経費精算、ワークフロー、会計の一体利用で全社効率化とリモートワークを実現

GMOペパボ株式会社 経営戦略部経理財務グループ 齊藤 直也 様

課題
freeeアプリストアやfreee APIの活用経費精算、ワークフローを利用し全社効率化とリモートワークを実現

「ロリポップ!」「ムームードメイン」「カラーミーショップ」「JUGEM」「SUZURI」など、数多くのWebサービスを運営するGMOペパボ株式会社様。レンタルサーバーで会社を起こし、GMOインターネットグループとなってからも、インターネットユーザーに馴染み深いサービスを提供し続けています。


freee会計の経費精算、ワークフロー機能をかねてから利用していたことが効率化はもちろん、withコロナの時代においてシームレスにリモートワークに移行する助けになったと言います。


導入を決めた経緯や当時の課題、導入効果などを経営戦略部経理財務グループ 齊藤 直也さんにお聞きしました。

予算作成や施策検討といったフロント業務のスピードアップを支えるバックオフィスを構築

--まずは御社の事業についてお聞かせください。

弊社はもともとレンタルサーバー事業とドメイン取得やホスティングサービスを提供する会社としてスタートしました。現在はEC支援のカラーミーショップ、オリジナルのグッズ制作ができるSUZURIやハンドメイドマーケットのminneなどを展開しています。


創業の地である福岡をはじめ渋谷・鹿児島と3つの拠点を構えており、代表の佐藤の出身地である鹿児島では地方で雇用をつくって地域貢献していければと、数名のエンジニアを採用しています。


現在は従業員約380名に対して経理担当6名で、経費精算、支払依頼、各種申請に関する約200件/月の処理を含む経理業務を行っています。



--freee導入前に感じていた課題を教えてください。

会計、ワークフローでバラバラなツールを利用し重複業務が多数発生

導入前はワークフローと会計でそれぞれ別のソフトを利用していたため、重複業務が結構発生していたんですね。


大きな課題としては、ワークフローの申請に必ず証憑を紐づけるという仕様ではなかったため、エビデンスが電子的に添付されているものと紙で保管しているものとで分かれてしまっていたことがありました。


内部統制上のロールフォワードのタイミングや監査法人に対する資料提出時、新しい社員の入社時などに過去の処理を参照する必要があると思います。この時にワークフローに添付されている資料を見るかファイリングされている紙を見るか、管理がバラバラですと、過去の履歴を見るために手間が発生していました。


また、ワークフローの中でも請求書の申請と売上報告の申請が分かれていたので、請求書で見たのとほぼ同じ内容を売上報告でもチェックする必要があり、2重のチェックが発生していたので「非効率だよね」との意見が出ていました。



--導入に至ったきっかけ、決めたポイントを教えてください。

従来のアナログ業務の単純な置き換えではなく、抜本的な見直しを

ちょうど4,5年前、社長発案で「スーパーリセット」を行いました。これは固定観念、前例踏襲を捨て、業務を一度すべてリセットするという全社をあげた業務改善です。


例えば日報や定例ミーティングなど、意識せずに当たり前に行っているものを「これ本当に要るの?」と必要・不必要の観点から見直していきましょうというものです。


そういったルーティンの中には大事なものもあると思うのですが、定例化されたものに時間を捕らわれることによってクリエイティブな時間、事業部の成長につながるような時間がなかなか取れないという問題がありました。


定常業務に関してもワークフローと会計が分断しているのが普通というか、それで運用できていないわけではなかったんですが、これをきっかけに非効率な部分を見直そうということになりました。


当時はオンプレミスの会計ソフトを利用していましたが、ちょうどクラウド会計に業界がシフトしているタイミングだったので、従来の会計ソフトを変えるだけだとあんまり面白くないかなと。代り映えしないですし、ITの会社なので最先端の機能やシステムを使ってみるというのは大事なことなので、クラウド会計にチャレンジしたいなというのはありました。また、保守メンテなどのコストを考えたときにも、今後はSaaSでやっていったほうがいいだろうというのもありましたね。


導入の際、クラウド型会計ソフトをfreee含めて2社検討しました。もう1社はもうちょっとスモールな法人や個人事業主に力を入れていて、上場企業やある程度規模感のある企業にはあまり注力してない印象を受けました。


ちょうどfreee会計はエンタープライズプランがリリースされるというタイミングでしたので、弊社の課題を聞いていただいたうえ開発段階にも組み入れていただき、理想としている形に近いことができそうだというところで、「じゃあもうfreeeさんしかないよね」と導入を決めましたね。



--当初感じていた課題は解消されましたか?

業務効率化に加え、予算作成や施策検討のスピードアップを実現


【図】ワークフロー


freeeを導入する目的のひとつにワークフローと会計をシームレスに連動させる、ということがありました。課題だったシステムの2重の管理や申請という課題はもちろん解消されました。


また、従来のインストール型会計システムだと経理担当しかアクセスできませんでしたが、クラウド型のfreee会計にすることによってアカウントを付与した経営層やマネージャーが売上、コストの数値などをタイムリーに見ることができるようになりました。


freeeではレポートから仕訳やそれに紐付く申請承認履歴、請求書などの証憑も参照できます。そのため、マネージャーは予算作成や施策検討時に数字出しや根拠資料について都度経理に問合せをする必要がなくなりました。そこは圧倒的に変わった点ですね。


うちの会社はマネージャー以上であればどこの部門の業績も確認できる、基本的にはオープンな環境ですので、各マネージャーがシステムにダイレクトにアクセスできるというはすごい魅力的でした。


