所得と収入・手取りの違いは?計算方法や給与明細書・源泉徴収票での見方も紹介
目次
freeeなら
面倒な所得の計算も手間いらず!
所得とは、収入をもとに、所得の種類に応じた方法で算出される金額を指します。所得は、「事業所得」や「給与所得」など、所得税法によって10種類に区分されています。
所得の種類や金額によっては、確定申告が必要です。確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得と、その所得に対する所得税を計算し、税務署に申告・納税する手続きのことです。
本記事では、所得と収入の違いや所得の種類、10種類の所得の計算方法を解説します。会社員が知っておくべき給与明細書や源泉徴収票の見方についても紹介します。
「所得」とは収入をもとに所得の種類ごとの方法で算出する金額
所得は、所得の種類によって計算方法が異なります。事業所得などは、収入から必要経費を差し引いて計算します。
必要経費とは、収入を得るために発生した費用のことで、事業用のパソコンの購入費や通信費、取引先のもとへ行くための交通費などです。
一方、会社員やアルバイト・パートなどが会社から受け取る給与では、原則として必要経費を差し引くことはできません。給与所得は、給与収入から給与所得控除額を差し引いて計算します。
【関連記事】収入金額等、所得金額の計算方法と記入方法
「収入(年収)」とは社会保険料や税金が差し引かれる前の総額
給与所得者における収入(年収)は、社会保険料や税金が差し引かれる前の給与・賞与などの総額です。税法上の給与収入には、金銭で支給されるものだけでなく、原則として現物給与も含まれます。
現物給与とは、物または権利など金銭以外で受ける経済的利益のことです。現物給与は原則として金額に換算されます。
現物給与にあたるのは主に以下です。
- 会社の商品や物品などの資産を無償、または定価よりも低価格で受け取ったことによる経済的利益
- 会社の土地や家屋、金銭などの資産を無償、または低価格で借りたことによる経済的利益
- 会社が所有する福利厚生施設の利用など、「2」以外のものを無償、または低価格で利用したことによる経済的利益
- 個人的な債務の免除を受けた、または会社に負担してもらったことによる経済的利益
「手取り」とは社会保険料や税金が差し引かれた後の金額
手取りとは、勤務先から支払われる給与の総支給額から、社会保険料や税金などの控除額を差し引いた後の金額を指します。
従業員が実際に受け取る金額が手取りであり、口座振込の場合は振込額が実際の受取額です。一般的に、給与明細上では手取りは「差引支給額」として示されます。
手取りを求める計算式は、「総支給額 -(社会保険料 + 所得税・住民税 + その他の控除)」です。収入からは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの社会保険料のほか、所得税・住民税が差し引かれます。
「非課税所得」とは所得税が課されない所得
「非課税所得」とは、所得税が課されない所得のことです。たとえば、以下のものは非課税所得に該当します。
- 給与所得者に支給される一定範囲内の旅費や通勤手当、職務に必要な現物給与
- NISA口座・ジュニアNISA口座内の一定の上場株式等に係る配当等・譲渡所得等
- 生活に通常必要な家具や衣服などの譲渡による所得
また、遺族年金や生活保護費なども、非課税所得にあたります。
【勤務形態別】収入(年収)と所得の違い
個人事業主・会社員・年金受給者では、収入から所得を計算する方法が異なります。以下、それぞれの収入と所得の違いを解説します。
個人事業主の収入と所得の違い
個人事業主の場合、事業により得た売上が「収入」、収入から必要経費を差し引いて金額が「所得」となります。
個人事業主の場合、小売業やサービス業などの事業を通じて得た所得は事業所得に分類されます。
事業所得の概要は、次項の「② 事業所得」をご確認ください。
会社員の収入と所得の違い
会社員の「収入」とは、給与や賞与(ボーナス)などを指します。
一方、会社員が給与や賞与から得る「所得」は、収入金額(給与や賞与)から給与所得控除額を差し引いた金額を指し、給与所得に分類されます。給与所得控除とは、給与収入額から概算の経費相当額を控除する仕組みで、会社員などの給与所得者に設けられている制度です。
また、パート・アルバイトとして受け取る給与も、給与収入にあたります。この場合も、給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得です。
副業による収入は、その内容に応じて給与所得・事業所得・雑所得などに区分し、区分ごとの計算方法にしたがって所得金額を算出します。ほかの所得と合算して所得税を計算するかどうかは、総合課税・分離課税の区分で異なります。
給与所得の概要は、次項の「① 給与所得」をご確認ください。
年金受給者の収入と所得の違い
年金受給者の「収入」には公的年金が該当します。
公的年金は、国が運営する年金です。日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2種類があります。
公的年金による所得は、公的年金の受給額から公的年金等控除額を差し引いて計算し、雑所得に分類されます。
公的年金等控除額は、公的年金等に係る雑所得を計算する際に、公的年金等の収入金額から差し引く金額です。
雑所得の概要は、次項の「⑩ 雑所得」をご確認ください。
所得税法による10種類の所得と計算方法
