白色申告で領収書の保存・提出は必要?保管期間や領収書がない場合の対処法も解説
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白色申告では、確定申告で領収書の提出は不要ですが、5年間の保存が義務付けられています。領収書を保存していない場合、税務調査で経費が認められなくなるおそれがあるため、適切な保管が重要です。
ただし、領収書を紛失したり受け取り忘れたりした場合も、レシートでの代用・出金伝票の作成・再発行の依頼などにより、対応できることがあります。
本記事では、白色申告での領収書の扱い・保存期間・領収書がない場合の対処法などを解説します。
白色申告では領収書の保存が必要・提出は不要
白色申告では、領収書を確定申告時に税務署へ提出する必要はないものの、所得税法により一定期間の保存が義務付けられています。
白色申告の確定申告時に税務署へ提出する書類は、主に以下のとおりです。
白色申告の提出書類
- 確定申告書
- 収支内訳書
- 控除を受けるために必要な各種控除証明書
確定申告書は、第一表から第四表まであり、主に第一表と第二表の提出が必要です。収支内訳書は、事業の収入や経費の内訳などを報告するための書類で、以下の場合に提出が求められます。
収支内訳書が必要なケース
- 事業所得・不動産所得・山林所得がある
- 業務にかかる雑所得があり、その年の前々年分の業務にかかる雑所得の収入金額が1,000万円を超える
出典:国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
そのほか、控除を受ける場合は、添付書類が必要になることがあります。たとえば、医療費控除の場合は、医療費控除の明細書の添付が必要です。
帳簿書類の保存期間
領収書・請求書・納品書などは、5年間保存が必要です。帳簿書類の保存期間は、それぞれ以下のとおりです。
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| 保存が必要なもの | 帳簿・書類の内容 | 保存期間 |
|---|---|---|
| 帳簿 | 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年 |
| 業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) | 5年 | |
| 書類 | 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 | 5年 |
| 業務に関して作成し、又は受領した請求書・納品書・送り状・領収書などの書類 |
出典:国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
白色申告では、簡易簿記(単式簿記)による記帳が認められています。収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年間、業務に関して作成した法定帳簿以外の任意帳簿は5年間保存する必要があります。
電子取引で受け取った領収書は電子データでの保存が必要
2022年1月の電子帳簿保存法の改正により、メールやECサイトなどの電子取引で受領した領収書は、電子データのままでの保存が義務化されています。
2023年12月31日までは猶予期間として紙での保存も認められていましたが、2024年1月1日以降は、原則として電子データでの保存が必要です。
一方、紙で受け取った領収書は、これまでと同様に紙のままでの保存が認められているほか、スキャナなどで読み取って電子データとして保存することも可能です。
なお、電子データで保存する際は、改ざん防止の措置を講じるなど、電子帳簿保存法の要件を満たさなければなりません。
白色申告で領収書がないときの対応方法
白色申告で領収書を受け取り忘れたり、紛失したりした場合も、以下のような方法で対応することで、経費計上できる場合があります。
白色申告で領収書がないときの対応方法
- レシートで代用する
- 出金伝票で代用する
- 再発行を依頼する
レシートで代用する
コンビニや量販店などで品物を購入した際に渡されるレシートは、領収書と同様に経費の証憑(取引を証明する書類)として扱えます。個人のあて名がなくても、証憑として保存するうえで大きな支障はありません。
ただし、感熱紙のレシートは時間の経過によって印字が消えるおそれがあります。そのため、原本は保存したうえで、印字が薄くなる前に普通紙へコピーするなど、あとから内容を確認できる状態にしておきましょう。
出金伝票で代用する
領収書がない場合は、出金伝票で代用する方法もあります。出金伝票とは、企業や個人事業主が現金での支払いを行った際に作成する伝票です。
たとえば、慶弔費・自動販売機での購入費用・電車やバスなどの交通費のように、そもそも領収書が発行されない場合に出金伝票が活用できます。
出金伝票には、取引のあった日付・支払先・勘定科目・摘要・金額などを記載します。あとから税務調査で確認されても支払いの状況を説明できるように、詳細を記録しておくことが重要です。
