SaaSセキュリティとは?知っておくべき利用時のリスクやセキュリティ対策を紹介


最終更新日:2025年09月01日

SaaSセキュリティとは?知っておくべき利用時のリスクやセキュリティ対策を紹介

SaaSセキュリティとは、クラウド上で提供されるSaaSアプリケーションに保存されている機密データを保護する仕組みのことです。

多くのメリットをもつSaaSですが、セキュリティリスクについては十分な理解と対策が必要です。特に近年はサイバーアタックなどの脅威もあり、セキュリティ対策の重要度が増しています。

本記事では、SaaSにおけるセキュリティやリスク、メリットなどについて詳しく解説します。

目次

SaaSにおけるセキュリティとは

SaaSにおけるセキュリティとは

SaaSセキュリティとは、クラウド上で提供されるSaaSアプリケーションに保存されている機密データを保護する仕組みのことです。

SaaSにおけるユーザーの責任範囲は「データ」のみに限定され、PaaSではデータとアプリケーション、IaaSではさらにミドルウェアやコンテナまで含まれます。なお、PaaSとはクラウド上のプラットフォームを利用できるサービスで、IaaSはクラウド上のネットワークやサーバなどを利用できるサービスのことです。

一方で、SaaSベンダーはネットワークやOS、ミドルウェア、アプリケーション、ハードウェアのセキュリティ管理を担っています。

こうした構造のなか、ユーザー側が求められるのはデータの適切な管理と設定です。日本ではクラウド利用の拡大とともに情報漏洩リスクも高まっていることから、総務省が「クラウドサービス利用・提供における適切な 設定のためのガイドライン」を策定し、安全な活用を促進しています。

SaaSセキュリティが大切な理由

SaaSは場所や時間を問わずアクセスできる利便性や、コスト予測・展開・拡張・保守の容易さから利用が広まっています。しかし、SaaSはクラウド上で機密データを保存・処理する仕組みであるため、適切な保護が欠かせません。

万が一、情報が漏えいしてしまった場合、企業は信頼を失うほか、法的トラブルに発展する可能性もあります。近年はベンダーもセキュリティ対策に力を入れていますが、ユーザー側も気を配ることが重要です。

SaaSを利用する際のセキュリティリスク

SaaSを利用する際のセキュリティリスクについて、実際に起こり得る事例を3つ解説します。

サイバーアタックによる情報漏洩

SaaS利用では、第三者からのサイバーアタックによって情報漏えいするリスクがあります。

サイバーアタックの具体例

  • マルウェア感染
  • ランサムウェア攻撃
  • フィッシング詐欺
  • SQLインジェクション攻撃

たとえば、メールやネットワーク経由でマルウェアに感染し機密情報が漏れたり、送信者を詐称したメールを利用したフィッシング詐欺でアカウント情報を盗まれたりする事例が発生しています。

また、情報の漏えいだけでなく、第三者が意図的にデータを削除する可能性もあるので気をつけましょう。

ユーザーの不注意による情報漏えい

外部からのサイバーアタックを防いだとしても、従業員の不注意や不正利用によって情報が漏えいする可能性もあります。

ユーザーの不注意の具体例

  • パスワードの使い回し
  • パスワード履歴の消し忘れ
  • シャドーIT
  • PCの盗難や紛失

パスワードを使い回す、適切なタイミングでパスワード情報を削除をしないといったことから、退職した従業員など本来アクセスすべきでないユーザーがアクセスする状況に陥るケースが考えられます。

また、会社が許可していないデバイスやソフトウェアを従業員が使用する「シャドーIT」によって情報が漏えいするリスクもあるでしょう。社内で適切にSaaSを利用するためには、リスクの周知やルールの策定を行うことが重要です。

関連シャドーITとは|企業が抱えるリスクと効果的な対策方法を紹介

システム障害によるデータ消失や業務停止

ユーザー側がSaaSを正しく利用していても、ベンダー側のシステム障害によってデータが消失するリスクもあります。システム障害の原因がマルウェアなどのサイバー攻撃によるものだった場合、データの消失だけでなく情報漏えいにつながる可能性もあるでしょう。

ベンダー側のシステム障害の具体例

  • サイバーアタック
  • 通信経路の盗聴
  • 過度な負荷による速度低下

また、システム障害が発生している間は自社での業務が滞ってしまうことも考えられます。万が一の際にも業務を継続できるように、利用するSaaSのセキュリティ対策を事前に確認しておくことが大切です。

SaaSにおけるセキュリティメリット

SaaSの利用には注意しなくてはいけないセキュリティリスクがある一方、セキュリティにおけるメリットもあります。

ユーザーの責任範囲が少ない

SaaSではユーザー側の責任範囲が「データ」のみと限定的で、その他の責任はベンダー側が負います。つまり、万が一情報が漏えいした場合、ユーザーの不備がなければ責任を負うのはベンダー側です。

そのため、ユーザー側はセキュリティに関する専門知識を持つ人材を確保する負担が少なく済みます。ただし、ユーザー側はすべてをベンダー任せにするのではなく、機密情報を大切に扱う意識を常に持ちましょう。