所得は、所得税法により内容に応じて以下の10種類に区分されています。
横にスクロール
| 所得の区分 | 内容 | 課税方法 | |
|---|---|---|---|
| ① | 給与所得 | 勤務先から受ける給料、賞与(ボーナス)などの所得 | 総合 課税 |
| ② | 事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得 | 総合 課税 |
| ③ | 利子所得 | 公社債や預貯金の利子、合同運用信託や公社債投資信託の収益の分配などで収入がある場合に発生する所得 | 分離 課税 |
| ④ | 配当所得 | 株主として得た配当や、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外の投資信託などから得た所得 | 総合 課税 |
| ⑤ | 不動産所得 | 不動産や、船舶、航空機などの貸付から収入がある場合に発生する所得 | 総合 課税 |
| ⑥ | 退職 所得 | 勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得 | 分離 課税 |
| ⑦ | 山林所得 | 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡したりすることによって生ずる所得 | 分離 課税 |
| ⑧ | 譲渡所得 | 資産の譲渡から得た収入がある場合に発生する所得 | 総合課税または分離 課税 |
| ⑨ | 一時所得 | 臨時的に得た収入や、たまたま得た収入がある場合に発生する所得 | 総合 課税 |
| ⑩ | 雑所得 | ほかの所得のいずれにも当てはまらない収入がある場合に発生する所得 | 総合 課税 |
なお、上表は主な課税方法を示したもので、所得の内容などによって課税方法が異なる場合があります。総合課税と分離課税の詳しい解説は、「総合課税と分離課税の違い」をご確認ください。
所得の種類によって所得金額の計算方法は異なるため、そのルールについては理解しておく必要があります。以下で10種類の所得の概要と計算方法を紹介します。
①給与所得
給与所得とは、会社員が勤務先から受け取る給料や賞与(ボーナス)などに対する所得を指します。給与所得額は、収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。
会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者には、原則として必要経費が認められません。ただし、通勤費や研修費など特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合は、特定支出控除が適用できます。確定申告をすれば、その超える部分を給与所得控除後の所得金額から差し引くことが可能です。
しかし、給与所得者も業務のために筆記用具を購入したり、交通費を自己負担したりすることがあります。このような事情を考慮し、「給与所得控除」として給与収入金額から概算の経費相当額を控除する仕組みが設けられています。
2026年度税制改正で、給与所得控除の最低保障額が69万円に引き上げられました。また、2026年分・2027年分は特例により、給与収入金額が220万円以下の場合の給与所得控除額は74万円となります。
給与所得控除額は以下のとおりです。
横にスクロール
| 給与収入金額 | 給与所得控除額(2026年分・2027年分) | 給与所得控除額(2028年分以後) |
|---|---|---|
| 220万円以下※ | 74万円 | 収入金額 × 30% + 8万円(69万円未満となる場合は69万円) |
| 220万0,001円〜360万円 | 収入金額 × 30% + 8万円 | 収入金額 × 30% + 8万円 |
| 360万0,001円〜660万円 | 収入金額 × 20% + 44万円 | 収入金額 × 20% + 44万円 |
| 660万0,001円〜850万円 | 収入金額 × 10% + 110万円 | 収入金額 × 10% + 110万円 |
| 850万0,001円以上 | 195万円(上限) | 195万円(上限) |
※2026年分・2027年分について、給与収入金額が219万1,000円以上220万円未満の場合は、74万円を控除する方法ではなく、給与収入金額に応じて定められた給与所得の金額を用います。
出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」
出典:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」
2028年分以後は、給与収入金額が190万円以下の場合は「収入金額 × 30% + 8万円」で給与所得控除額を計算します(69万円未満となる場合は69万円)。
たとえば、1年間の給与収入金額が700万円だった場合、給与所得控除額と給与所得の金額は以下のように計算されます。
- 給与所得控除 = 7,000,000 × 10% + 1,100,000 = 1,800,000(円)
- 給与所得額 = 7,000,000 - 1,800,000 = 5,200,000(円)
②事業所得
事業所得とは、農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業をはじめとする事業から生じる所得です。
フリーランスのライター・エンジニア・デザイナー・YouTubeで広告収入を得るクリエイターなど、個人事業主の所得の多くが事業所得に該当します。
