内部統制強化、より高度な管理会計を目指して

ウォンテッドリー株式会社 野地昭太郎様 仁位元信様

課題
経費精算、ワークフローを利用し全社効率化とリモートワークを実現

ウォンテッドリー株式会社は、シゴトでココロオドルひとをふやすために、働くすべての人が共感を通じて「であい/Discover」「つながり/Connect」「つながりを深める/Engage」ためのビジネスSNS「Wantedly」を提供している会社です。2017年にマザーズ上場を果たし、近年さらにその存在感を際立たせているウォンテッドリー。そちらで経理担当として働く野地 昭太郎様と仁位 元信様にfreee導入の経緯や会計監査に役立ったお話などを伺いしました。

--まずは御社の事業についてお聞かせください。

野地 正社員とアルバイトを含めると120人程が在籍しています。派遣の方を含めると150人でしょうか。拠点は国内は東京の白金台1か所のみです。当社は海外にも拠点が何か所かありまして、シンガポールに子会社と香港には拠点があります。


仁位 海外でもウォンテッドリーを知ってもらおうと展開を頑張っているところです。


野地 経理は我々2人とアルバイトの方が1人、派遣の方が1人と執行役員1人の5人です。基本的には経理を軸に複数の業務を担当しています。私は最近ですと、内部統制や内部監査をメインに対応しています。


仁位 私も1年半前に経理として入社しまして、今は海外拠点の数値管理も担当しています。

--freee会計のご利用状況についてお聞かせください。

仁位 現在は社内の80人程にIDを付与して申請に利用してもらい、各部門の責任者5人に承認権限を与えています。支払依頼は月110件ぐらいです。各種申請は稟議、押印申請あわせて毎月100件前後の申請があると思います。


野地 freee導入以前は会計とワークフロー、それぞれ別ツールを使用する形で運用していました。社内はエンジニアの比率が比較的高かったのもあって、稟議や押印申請などワークフローに関しては専用ツールではなく、エンジニアの人たちが多く利用しているGitHubというツールを代用する形で使用していました。また、会計に関しては他社のクラウド会計ソフトを使用していました。

--freee導入前に感じていた課題を教えてください。

申請の網羅性の担保や、支払依頼と稟議のつながりの確認に課題

野地 当社は2017年9月に上場しましたが、内部統制監査の3年の猶予期間の終わりが迫り内部統制強化の必要がある中、以前のGitHubによる稟議申請では網羅的な稟議申請の確認が難しいという課題がありました。


例えば、稟議申請に関してもGitHub上に専用のテンプレートはありましたが、稟議の一覧を確認する際にLabelでしか抽出することができないことや、タイトルで検索した場合に法務や経理のタスク管理などが混じったissueが検索結果として出てきていました。稟議申請だけを見たいのに、これで本当に全部なんだっけ?という感じです。支払いと稟議の紐づけと確認で苦しんでいたので、「ワークフローツールを入れないとダメだよね」と上場1年後ぐらいから検討の必要を感じていました。


管理会計に関しても、元帳をCSVでダウンロードして加工して、とマンパワーに頼った運用をしていたので取締役会の資料作成に月締め後数日かかってしまうという現状がありました。その部分でも合理化を図りたいと感じましたね。

--導入に至ったきっかけ、決めたポイントを教えてください。

内部統制対応、APIの拡張性と管理会計への応用を期待して

仁位 そうですね。正直なところクラウドソフトなら、当時利用していた会計ソフトかfreeeのどちらかだ、と思っていました。内部統制の機能も含めて欲しい機能を備えているのはfreeeの方だよね、と2択の中で決めました。


野地 大前提として社内パソコンでMacを利用しているので、Macに対応しているソフトというのがありましたし、当社が当時からお世話になっている会計士さんもfreeeへの切り替えで内部統制の課題は解決できるし、APIで管理会計を合理化できるから、と背中を押してくれました。


※詳しいシステム構成はウォンテッドリー社の「2020年のWantedlyの経営管理のシステム&フローを図解してみた。」をご覧ください。
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/287924

--当初感じていた課題は解消されましたか?

