医療費控除とは?対象になる費用・ならない費用の一覧と計算方法を解説

更新日:2026/10/29

監修:安田 亮
監修:大柴 良史

目次

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医療費控除とは、1月1日〜12月31日の1年間で一定額を超える医療費を支払った場合に受けられる所得控除のひとつです。医療費控除を受けることで所得税や翌年度の住民税の納税額を減らせ、節税につながります。

ただし、全ての医療費が医療費控除の対象となるわけではありません。対象となる費用と対象外の費用を正しく理解したうえで、申告手続きを行うことが必要です。

【医療費控除の申告手続きについてはこちらもおすすめ】

医療費控除とは

医療費控除とは、1月1日〜12月31日の1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる所得控除のひとつです。

原則として、支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を差し引き、その残額が10万円を超える場合に適用されます。総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%が基準です。

医療費控除を受けることで、所得税の対象となる「課税所得」を減らすことができ、節税につながります。

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医療費控除を受けるためには確定申告が必要

医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。医療費控除は年末調整では適用されないため、会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者も、自身で確定申告を行わなければなりません。

医療費控除を受けるための確定申告のやり方や必要書類の書き方については、別記事「医療費控除のやり方は?確定申告の必要書類・書き方といくら戻るかを解説」で解説しています。あわせてご確認ください。

医療費控除の対象者・条件

医療費控除は納税者本人だけでなく、納税者と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費も対象です。同居しているかどうかは問いません。

たとえば、一人暮らしの子どもの生活費を父親が支払っている場合には、父親が支払った子どもの医療費も医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象者・条件

また、医療費控除の対象となる費用は、その年の1月1日〜12月31日の間に支払った医療費に限られます。その年に未払いの医療費は、実際に支払った年の医療費控除の対象です。

出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

共働き夫婦の医療費は実際に支払った人の控除になる

同じ家計で生活する夫婦であれば、自分が支払った配偶者や家族の医療費も合算して医療費控除を申告できます。医療費控除の対象となる配偶者や親族の範囲に所得金額の要件は設けられていないため、共働きで配偶者自身に収入がある場合でも、その医療費を負担していれば申告が可能です。

ただし、夫婦のどちらが申告するかを自由に選べるわけではありません。医療費控除はあくまで実際に医療費を支払った人に適用されるため、たとえば夫が妻の治療費を負担した場合は、夫の医療費控除の対象になります。

なお、所得税率は課税所得金額に応じて異なります。同じ医療費控除額で比較すると、所得税率が高い人ほど所得税の軽減額が大きくなる仕組みです。

出典:国税庁「共働き夫婦の夫が妻の医療費を負担した場合」

医療費控除の対象となる費用

医療費控除の対象となる費用には、主に以下のようなものがあります。

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カテゴリ 医療費控除の対象となる費用例
通院・入院 ・病院での診療費/治療費/入院費
・入院時の部屋代/食事代(自己都合による差額ベッド代や外食・出前等は除く)
・通院にかかった交通費
・治療のためのリハビリ/マッサージ費用
・医師等の送迎費用
医薬品・医療器具 ・医師の処方箋をもとに購入した医薬品の費用
・治療に直接必要な医療器具の購入費用(松葉杖・コルセット・補聴器など)
歯科治療 ・歯の治療費(保険適用外の費用を含む)
・治療を目的とした歯列矯正費用
眼科治療 ・レーシック治療(視力回復レーザー手術)費用
・オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)費用
・医師による治療に直接必要な眼鏡の購入費用
妊娠・出産 ・妊娠と診断されてからの定期検診や検査、通院にかかる費用
・病院に支払う入院中の食事代
・不妊治療費用
介護保険サービス ・特別養護老人ホームなどの施設サービスの自己負担額(介護費・食費・居住費)の2分の1に相当する金額
・訪問看護や通所リハビリテーションなどの医療系の居宅サービス費用

出典:国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」

通院・入院にかかる費用

医師による診療・治療を受けるために直接必要な通院・入院費用は、医療費控除の対象です。

通院のための交通費も対象となり、電車やバスなどの公共交通機関の運賃が該当します。

急を要する場合や、公共交通機関が利用できないときのタクシー代も医療費控除の対象です。一方で、それ以外のタクシー代や自家用車のガソリン代・駐車代は対象外となります。

医療費控除の対象となる交通費の例

  • 公共交通機関(バス、電車など)の運賃
  • 急を要する場合や、公共交通機関が利用できない場合のタクシー運賃
  • 遠隔地の病院でなければ治療ができないなどの相当な理由がある場合の新幹線代などの旅費
  • 1人では通院することが困難な場合の患者・付添人の通院費