事業所得は、収入(売上)額から必要経費を差し引いて算出します。
必要経費にできるものは、収入を得るために発生した支出で、主に以下のようなものが挙げられます。
- 打ち合わせで使用したレンタルルームの利用料
- パソコンの購入費
- 事業で使用する携帯電話にかかる利用料金
- 打ち合わせ先へ向かうための交通費
- 事業に関連する書籍の購入費
なお、取引の内容を確認できる領収書やレシートなどの証憑を保存しておく必要があります。鉄道やバスなどの公共交通機関を利用し、領収書が発行されない場合は、出金伝票などに取引内容を記録しておきます。
出典:国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」
③利子所得
利子所得とは、預貯金や公社債の利子、合同運用信託や公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に関わる所得を指します。
利子所得では、源泉徴収される前の収入金額がそのまま所得金額です。
利子所得は、原則として、支払いを受ける際に所得税などが源泉徴収され、源泉分離課税によって納税が完結します。この場合、確定申告はできません。
ただし、国債や地方債・外国国債などの特定公社債等の利子に関しては、源泉分離課税ではなく申告分離課税の対象となりますが、確定申告しないことも選択できます。*
*「総合課税」の対象となる一部の公社債等の利子についてはこの限りではありません。
源泉分離課税に関しては「総合課税と分離課税の違い」で後述しています。
出典:国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」
④配当所得
配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当金などに関わる所得です。投資信託の収益の分配金も含まれますが、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託は除きます。
配当所得の金額は、源泉徴収前の配当による収入金額から、株式などの取得に要した借入金の利子を差し引いて算出します。
配当所得は原則として、総合課税の対象となります。上場株式等の配当金などの場合は、所得税などが源泉徴収されるため、申告不要制度を選択することも可能です(大口株主等が受けるものを除く)。
国内法人から受ける一定の配当については、法人税と所得税の二重課税を調整するための「配当控除」が設けられています。
配当控除を受けるには確定申告が必要ですが、源泉徴収のみで納税を済ませ、確定申告をしない選択(確定申告不要制度)も可能です。
この制度を利用すると確定申告は不要になりますが、配当控除は受けられず、配当にかかる源泉徴収税額をその年の所得税額から差し引くこともできません。
出典:国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」
⑤不動産所得
不動産所得とは、土地や建物などの不動産、借地権などの不動産上の権利、船舶や航空機などの貸付けに関する所得のことです。
具体的には、アパート経営によって得られる家賃収入や、所有する土地を貸した際に得られる地代などが該当します。
ただし、食事を提供する宿や保管責任を伴う有料駐車場などである場合は、不動産所得ではなく、事業所得や雑所得に分類されます。
不動産所得の金額は、返還不要の敷金や保証金なども含む貸付けに関連して得た全ての収入金額から、必要経費を差し引くことで算出が可能です。
不動産所得の必要経費とは、不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事関連の経費と明確に区別されるもので、主に「固定資産税」「損害保険料」「修繕費」などが該当します。
出典:国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
⑥退職所得
退職所得とは、勤務先から受ける退職手当や、厚生年金保険法に基づき退職を理由として支払われる一時金などの所得を指します。
退職所得控除額は、退職した会社での勤続年数によって異なります。
横にスクロール
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数 (80万円に満たない場合は、80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年) |
出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
たとえば、実際に勤務した期間が12年2ヶ月だった場合は、端数の2ヶ月を1年に切り上げ、勤続年数は13年として考えます。
この場合、退職所得控除額は「400,000(円) × 13(年) = 5,200,000(円)」です。
障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、上記の計算結果に100万円を加えた金額が退職所得控除額となります。
また、前年以前に退職金を受け取った場合や、同一年中に2ヶ所以上から退職金を受け取った場合は、控除額の計算が異なることがあります。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
なお、退職所得は分離課税の対象となるため、ほかの所得とは分離して所得税を計算します。
