「会計事務所の新しい未来を形づくる」というビジョンを掲げる税理士法人ブラザシップは、お客様のニーズを追求してサービスや商品を次々と開発。とりわけ、コーチング型経営支援は、契約した顧問先の95%が継続支援を依頼しており、同社の主力サービスとなっています。
ここまで高い支持を得るコーチング型経営支援とは、いったいどのようなサービスなのでしょうか。そして、このサービスの提供においてfreeeはどのような価値を発揮しているのでしょうか。
お客様のニーズ深堀から生まれた「コーチング型経営支援」
--現在のビジョン「会計事務所の新しい未来をかたちづくる」は、最近刷新したものだと伺いました。なぜビジョンを新たにしたのでしょうか。
加藤 義昭 様(画像左・以下加藤) 以前のビジョンは「日本一の経営支援型の会計事務所になる」でした。この想いは今も持っているのですが、ビジョンとして言語化すると、あまりしっくり来ないようにも感じました。
なぜなら、以前のビジョンでは「我々自身がどういう存在でありたいか」を示せていなかったからです。そこで改めて、お客様目線に立って考え直したとき、ふと浮かんだビジョンが「会計事務所の新しい未来をかたちづくる」でした。
新しいビジョンには、「既存の会計事務所の枠組みを超えて、『今お客様が何を求めているのか』『これから何を求めてくるのか』を逆算したうえで、我々がどうあるべきかを考えていきたい」という想いを込めて います。
--お客様が何を求めているかを知るために、どんな取り組みをしていますか?
松原 潤 様(画像右・以下松原) 財務をベースにしたコンサルティングで、お客様のニーズを把握しています。
経営者の誰しもが持っているニーズを簡単に言うと、「成果を出したい」に尽きるのではないでしょうか。その前提のもとで経営者にヒアリングしていくと、多くの経営者がさほど重視していない財務や会計の部分が課題としてあがるケースがほとんどです。
目標とする成果をあげるためには、経営状況を数字で管理し、客観的に達成度合いを確認したうえで、PDCAサイクルを毎月回して検証し続けなければいけません。経営者の方々が、成果を出すために財務会計や経営管理がいかに重要であるかをご理解いただければ、彼らの潜在的なニーズが顕在化していきます。
--お客様のヒアリングで得られたニーズから生まれたサービスが、「コーチング型経営支援」ですね。サービス内容を詳しく教えてください。
加藤 このサービスの目的は、経営者の財務リテラシーを上げていくことです。経営者が財務に強くなれば、経営者自らが、数字を因数分解してどこに課題があるのかを見つけ出したうえで、最適な解決策を導き出せるようになります。
我々は、経営者が自ら解決策を導きだせるようになっていただくために、経営者との対話を重ねながら一緒に課題解決に向かっていくコーチング型で経営支援をしています。経営状況や経営者の考え方はそれぞれ異なるので、全てオ ーダーメイド型でサービスを提供しています。
ここ数年の売上構成比の変化をみると、税務関連の業務より経営支援サービスの割合の増加幅が大きい傾向にあります。経営支援サービスは付加価値が高いので、単価も高く設定できています。
freee導入成功の肝となるプロセスは「ヒアリング〜提案〜設計」
--ブラザシップ様は名古屋市で有数のfreee5つ星アドバイザーでもあります。サービスを提供するうえで、freeeはどんな役割を果たしているでしょうか?
加藤 経営者の方々からは、数字を早く把握できるスピード面で喜ばれていますね。freeeの場合、適切な設計をして運用すると自動で仕訳をしてくれるので、月次の着地予測を当月末のうちに把握することだって可能です。経営判断に資する情報を素早く手に入れられることは、経営者にとって大きなメリットですよね。
伊藤 歩 様(以下伊藤) 経営分析をするうえで、タグはとてもありがたい機能です。タグは取引先や品目、担当者など、さまざまな使い方ができるので、お客様ごとにどういう設計にするかが会計事務所の腕の見せ所だと思います。経営者がどういった観点で数字を分析したいかに応じて適切にタグを設計できれば、本当に必要な形でデータを見ることができるので、経営管理をするうえで欠かせないツールになっていると思います。