自社のメンテナンス作業が不要

一般的に、SaaSのベンダーはセキュリティに関する専門チームを設けてリスク対策を練っているため、SaaSを利用すると高度なセキュリティ環境で業務を行えます。さらに、ベンダー側が運用と保守も行うため、自社で更新などの対応をしなくて済みます。

サイバー攻撃は常に新しい手口で行われますが、日々進化するクラッキングに対応するための専門知識もベンダーに任せることが可能です。導入時においても、システム環境構築の手間やコストを削減できるでしょう。

復旧が迅速に行われる

SaaSのベンダーは定期的なデータバックアップを実施していることが一般的であるため、サイバー攻撃や自然災害による障害発生時も迅速に復旧できます。自社のみで復旧を対応しなくてはいけない場合、定期的なバックアップや万が一を想定したマニュアルの作成など、多くの作業が発生するでしょう。

SaaSベンダーがいれば、自社でのリカバリー対策の構築コストが不要になり、復旧テストや訓練などの手間も軽減されます。

SaaS利用時にすべきセキュリティ対策

SaaSを利用する際には、セキュリティ対策が欠かせません。SaaSを安全に利用するためのセキュリティ対策を3つ紹介します。

IDやパスワードを適切に管理する

SaaSを利用する場合は、IDやパスワードを適切に管理しましょう。従業員に対して、英数字・記号を含む複雑で推測されにくいパスワードの設定を義務付けるのがおすすめです。また、パスワードの使い回しを禁止し、定期的な変更を促してください。

退職者・異動者のアカウントを速やかに削除しないと不正利用されるリスクもあるため、不要なアカウントの管理方法も定めておきましょう。

さらに、セキュリティリスクを低減するには、ワンタイムパスワードやクライアント証明書などの多要素認証を導入することが効果的です。

従業員に対してセキュリティ教育を行う

従業員に対して定期的な情報セキュリティ研修を実施することで、不注意による情報漏えいを防ぐことができます。伝えるべき内容としては、フィッシング詐欺や最新の脅威に関する知識の共有、シャドーITのリスクと禁止の周知、公共のWi-Fi利用時のリスクなどが挙げられます。

また、自社のセキュリティ体制を従業員に説明しておくと、内部の不正に対する抑制にもつながります。

適切なベンダーを選定する

ベンダーを選定する際は、セキュリティ対策がとられていて信頼できるかどうかを確認しましょう。

具体的には、以下のような認証の取得状況が判断基準にできます。

  • ISMSクラウドセキュリティ認証(ISO / IEC27001)
  • CSマーク(クラウドセキュリティ・マーク)
  • CSA STAR認証(CSA Security)
  • FedRAMP認証
  • StarAudit Certification
  • SOC2

また、複数のSaaSを利用している場合、統合的に管理できるSaaS管理ツールを導入するとさらなる業務効率化が図れます。

関連SaaS管理ツール比較12選|メリットや自社に合うツールの選び方を解説

SaaS管理システムでコスト削減とセキュリティ強化を実現

SaaS管理システムでコスト削減とセキュリティ強化を実現

業務効率化のためにSaaSツールを導入した結果、気づけば社内に数多くのアプリが乱立した状態になっているケースもあるでしょう。多くの企業が直面するこの課題は、管理の煩雑化だけでなく、思わぬコストの増加やセキュリティリスクを引き起こしてしまいます。

Bundle by freeeなら、200以上のアプリとの連携によって煩雑なSaaS管理を一元化し、コスト削減とセキュリティ強化を同時に実現できます。

具体的には、SaaSアカウントの発行・削除の自動化で人的作業を85%も削減し、ITツールの利用状況を可視化することで無駄なコストの削減が可能です。

さらに、Google Driveなどクラウドストレージ上で外部公開しているコンテンツと共有範囲を把握でき、セキュリティリスクの発生を低減します。また、シャドーITの自動検知機能もあるため、従業員のリスクとなる行動を防げるのもポイントです。

実際の導入効果として、SaaS管理システムの活用により従業員100名規模で約350万円、300名規模で約650万円の年間削減余地があることが分かっています。

SaaS管理の導入効果

Bundle by freeeでSaaS管理を効率化し、セキュリティ対策も万全にしたい方はこちらから資料をダウンロードできます。

まとめ

近年は、時間や場所を問わずにアクセスできる利便性などから、SaaSの利用が増加しています。SaaSは自社で構築したシステムではないため、入力されている機密情報などが漏えいしないように、適切に管理・保護しなくてはいけません。また、手口が増え続けているサイバーアタックにも気を付ける必要があります。

SaaSを利用するうえでのセキュリティに関する社内への教育を丁寧に行うとともに、SaaS管理システムを合わせて導入することで、安全な環境を整備しましょう。

よくある質問

SaaSセキュリティとは何ですか?

SaaSセキュリティとは、クラウド上で提供されるSaaSアプリケーションに保存されている機密データを保護する仕組みのことです。

詳しくは記事内「SaaSにおけるセキュリティとは」をご覧ください。

SaaS利用時にすべきセキュリティ対策は?

SaaS利用時に効果的な主なセキュリティ対策には、IDやパスワードの適切な管理、従業員に対するセキュリティ教育の実施、適切なベンダー選定が挙げられます。

詳しくは記事内「SaaS利用時にすべきセキュリティ対策」をご覧ください。

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