⑦山林所得
山林所得とは、山林を伐採して譲渡することや、立木のまま譲渡することで生じる所得を指します。
ただし、所有期間が5年以内の山林の譲渡は、山林所得ではなく事業所得または雑所得の区分になります。また、土地も含めて譲渡する場合は、土地の部分は譲渡所得です。
山林所得の必要経費には、植林費などの取得費・維持管理費・伐採費・運搬費などが該当します。
伐採または譲渡した年の15年前の12月31日以前から引き続き所有していた山林を伐採または譲渡する場合は、「概算経費控除」の特例を適用できます。
概算経費控除とは、収入金額から伐採費などの譲渡費用を差し引いた金額の50%に相当する金額に、伐採費などの譲渡費用を加えた金額を必要経費にできる仕組みです。
山林所得は分離課税の対となるため、ほかの所得と分離して所得税を算出し、確定申告を行います。
⑧譲渡所得
譲渡所得とは、土地・建物・ゴルフ会員権などの資産を譲渡して得る所得のことです。
譲渡所得は、譲渡対象の資産によって計算式が異なり、具体的には以下の3パターンがあります。
土地や建物、株式などの譲渡による所得は原則として申告分離課税、ゴルフ会員権などの譲渡による所得は総合課税の対象です。
土地や建物に関しては、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。
出典:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
⑨一時所得
一時所得とは、営利目的の継続的な事業や行為から得られた所得ではなく、一時的に得た所得です。また、サービスや労務の対価または資産の譲渡の対価などで得られる所得とは異なります。
たとえば、懸賞や福引の賞金・賞品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金、損害保険の満期払戻金などが該当します。
一時所得は、原則として総合課税の対象です。所得金額の1/2に相当する金額をほかの所得と合計し、総所得金額を求めたうえで納税額を算出します。
⑩雑所得
雑所得は、ほかの所得のいずれにも該当しない所得を指します。公的年金や、原稿料・講演料など副業による所得が該当します。
雑所得の算出方法は以下のとおりです。
たとえば、会社員の副業による所得は、業務に係る雑所得に該当する場合があります。
事業所得と業務に係る雑所得の区分は、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行われているかどうかで判定します。判断が難しい場合は、税理士などの専門家への相談を検討しましょう。
所得から所得税を計算する方法
所得税は、所得の種類ごとに所得金額を計算し、所得控除額を差し引いた課税所得金額に税率を適用して算出します。なお、分離課税の対象となる所得は、ほかの所得と分けて税額を計算します。
所得から所得税を計算する方法
- 所得の種類ごとの計算方法により所得金額を計算する
- 所得金額から所得控除を差し引いて課税所得金額を算出する
- 総合課税の対象となる課税所得金額に5〜45%の税率を適用して所得税額を計算する
- 所得税額から税額控除を差し引いて基準所得税額を算出する
- 基準所得税額に復興特別所得税額を加える(2026年分までは2.1%、2027年1月1日以後に生ずる所得については1.1%)。2027年1月1日以後に生ずる所得については、防衛特別所得税1.0%も加える
確定申告では、ここから源泉徴収税額や予定納税額を差し引いて、実際に納める額や還付される額を精算します。
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
出典:国税庁「防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし(令和9年1月以後の源泉徴収)」
給与明細書の見方
会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者は、勤務先から交付される給与明細書でその月の支給額・差引支給額(手取り)・控除額などを確認できます。
①支給額
支給額には、基本給や各種手当など、会社から支払われる金額が項目ごとに記載されています。支給額の合計は、控除額が差し引かれる前の金額で、一般的に「額面」とも呼ばれます。
②控除額
控除は、①の支給額から差し引かれる項目です。
具体的な種類としては、社会保険料(健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険)・所得税・住民税などが挙げられます。
また、会社によっては、住宅費(寮や社宅の家賃)・労働組合費・従業員持株会の積立金など、独自の控除が差し引かれます。
③差引支給額(手取り)
① 支給額から② 控除額を差し引いた額が差引支給額です。一般的に「手取り」といわれます。実際に給与所得者の手元に入る金額がここに記載されます。
源泉徴収票の見方
源泉徴収票とは、1月1日から12月31日までの1年間に会社が従業員に支払った給与額や源泉徴収額、控除額などを記載した書類のことです。
源泉徴収票を見ると、1年間に会社から支払われた金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額などを確認できます。
①支払金額
支払金額には、給与や残業代、ボーナス(賞与)に加え、課税対象となる各種手当を含めた総額が記載されます。非課税となる通勤手当などは含まれません。
