や緊急対応が発生した際、柔軟な人員再配置が難しくなることもあります。

また、業務量を均等に保つことを優先しすぎると、重要度の高い業務に十分なリソースを割けない可能性があります。平準化を進める際は、例外対応のルールや調整余地を残すことが大切です。

従業員のモチベーションが低下するおそれがある

業務平準化によって業務量が均等になると、個人の成果や貢献度が表れにくくなります。担当する業務量の差が小さくなることで、頑張りが評価に反映されないと感じる従業員も出てくるでしょう。

とくに、繁忙期の対応や他メンバーのフォローなど、見えにくい貢献は評価されにくい傾向があります。その結果、公平感が損なわれ、仕事への意欲が下がるおそれがあります。

従業員のモチベーションが低下するリスクを防ぐためには、業務量だけでなくプロセスや協力度合いも評価対象に含めることが必要です。平準化に合わせて評価制度を見直すことで、モチベーション低下を抑えやすくなります。

業務平準化の進め方

業務平準化の進め方


業務平準化を成功させるためには、段階的かつ計画的なアプローチが必要です。業務平準化の主な進め方は、以下のとおりです。

業務平準化の進め方

  1. 業務の現状を把握し可視化
  2. 業務の標準化・マニュアル化
  3. リソースを適切に配分
  4. 自動化ツール・システムの活用
  5. 定期的に取り組みを見直し改善

現状把握から改善まで体系的に取り組めば、効果的な業務平準化が実現できます。

1.業務の現状を把握し可視化

まず、現状の業務内容と業務量を正確に把握し、可視化します。各担当者がどのような業務をどれだけの時間をかけて処理しているか、詳細にデータを収集します。業務の種類、所要時間、頻度、難易度などを記録し、業務の全体像を明らかにしましょう。

可視化には、業務フロー図やタスク管理表、ガントチャートなどのツールが役立ちます。誰がどの業務を担当し、どこにボトルネックがあるかが一目で把握できます。特定の担当者に業務が集中している所や、閑散期と繁忙期の業務量の差が明確になるでしょう。

現状把握の際は、担当者へのヒアリングも欠かせません。実際の業務負担や課題について、現場の声を聞くと、データだけでは見えない問題が浮き彫りになります。

2.業務の標準化・マニュアル化

現状を把握したら、業務の標準化とマニュアル化を進めます。各業務の手順を文書化し、誰が対応しても同じ品質を保てる状態を目指します。マニュアルには、業務の目的や手順、注意点、必要なツール・資料などを明記しましょう。文章だけでなく、図や動画、画面キャプチャを活用すると理解しやすくなります。

業務の標準化を進める際は、経験豊富な担当者へのヒアリングが有効です。実際の作業手順や判断のポイント、工夫している点を詳しく聞き取ります。さらに、業務ログや過去の成果物を確認し、効率的な進め方を整理するとよいでしょう。

整理した内容をもとに、無駄な工程を省いた手順を設計します。誰でも理解できる表現にまとめ、共通の業務手順として共有します。

3.リソースを適切に配分

業務が標準化されたら、人的リソースを適切に配分します。特定の担当者に負荷が集中しないよう、各担当者のスキルや経験、稼働状況を考慮し、業務を再分配します。

配分の際は、担当者の成長や育成も視野に入れます。経験の浅い担当者には、段階的に業務を任せ、スキルアップの機会を提供します。ベテラン担当者には、より高度な業務や後進の指導を担当してもらうなど、役割分担を明確にしましょう。

リソース配分は定期的な見直しが必要です。業務量の変化や担当者のスキル向上に応じて、柔軟に調整します。

4.自動化ツール・システムの活用

業務平準化をさらに進めるには、ITツールやシステムの活用が効果的です。RPA(Robotic Process Automation)やワークフローシステム、プロジェクト管理ツールなどを導入すれば、定型業務を自動化でき、人的負担を大幅に削減できます。データ入力や集計、レポート作成などの反復作業は、自動化に適しています。

ツールを選定する際は、自社の業務内容や規模に合ったものを選びましょう。導入コストだけでなく、操作性や拡張性、サポート体制なども考慮します。従業員が使いこなせるように、トレーニングやマニュアルの整備も必要です。

自動化で従業員はより創造的で付加価値の高い業務に集中できるため、組織全体の生産性が向上します。

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5.定期的に取り組みを見直し改善

業務平準化は、一度実施すれば終わりではありません。定期的に取り組みを見直し、継続的に改善していく必要があります。業務量の変化や組織の成長に応じて、平準化の方法も調整しましょう。