申請一覧で管理しやすく、監査法人との情報共有も楽に

野地 そうですね。私は今内部統制の仕事をメインで担当しているので、稟議の一覧をすぐに確認できるようになったのは良いなと思います。稟議から取引までつながっているので、管理側として管理がしやすくなったと思います。


ワークフロー管理

また、監査法人の監査の際も資料の共有をしやすくなりました。すでに紐づいている電子証憑を監査法人が直接確認できるなど工数を減らせるようになったので、やりたかったことができていると感じています。以前は監査法人と共有フォルダを作成して、提出を求められた請求書を保存する形で資料のやり取りをしていました。今は取引に請求書が紐づけられているのでファイルに格納する時間をかける必要がなくなりました。


仁位 監査法人の方がログインできるように権限を渡して、必要な資料は自由に見てもらっています。こちら側で改めて資料を用意するという工数が減ったのは結構大きいですね。また、以前は細かい情報を分けて仕訳に持たせることができず、備考にある情報を分かりやすいように経理で加工/分析する必要がありましたが、freeeだと取引先ごとの推移といった情報を簡単に見ることができ、監査法人の方からいただく質問も具体的になったと思います。


野地 管理会計の面でも、freeeの“タグ”が役立っています。タグを勘定科目と紐づけることで管理しやすくなっているので、今後はプロジェクトの費用管理の面でもタグを整理して利用を進めていければなと思います。

--業務が改善したと感じる点はありますか?

SlackやスプレッドシートとのAPI連携で、意思決定・業務スピード向上

コミュニケーションはWebで完結

野地 Slack承認はすごくいいなと感じています。今までは通知がメールで届いていたんですが、見落としてしまうケースも多く、承認のスピードが落ちることがありました。でも、普段使っているSlackですと通知に気づきやすく、弊社の場合、意思決定のスピードも早まったと思います。


仁位 各種分析の監査法人用の分析の資料が作りやすくなったと思います。以前はCSVでダウンロードしたものを加工して分析して、と手間も時間もかかっていました。freeeを導入することで、APIでスプレッドシートに連携して常に最新の情報を取引先や品目ごとに取得して分析することができます。監査法人の方にも金額の変動の理由などをすぐに説明することができて、納得感も得られやすくなっていると感じています。


野地 あとは決算に関わる業務の効率化ができました。最近もコロナの影響をほぼ感じることなく、以前より1週間は短縮して作業を完了できたのではないかと思います。例えば私ですと、空いた時間を経理以外の内部統制だったり内部監査の業務の方に充てることができるようになり、集中して取り組めるようになりました。決算は通常の業務の上にプラスされるので、結構時間的にきつい部分もありましたが、今では新しい業務にも取り組めています。


仁位 私も通常の経理業務に加え、海外の数値周りの管理を強化するというアクションを取れるようになっています。

--お気に入りの機能を教えてください。

申請共有機能や優れたUIでもっと便利に

仁位 最近追加された申請を共有できる機能は「おー!」となって、すぐに導入しました!稟議の共有範囲が以前は自分か、それ以外の全員かの2択しかなかったと思いますが、この機能のおかげで特定のユーザーを選んで共有できるようになりました。前回の稟議を参考にしたい、などのニーズにも応えられるようになり大変気に入っています。


freee会計画面
経費精算、ワークフローの従業員向けトップ画面

野地 私は現状の機能でもすごく助かっていますが(笑)、稟議から支払依頼を作れるのは便利だなと感じています。以前は稟議から支払いに移行することができませんでした。また、freeeのワークフローのUIは直感的に触れることができて、わかりやすいと思います。特に管理者画面でそう感じます。UIの変更も度々ありますけど、変化があっても感覚的にわかるのでマニュアルやヘルプページを見る必要もなく、ユーザーにとって助かります。


仁位 確かに各種申請の作り方も変わったと思いますけど、わかりやすくなっていたなと感じました。

--今後はどのようなことに取り組みたいですか?

APIを使いこなし管理会計のさらなる合理化へ

野地 管理会計の合理化をもっと進めていきたいです。整備の方法などまだ社内で協議すべきこともありますが、経営の意思決定にも関わる大事な部分なのでアウトプットの質を高めていきたいと思っています。基本的にはfreee上で管理していくことができると思うので、まずは追うべき指標をクリアにし反映していきたいと思います。


仁位 当社は新しい事業にもどんどんチャレンジしているので、事業スピードにも柔軟に耐えられる管理会計の設計を丁寧に考えていく必要があります。過年度比較した際にも意味を持つデータにしていけるか、というのがあると思います。APIでこのデータは取れる・取れないというのも理解できてきたので、さらにチャレンジしていきたいです。

--検討中の方へ一言

仁位 すばらしいよって、伝えたいです(笑)。工数が減りますし、稟議から支払い、そして帳簿に至るまで一つのソフトで完結するのですごくわかりやすくなります。一方で、様々な機能があるため全部を一度に取り入れると混乱してしまうので、導入前にどの機能を何のために使うのか、よく検討するのはすごく大事だと思います。


野地 単純に財務会計だけをクラウドでやりたいと思っているのであれば他の会計ソフトでもいいと思いますが、一歩踏み込んで経営管理やAPIを利用しての合理化も含めて管理したいと考えている方はfreeeをおすすめします。



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