また、入院時にかかった部屋代や食事代のうち、通常必要なものも医療費控除の対象です。

傷病により、おおむね6ヶ月以上寝たきりの状態で医師の治療を受けており、おむつを使う必要があると認められる場合は、おむつ代も医療費控除の対象となります。

この場合は、原則として医師の発行する「おむつ使用証明書」が必要です(要介護認定を受けている人は、市区町村が発行する確認書類または主治医意見書の写しで代えられる場合があります)。

医薬品・医療器具にかかる費用

治療のために処方された医薬品の購入費や、治療を受けるために直接必要な医療器具の購入費も医療費控除の対象です。

市販の薬でも治療目的で購入したものは医療費控除の対象になります。たとえば、風邪を治すために市販の風邪薬を購入した場合などがこれにあたります。ただし、栄養サプリメントなどの健康増進を目的として購入したものは対象外です。

医療器具は、治療を受けるために直接必要になるものを指します。具体的には以下のとおりです。

医療費控除の対象になる医薬品・医療器具の具体例

  • 松葉杖
  • コルセット
  • 補聴器 *補聴器相談医等が診療のために必要と判断した場合
  • 眼鏡・コンタクトレンズ *医師の治療に直接必要で購入したもののみ
  • 義手や義足など

歯の治療にかかる費用

歯の治療には、インプラントやセラミックを使用した治療などの自由診療もあり、治療費が高額になるケースがあります。治療を目的としており、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分については、保険適用外でも医療費控除の対象になります。

ただし、これはあくまで治療を目的とした処置にかかる費用であり、美容目的で行うものは医療費控除の対象にはなりません。

たとえば、発育段階にある子どもの成長を阻害しないように行う歯列矯正など、治療上必要と認められるものは医療費控除の対象です。一方、容ぼうを美化することを目的とした歯列矯正は対象外です。

歯の治療にかかる費用

出典:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」

眼の治療にかかる費用

レーシック治療やオルソケラトロジー治療は医療費控除の対象です。

また、医師の治療を受けるために直接必要となる眼鏡の購入費用も対象となります。

たとえば、斜視や白内障、緑内障などで手術後の機能回復のために使用する眼鏡などがこれにあたります。ただし、日常生活のために購入した一般的な近視・遠視用の眼鏡は対象外です。

眼の治療にかかる費用

妊娠・出産にかかる費用

妊娠と診断されてからの定期検診にかかる費用や入院費用のほか、不妊症の治療費や人工授精の費用も医療費控除の対象です。

ただし、胎児の染色体異常を調べる出生前診断(NIPT)は、その検査結果に基づいて治療を行うものではないため、医療費控除の対象とはなりません。

妊娠・出産にかかる費用

介護保険サービスにかかる費用

家族の介護などで介護保険サービスを利用した場合の自己負担額も、サービスの種類によっては医療費控除の対象になります。

施設サービスでは、特別養護老人ホームなどは、介護費・食費・居住費として支払った自己負担額の2分の1に相当する金額が医療費控除の対象です。一方、介護老人保健施設や介護医療院は、これらの自己負担額がそのまま控除の対象になります。

居宅サービスでは、訪問看護や通所リハビリテーションなどの医療系サービスが対象です。訪問介護や通所介護(デイサービス)といった福祉系サービスの一部も、ケアプランに基づき、医療系サービスとあわせて利用した場合に限り対象に含まれます。

ただし、調理や掃除といった家事援助が中心の「生活援助中心型」の訪問介護などは医療費控除の対象外です。

出典:国税庁「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価」
出典:国税庁「No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」

医療費控除の対象外となる費用一覧

美容目的や健康増進を目的としたものは医療費控除の対象とはなりません。医療費控除の対象外となる費用を一覧でまとめました。

医療費控除の対象外となる費用例

  • 美容整形費用
  • 人間ドックや健康診断の費用
  • 通院のタクシー代(急を要する場合や公共交通機関が利用できない場合を除く)
  • 自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金
  • 日常使いのために購入した眼鏡やコンタクトレンズの費用
  • インフルエンザなどの予防接種
  • 健康増進を目的として購入したサプリメント・漢方薬
  • 療養中に面倒を見てくれた家族への謝礼
  • 医師や看護師への謝礼
  • 里帰り出産のための実家までの交通費
  • 自分の都合で利用した入院時の差額ベッド代
  • リラクゼーションを目的とした施術にかかる費用
  • 治療に直接関係しない産後の骨盤矯正

インフルエンザなどの予防接種は「治療」ではなく、疾病の予防を目的とする費用のため、医療費控除の対象外です。

健康診断や人間ドックも医療費控除の対象外?