見直しの際は、定量的なデータと定性的なフィードバックを活用し、業務時間や生産性の指標を測定・効果検証を実施します。また、従業員からの意見や要望を収集し、現場の実態を把握します。

PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図れば、業務平準化の大きな効果が期待できます。

業務平準化の注意点

業務平準化を進める際には、以下の点に注意しなければいけません。

業務平準化の際の注意点

  • スモールスタートで段階的に進める
  • 属人化のリスクを軽視しない
  • 全体の業務量を正確に把握する

これらを意識して取り組めば、失敗のリスクを減らし、スムーズに平準化を進められます。

スモールスタートで段階的に進める

業務平準化は、最初から組織全体で大規模に実施するのではなく、小さく始めて段階的に拡大するのがおすすめです。まずは特定の部署・チームや特定の業務から試験的に導入し、効果や課題を検証します。

スモールスタートをすることで、想定どおりに業務平準化を進められなくても影響範囲が限定されるため、軌道修正しやすくなります。試行錯誤を重ねながら、自社に適した方法を見つけられるでしょう。

段階的に進めれば、従業員の変化に対する不安を軽減し、理解と協力を得やすくなります。

属人化のリスクを軽視しない

業務平準化を進める際は、属人化のリスクを軽視してはいけません。特定の担当者だけがもつ知識やスキル、人脈などは、組織にとって貴重な資産です。一方、その人が不在になると業務が停止するリスクをもたらします。

属人化を解消するためには、担当者のもつノウハウを文書化し、組織全体で共有できるナレッジマネジメントによる業務標準化が有効です。定期的なジョブローテーションやOJTを通じて、複数の担当者が同じ業務に対応できる体制を構築します。

ただし、すべての属人的要素を排除する必要はありません。専門性の高い業務では、ある程度の属人化は避けられないため、リスクとメリットのバランスを取りながら対応する必要があります。

全体の業務量を正確に把握する

業務を平準化させるためには、組織全体の業務量を正確に把握することが不可欠です。部分的なデータだけで判断すると、かえって新たな偏りを生むおそれがあります。全部署・全担当者の業務内容と業務量を包括的に調査し、全体像を明らかにしましょう。

業務量を把握する際は、繁忙期と閑散期の差にも注目します。年間を通じた業務量の変動を理解すれば、より効果的な平準化が可能です。季節変動の大きい業務では、柔軟な人員配置や応援体制の構築が求められます。

また、見えにくい業務にも注意を払います。会議や報告書作成、メール対応など、直接的な成果物につながらない業務も含めて把握します。これらの業務に予想以上の時間が取られているケースは少なくありません。

まとめ

業務平準化は、組織内の業務量を均等に配分し、属人化や業務の偏りを解消する取り組みです。従業員の負担を軽減し、生産性向上や働きやすい環境の構築につながります。業務標準化と組み合わせれば、より効果的な業務改善が実現できます。

導入する際には、現状把握・標準化・リソース配分・自動化・継続的改善の5つのステップが必要です。スモールスタートで段階的に進め、全体の業務量を正確に把握しながら取り組めば、業務平準化の大きな効果が期待できます。

日々のバックオフィス業務を正確に可視化し、手作業を自動化できる仕組みがあると、平準化の効果はさらに高まります。

会計業務の平準化に役立つのがfreee会計です。

会計データの自動取得・仕訳の自動化・リアルタイム業務の可視化で、どの業務が負担になっているのか、どこを平準化すべきかが一目でわかるようになり、スモールスタートでの改善がスムーズに進みます。

業務の偏りをなくしたい方や手作業を減らして自動化を進めたい方は、まずfreee会計の機能をチェックしてみてください。業務の無駄を発見し、平準化を進めてみましょう。

よくある質問

平準化と標準化の違いは何ですか?

業務標準化は、業務の手順や品質を統一し、誰が担当しても同じ成果物を作成できるようにする取り組みです。業務平準化は、業務量や負荷を均等に配分し、特定の担当者に業務が集中することを防ぐ取り組みです。

標準化はやり方の統一、平準化は量の均等化という違いがあります。多くの企業や組織では、業務標準化の実施後に業務平準化に取り組みます。

詳しくは記事内「業務平準化と業務標準化の違い」をご覧ください。

業務平準化のメリットは?

業務平準化を進めることで、特定の担当者に業務が集中する属人化を防げます。複数人が同じ業務に対応できるようになり、休暇や退職時のリスクも抑えられます。

また、業務量や作業時期の偏りが減り、業務の処理スピードや品質を安定させることが可能です。突発的な遅延や手戻りが起こりにくくなり、組織全体の生産性向上につながります。

詳しくは記事内「業務平準化のメリット」をご覧ください。

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