再発行を依頼する
領収書を紛失した場合は、発行もとに再発行を依頼する方法もあります。
ただし、領収書の再発行に応じるかどうかは、発行者側の判断に委ねられます。そのため、必ず再発行してもらえるとは限りません。
再発行が難しい場合は、出金伝票への支払記録の作成・クレジットカードの利用明細・銀行の振込明細書など、取引を証明できる書類を保管することで、経費計上できる可能性があります。
領収書を保管・整理する際のポイント
白色申告では、確定申告時に領収書を提出する必要はありません。ただし、税務調査の際には、領収書の内容を細かく確認されることがあります。
領収書に不備や不審な点があると、経費として認められず追徴課税につながるおそれもあるため、日頃から正しく保管・整理しておくことが重要です。
税務調査で確認されやすい領収書の項目は、以下のとおりです。
税務調査で領収書について確認されやすい項目
- 金額・日付・あて名・内容などに不自然な点はないか
- 帳簿の記載と領収書の内容に矛盾はないか
- プライベートな支出が混ざっていないか
- 架空の領収書を計上していないか
- 10万円以上の備品や設備を一括で経費計上していないか
特に、金額が大きい領収書・手書きで作成された領収書・プライベートとの境界が曖昧になりやすい支出に関する領収書などは、重点的に確認される可能性があります。
また、10万円以上の備品や設備は固定資産として扱い、原則として、減価償却により複数年に分けて経費計上します。一括で必要経費にしていないか、帳簿や領収書の内容とあわせて確認しておきましょう。
領収書の保管方法
紙の領収書は、以下のような方法で保管すると整理しやすくなります。
紙の領収書を保管する方法
- 台紙やノートに貼り付ける
- 月別や勘定科目別に封筒や箱で小分けにする
- クリアファイルやバインダーでファイリングする
一方、電子データで受領した領収書は、電子帳簿保存法のルールに沿った保存を行います。具体的には以下の要件を満たすことが必要です。
電子取引データ保存の要件
- 改ざん防止の措置をとる(タイムスタンプの付与・事務処理規程の運用・訂正や削除の履歴が残るシステムの利用など)
- 保存データを確認するためのディスプレイやプリンターなどを備え付ける
- 日付・金額・取引先名で検索できる状態にしておく
※基準期間の売上高が5,000万円以下で、税務調査時に電子データのダウンロードの求めに応じられる場合など、検索要件が不要となるケースがある
紙の領収書については、スキャナで読み取り、電子データとして保存することも可能です。
ただし、その場合も電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。スキャナ保存の要件を満たして保存している場合は、紙の原本を破棄できます。
まとめ
白色申告では、確定申告時に領収書を税務署へ提出する義務はないものの、所得税法により5年間の保存が義務付けられています。電子取引で受け取った領収書は、電子帳簿保存法に基づき、電子データのまま保存する必要があります。
領収書を紛失したり受け取れなかったりした場合も、レシートでの代用・出金伝票の作成・再発行の依頼などにより、経費計上できる場合があります。
確定申告や税務調査の際に必要な情報を確認できるよう、日頃から領収書を適切に保管・整理しておくことが重要です。
参考文献
▶︎︎国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
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よくある質問
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白色申告でも領収書は必要?
白色申告でも、領収書の保存は必要です。確定申告の際に税務署へ提出する義務はないものの、帳簿に加え、領収書などの書類を一定期間保存することが義務付けられています。
また、白色申告での領収書の保存期間は5年間で、税務調査の際に提示を求められることがあります。
領収書の保存義務について詳しくは「白色申告では領収書の保存が必要・提出は不要」をご覧ください。
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白色申告でレシートは領収書の代わりになる?
白色申告でも、レシートは領収書の代わりとして経費の証憑に使えます。確定申告でレシートそのものを提出する義務はないものの、領収書の代わりとして扱う場合は5年間保存する必要があります。
領収書の保存について詳しくは「白色申告では領収書の保存が必要・提出は不要」をご覧ください。
監修

北田 悠策
神戸大学経営学部卒業。2015年より有限責任監査法人トーマツ大阪事務所にて、製造業を中心に10数社の会社法監査及び金融商品取引法監査に従事する傍ら、スタートアップ向けの財務アドバイザリー業務に従事。その後、上場準備会社にて経理責任者として決算を推進。大企業からスタートアップまで様々なフェーズの企業に携わってきた経験を活かし、株式会社ARDOR/ARDOR税理士事務所を創業。