健康診断や人間ドックは、疾病の治療を目的とするものではないため、原則として医療費控除の対象外です。

ただし、健康診断や人間ドックを受けたことで重大な疾病が発見され、引き続きその治療を行った場合には、その年の健康診断や人間ドックの費用も医療費控除の対象として認められます。これは、治療に先立つ診察と判断されるためです。

健康診断や人間ドックも医療費控除の対象外

医療費控除はいくら戻る?還付額の計算方法を解説

医療費控除による還付金額(減税額)は、以下の手順で算出します。実際の還付額は、源泉徴収や予定納税などですでに納めた所得税額によって異なります。

  • ①1月1日〜12月31日に支払った医療費の合計額を計算する
  • ②医療費控除額を計算する
  • ③所得税率を確認する
  • ④還付金額(減税額)を計算する

①1月1日〜12月31日に支払った医療費の合計額を計算する

まずは1月1日〜12月31日の1年間に支払った医療費の合計額を計算します。医療費控除を受けるには、支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を差し引いた金額が、10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等×5%)を超えている必要があります。

また、全ての医療費が医療費控除の対象になるわけではないので、対象外になる費用を含めないようにしましょう。

②医療費控除額を計算する

医療費の合計額を算出したら、次に医療費控除額を計算します。

医療費控除額は、その年の総所得金額等が200万円以上か未満かによって、差し引く基準額が異なります。具体的な計算式は次のとおりです。

総所得金額等が200万円以上の医療費控除の計算式

総所得金額等が200万円以上の医療費控除の計算式

総所得金額等が200万円未満の医療費控除の計算式

総所得金額等が200万円未満の医療費控除の計算式

「保険金などで補てんされる金額」とは、生命保険で支給される入院費給付金や、健康保険で支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などを指します。

なお、保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が生じた場合でも、ほかの医療費からは差し引きません。

また、いずれの場合でも医療費控除額の上限は200万円です。

③所得税率を確認する

次に、還付金額(減税額)の計算に必要な所得税率を確認します。所得税率は課税所得金額によって異なる仕組みです。

課税所得とは、所得から所得控除を差し引いた額を指します。

計算に必要な所得税率

所得税率は以下のとおりです。

所得税率の速算表

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課税される所得金額 税率 控除額
1,000円〜1,949,000円 5% 0円
1,950,000円〜3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円〜6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円〜8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円〜17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

たとえば、課税所得金額が300万円だった場合の所得税率は10%です。

④還付金額(減税額)を計算する

医療費控除によって還付される金額は、以下の計算式で算出します。

還付金額(減税額)を計算する

還付金とは、その年すでに予定納税や源泉徴収などで納税していた額と、確定申告によって確定した納税額に差が生じたときに返還される差額のことです。全員が必ずしも還付金が受け取れるわけではありません。

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医療費控除額・還付金額を所得額別にシミュレーション

医療費控除額や還付金額は、所得金額によって異なります。以下は、所得金額別のシミュレーションです。

なお、計算にあたっては、保険金などで補てんされる金額はないものとし、総所得金額等と課税所得金額が同一であると仮定しています。

また、医療費控除以外の控除や給付金などは考慮しておらず、実際の金額は個人ごとに異なるため、目安としてご確認ください。

総所得金額等が150万円の医療費控除額と還付金額(減税額)

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1年間に支払った医療費 医療費控除額 還付金額
10万円 25,000円 1,250円
15万円 75,000円 3,750円
20万円 125,000円 6,250円

医療費控除額の計算

この場合、総所得金額等が200万円未満のため、医療費控除額は以下の計算式で算出します。

1年間に支払った医療費 - (150万円 × 5%) = 医療費控除額*
*保険金などで補てんされる金額はないものとする

つまり、150万円の5%である7万5,000円を支払った医療費から差し引くことになります。

還付金額(減税額)の計算

課税所得金額が150万円の場合の所得税率は5%です。還付金額(減税額)は以下の計算式で算出します。

医療費控除額 × 5%(課税所得が150万円の所得税率)= 還付金額(減税額)

総所得金額等が300万円の医療費控除額と還付金額(減税額)

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1年間に支払った医療費 医療費控除額 還付金額
10万円 0円 0円
15万円 50,000円 5,000円
20万円 100,000円 10,000円

医療費控除額の計算

この場合、総所得金額等が200万円以上のため、医療費控除額は以下の計算式で算出します。

1年間に支払った医療費 - 10万円 = 医療費控除額*
*保険金などで補てんされる金額はないものとする

還付金額(減税額)の計算

課税所得金額が300万円の場合の所得税率は10%です。還付金額(減税額)は以下の計算式で算出します。

医療費控除額 × 10%(課税所得が300万円の所得税率)= 還付金額(減税額)