②給与所得控除後の金額
会社員などの給与所得者には、給与所得控除で必要経費相当額が給与収入から一定額差し引かれます。
控除額は支払金額に応じて決まり、給与所得控除額の上限は195万円です。
③所得控除の合計額
所得控除の金額の欄には、社会保険料控除・生命保険料控除などをはじめとする所得控除の合計額が記載されています。
年末調整の対象外である医療費控除や寄附金控除を受ける場合は、原則として確定申告が必要です。
④源泉徴収税額
源泉徴収税額には、年末調整が行われた場合、年末調整後の所得税および復興特別所得税の合計額が記載されます。2027年分以後は、所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の合計額です。
なお、一般的に年の途中で退職した場合、前職の会社から交付される源泉徴収票では②と③が空欄になっています。これは年末調整が行われる前の源泉徴収票のためです。
確定申告書の見方
個人事業主は、確定申告書第一表から自分の収入と所得を確認できます。
事業所得の場合、第一表の「収入金額等」には必要経費を差し引く前の1年間の売上(収入)を、「所得金額等」には収入から必要経費を差し引いた所得金額を記載します。
第一表では「事業」「給与」など所得の種類ごとに欄が分かれていて、事業所得や給与所得といった自身で記入した分類別の金額が確認できます。
出典:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」
収入と所得の区別が求められる場面
収入と所得の使い分けが必要になる場面としては、たとえば以下が挙げられます。
収入と所得の区別が求められる場面
- 確定申告を行うとき(申告書に「収入金額等」と「所得金額等」の両方を記載する)
- 年末調整を行うとき(基礎控除申告書などに合計所得金額の見積額を記入する)
- ローンやクレジットカードなどの各種審査を受けるとき
確定申告・年末調整のほか、ローンやクレジットカードの審査のために、申し込み時は収入や所得の情報を求められることがあります。住宅ローンの審査では、一般的に給与所得者は額面の給与収入、個人事業主は所得をもとに判断されます。
総合課税と分離課税の違い
所得税の課税方法には、大きく「総合課税」と「分離課税」の2種類があります。
総合課税とは、各種の所得金額を合計した金額に税率をかけて所得税額を算出する方式です。総合課税には主に以下の所得が該当します。
総合課税の対象となる所得
- 給与所得
- 事業所得
- 配当所得(確定申告不要制度などを選択したものを除く)
- 不動産所得
- 譲渡所得(土地や建物、株式などの譲渡によるものを除く)
- 一時所得(源泉分離課税とされるものを除く)
- 雑所得(源泉分離課税とされるものなどを除く)
- 利子所得(源泉分離課税とされるもの・一部の特定公社債等を除く)
一方、分離課税とは、ほかの所得金額と合計せず、その所得単独で金額を計算し規定の税率を適用して所得税額を算出する方式です。
分離課税には「申告分離課税」と「源泉分離課税」の2種類があり、申告分離課税は原則として確定申告が必要です。申告分離課税の対象となるのは主に以下の所得です。
申告分離課税の対象となる所得
- 退職所得
- 山林所得
- 土地や建物などの譲渡による譲渡所得
- 株式などの譲渡による譲渡所得
- 申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得
配当所得については、原則として総合課税の対象ですが、上場株式等の配当等については、申告分離課税を選択することもできます。
源泉分離課税は、所得の支払時に所得税が源泉徴収され、それによって納税が完結する制度です。源泉分離課税の対象となる所得は、確定申告できません。
所得があって一定の要件に該当する場合は確定申告が必要
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得と、その所得に対する所得税を計算し、税務署に申告・納税する手続きのことです。
1年間で源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算するのも確定申告に該当します。
会社員などの給与所得者は、多くの場合、勤務先が行う年末調整によって1年間の所得税等が精算されるため、確定申告は不要です。ただし、医療費控除など、年末調整では適用できない控除を受ける場合は、原則として確定申告が必要です。
確定申告の対象となるかは1年間の所得額や条件によって異なるため、要件は国税庁のホームページでご確認ください。
確定申告の義務がある人や、確定申告の流れ・手順については、別記事「確定申告とは?全くわからない人向けにやり方・対象者をわかりやすく解説!」で詳しく解説しています。
まとめ
収入とは、個人が得たお金や物品を指します。一方、所得は、所得の種類に応じた方法で算出される金額です。
所得は、その性質によって10種類に区分され、それぞれ算出方法や課税方法(総合課税・分離課税)が異なります。また、会社員・個人事業主・年金受給者など、立場によって収入から所得を計算する方法もさまざまです。
所得の種類や算出方法を誤ると、確定申告での記載ミスや税額の過不足が生じる可能性があります。特に、副業などで所得が増えた場合や控除を受ける場合は、正確な把握が欠かせません。
確定申告が必要かどうか、どの所得に該当するかを確認するためには、まず自身の年間収入や支出を確認し、所得の内訳を把握することが重要です。自身が得た所得の種類と金額を確認し、適切な方法で所得税額を算出しましょう。