実際マネージャーからも予算作成がすごい楽になったという声を聞きます。以前は過去の予実管理のシートを検索する手間や、どこの業者にいくら発注したかなど細かい点は見れないなど不便でした。


また、施策を検討する際にも各部門ごとの売上やコストを確認できるので、こういう時期に広告宣伝費をいくらかけて翌月やその近辺で売上にどういった動きがあったかなどの集計も見れます。


社長にしても過去の数字を見たい場合、経理をワンクッション通さないと見れなかったので、その環境をオープンにすることによって、タイムロスもなくいつでも必要な時に見れるというのは理想的だなと思います。



--freeeの経費精算、ワークフローの便利な機能を教えてください。

OCR読取、経路検索、Slack連携、人事マスタ連携を活用し、従業員、経理の業務の正確性、生産性をアップ

以前はワークフローソフトを利用して請求書・売上報告・経費精算のような各種申請書を用意していましたが、入力項目を必須/任意のようにカスタムすることができませんでした。結果、従業員から上がってくる申請内容に抜け漏れがあり、差し戻しするなど手間が発生していました。


freeeの経費精算に関しては申請の際に入力が必要な項目も明確にわかりますし、必須項目かどうかや自由記述も設定できるので入力漏れが減りました。


【図】領収書読み取り機能


あと、レシート読み取り機能ですね。そこが楽になったというのは申請者からよく聞きます。従来だと金額や日付など自分で打ち込まないといけなかったのでミスが多かったんです。レシートと金額が合わないとか、記載してほしい内容が載っていなかったりとか。


でも、freeeだと写真を撮ってアップロードすれば拾えるものは拾ってくれますので、OCR機能により金額や日付はおよそ合ってますし、タイプミスもないですしね。


経路検索も反響がありました。電車代の計算も地味に時間かかりますし、間違えやすいですよね。


freee上で経路検索してそのまま反映できるのがすごい便利です。金額ミスによる差し戻しの場合、時間がないと経理側で修正することも多かったので、現場に加え経理担当者の負荷もありました。


この機能によってそういった部分は総じて軽減されたことを肌感覚でも感じています。


あとはSlackと連携しているじゃないですか?うちは社内の連絡はSlackを使っているので、承認されたことの通知もきますし、差し戻されたものやコメントがついたものに関しても通知がくるので、メールを見に行く手間がなくなりました。そういった機能もうちの会社にあっているなと思います。

経路検索など導入当初はなかった機能が提供されるのもクラウドならではで良かった点です。


【図】ワークフロー機能


個人的に推している機能はfreee人事労務の人事マスタ機能です。ワークフローを使っている会社だと入退社や組織異動に伴って承認者の変更とかって結構発生すると思うんですね。ある程度役職のついている人はfreee人事労務で部門と役職を登録しておけば、そこを変更するだけですべてに反映されるのはすごく便利ですね。


バイネームで経路設定すると異動になった人が関わるすべての申請経路を全部作り直さないといけなかったり、完全に申請承認が終わるまでそのフローを完全に削除できなかったりします。


その点、freee人事労務の人事マスタの変更で自動的にワークフローの申請経路も変更できるので人の管理がめちゃくちゃ楽です。ワークフローを使っている人はみんなfreee人事労務の人事マスタを活用したほうがいいと思います。


導入当初は予想していなかった副次効果として、freeeを導入したタイミングで申請時の証憑添付(ファイルボックス機能)を必須にしていたおかげで、コロナが流行し始めた時にスムーズにリモートに移行することができました。


以前のままだったら「出社して紙を集めないとね」となったと思いますが、この運用にしていたため、四半期の締めもリモートで出来ましたし、ほんとうによかったです!freeeさんありがとうという感じです(笑)。


freeeを導入したときから当社の規模も成長しているので、導入前後でどれくらい業務量を減らすことができたか具体的に測ることができませんが、間違いなく効率化していて、今までやりたかったことにトライできるようになっています。



--導入時のfreeeによる支援はいかがでしか?

導入時、担当の方が定期的にミーティングをして、いろいろな相談にのってもらいましたね。


過去のデータもfreeeに入れる必要があったので、データ変換を一緒にやってもらうなど手厚くやってもらいました。ちょうどエンタープライズプランが出たばかりのころだったので弊社の要望を開発に活かしてもらい、新たな機能としてリリースされるということもありました。二人三脚でやってもらったという感じです。



--今後はどのようなことに取り組みたいですか?

freeeは電子帳簿保存にも対応しているので、10月の法改正を踏まえ、電子帳簿保存への対応はやりたいと思っています。


あとは各種申請を使いこなしていろんなバリエーションを増やしていきたいです。例えば、前払費用からの振替とか、前渡金からの振替とか、そういったものに関しても各種申請で申請・承認を通したあとで仕訳登録するといった形でどんどん活用していきたいと思います。



--検討中の方へ一言

ワークフロー含め既存のシステムの切り替えにはものすごくエネルギーがいると思います。


今までと同じやり方ができるシステムを探したり、同じやり方を貫こうとするとめちゃめちゃ大変だと思うんですよね。


なので発想を変えて、ある程度システムに合わせてフローを変えるといった柔軟な発想が大事だと思います。


とりあえず入れて合わせてみる、とりあえずチャレンジしてみるというのもいいと、僕は思います。


既存の業務をそのまま置き換えようとすると本当に大変だし、まず無理だと思うんですね。デメリットよりもメリットにフォーカスする。それがすごい大事な視点かと思います。




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