医療費控除を受けると住民税も軽減される

医療費控除は、所得税だけでなく住民税にも適用される所得控除です。確定申告で医療費控除を受けると、所得税の負担が軽くなるだけでなく、翌年度の住民税も軽減されます。

住民税(所得割)の税率は原則として一律10%のため、軽減される住民税額は「医療費控除額 × 10%」程度が目安です。住民税は前年の所得をもとに翌年度分が計算されるため、所得税のような還付ではなく、翌年度に納める住民税額が少なくなる形で反映されます。

また、所得税の確定申告で医療費控除を申告した場合、確定申告書のデータが税務署から市区町村へ送信されるため、住民税について別途申告する必要は原則ありません。

出典:総務省「個人住民税」
出典:国税庁「【所得税及び復興特別所得税の申告等】」

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医療費控除の確定申告の流れ

医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。準備から申告までの主な流れは以下のとおりです。

医療費控除の確定申告の流れ

まずは、1年間に支払った医療費のうち、医療費控除の対象となる費用を確認します。その後、医療費控除額を計算し、確定申告書と医療費控除の明細書を作成して申告します。

医療費控除の確定申告に必要な書類

確定申告で医療費控除を受ける際に必要な書類は、申告方法によって異なります。主な書類・資料は以下のとおりです。

医療費控除の確定申告に必要な書類

  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書
  • 本人確認書類(書面で提出する場合)
  • 医療費通知や領収書など、医療費控除の明細書を作成するための資料

なお、医療費の領収書は原則として提出不要です。ただし、医療費通知を添付した分などを除き、確定申告期限等から5年間保管する必要があります。

医療費控除を受けるための確定申告方法や書類の書き方については、別記事「医療費控除でいくら戻る?確定申告のやり方や必要書類の書き方まで詳しく解説」で詳しく解説しています。

医療費控除とは別物!セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは、医療費控除の特例に該当する制度で、主に以下の要件を満たす場合に適用できます。

セルフメディケーション税制の利用要件(以下を満たす場合)

  • その年に、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った対象医薬品の購入額が1万2,000円を超えている
  • 納税者本人が、予防接種や健康診断の受診など、健康の保持増進および疾病の予防に関する一定の取り組みを行っている

出典:厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」​

なお、対象医薬品を購入した際の領収書や、一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類は、確定申告期限等から5年間保管する必要があります。

セルフメディケーション税制の場合は、対象医薬品の購入額が1万2,000円を超えた場合に、その超えた金額が控除されます。たとえば、特定の医薬品を1年間で2万円購入した場合は、差額の8,000円が控除額です。

セルフメディケーション税制の対象となる特定の医薬品とは、医師によって処方される医療用医薬品からドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用されたスイッチOTC医薬品などを指します。

具体的には、一部の対象医薬品に記されている以下のマークのほか、購入時のレシートに記載された対象商品である旨の表示や、厚生労働省ホームページ「セルフメディケーション税制対象品目一覧」で確認できます。

セルフメディケーション税制

なお、セルフメディケーション税制は医療費控除の特例として設けられている制度であり、通常の医療費控除と併用することはできません。

出典:国税庁「No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】」
出典:国税庁「No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用」

医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらを選ぶ?

医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、確定申告の際にどちらか一方を選んで適用します。両制度の主な違いは以下のとおりです。

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医療費控除 セルフメディケーション税制
適用条件 1年間に支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を差し引いた額が10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を超えること ・対象医薬品の購入額が1年間で1万2,000円を超えること
・健康診断や予防接種など一定の取り組みを行っていること
対象となる費用 治療を目的とした医療費全般(診療費・入院費・医薬品の購入費など) スイッチOTC医薬品など特定の医薬品の購入費
控除額の上限 200万円 8万8,000円

出典:厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」

両方の条件を満たす場合は、それぞれの控除額を試算し、控除額が大きくなるほうを選んで申告すると節税効果を高められます。

まとめ

医療費控除を受けることで納税額を減らすことができます。医療費控除は年末調整の対象外になるため、会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者でも自身で確定申告を行う必要があります。

また、医療費控除の対象となるのは、診療・治療のために支払った医療費などです。美容や健康増進を目的とした費用は、原則として対象外となります。

医療費控除を受ける際は、対象となる費用や計算方法を正しく理解して、適切に確定申告を行いましょう。

参考文献

▶︎国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

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よくある質問

監修

安田 亮

安田 亮

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

安田亮 公認会計士・税理士事務所
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大柴 良史

大柴 良史

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

アベリア人事労務コンサルティング
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