freeeで確定申告をもっと手軽に、かんたんに。
確定申告には、正確な書類の作成が不可欠です。申告・納税を正しく行わないと、ペナルティの対象となる場合があります。
会計の知識や経験なしに帳簿の処理をするのは難易度が高く、またオンライン上で手続きをするならe-Taxとの連携も必要です。
そこでおすすめなのが、確定申告ソフト「freee会計」です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。また、所得額や控除額の計算を自動で行えるため計算・入力ミスも軽減でき、e-Taxとの連携も可能です。
ここからは、freee会計を利用するメリットを紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードを同期して自動入力が可能!
確定申告を行うためには、1年間の会計取引を正しく記帳しなくてはなりません。入出金の内容をひとつずつ手作業で記録するのは手間がかかります。
freee会計なら、銀行口座やクレジットカードを同期し、利用した内容を自動で入力することが可能です。
日付や金額だけでなく勘定科目も予測して入力できるため、日々の記帳がほぼ自動化でき、工数削減につながります。
2.現金取引の入力も効率的!
口座やカードのように自動で明細が残らない現金取引は、 手入力で登録しなければなりません。
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿付けが可能です。
自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、会計処理の経験がない人でも正確に記帳ができます。
さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになるので、わからないことがあったらすぐに相談できます。また、オプションサービスには電話相談もあり、直接相談できるのもメリットの1つです。
freee会計の価格・プランについてはこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問で各種控除や所得税の金額を自動算出!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件が異なるため、事前に調べて把握しなければなりません。
freee会計なら、用意された質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出し、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-Tax(電子申告)にも対応しています。e-Taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。
e-Tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計は、会計初心者の方からも「本当にかんたんに終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度の依頼料が発生します。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自力で手間なく確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
-
年収は収入?所得?
年収は1年間の収入の金額を指す言葉で、所得とは別のものです。
会社員なら源泉徴収票の「支払金額」、個人事業主なら確定申告書の「収入金額等」が年収にあたります。ここから給与所得控除や必要経費を差し引いた金額が所得です。
詳しくは、記事内「「収入(年収)」とは社会保険料や税金が差し引かれる前の総額」をご覧ください。
-
所得は「手取り」ですか?
所得とは、収入から必要経費(会社員の場合は給与所得控除)を差し引いた額で「もうけ」を指します。
一方、手取りとは、会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者が勤務先から支払われる給与のうち、社会保険料や税金(所得税・住民税)が差し引かれた額を指します。
つまり、従業員が実際に受け取る金額が手取りです。
詳しくは、記事内「「所得」とは収入をもとに所得の種類ごとの方法で算出する金額」をご覧ください。
-
年収と所得の違いを簡単にいうと?
年収は、必要経費や各種控除の額が差し引かれていない金額で、1年間の収入を指します。一般的に「額面」と呼ばれるものです。
所得は、その収入から必要経費(会社員の場合は給与所得控除)を差し引いた額です。所得額は主に税金計算の基準となります。
詳しくは、記事内「【勤務形態別】収入(年収)と所得の違い」をご覧ください。
監修

北田 悠策
神戸大学経営学部卒業。2015年より有限責任監査法人トーマツ大阪事務所にて、製造業を中心に10数社の会社法監査及び金融商品取引法監査に従事する傍ら、スタートアップ向けの財務アドバイザリー業務に従事。その後、上場準備会社にて経理責任者として決算を推進。大企業からスタートアップまで様々なフェーズの企業に携わってきた経験を活かし、株式会社ARDOR/ARDOR税理士事務所を創業。

大柴 良史
1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。