事業部門と管理部門両輪で進む企業を目指して。
2017年7月上場のソウルドアウトが、上場半年前に会計ソフトを変更した理由 ソウルドアウト株式会社(http://www.sold-out.co.jp/)

  • WEBマーケティング支援
  • 100名
  • 会計freeeエンタープライズプラン

日本全国の中小・ベンチャー企業が抱えるさまざまな課題の解決を目指すWebマーケティング支援企業、ソウルドアウト株式会社様。2009年の設立以降、各都市3,000社以上の支援実績を誇り、日本全国の中小・ベンチャー企業のネットビジネスの成功に貢献しています。

2017年7月12日、同社は上場を果たしました。上場準備の際、利用したのはクラウド会計ソフトfreee。さらなる効率改善を目指す同社の管理部門執行役員・長澤一雅氏、コーポレート・コミュニケーション本部経理部長・高橋興司氏、コーポレート・コミュニケーション本部IT部門部長・岡村悠久氏、そして代表取締役社長・荻原猛氏、取締役CFO・池村公男氏にfreeeの導入に至った経緯やその利便性についてお話を伺いました。

設立の経緯や御社サービスへの想いを教えてください

Webマーケティングで日本全国の中小・ベンチャー企業の課題を解決

荻原 猛 氏
ソウルドアウト株式会社 代表取締役社長
池村 公男 氏
ソウルドアウト株式会社 取締役CFO
荻原氏:弊社は「マーケティング」を切り口に、中小・ベンチャー企業の皆さんのネットビジネスを支援する会社です。「成長を志す中小・ベンチャー企業の潜在能力を引き出し、地方発全国・日本発世界の発展を実現させる事」を使命に掲げ、さまざまな取り組みを行っています。成長意志がポイントです。ただ意欲があり、せっかく良いモノを作っても、消費者に欲しいと思って貰えなければモノは売れません。そこで必要になるのがマーケティングの技術です。加えて、我々はコストが安く、リアルタイムで世界へリーチできるデジタル領域をマーケティングの中心に据え、展開していきます。

池村氏:具体的にはGoogleやYahoo!のリスティング広告など、Webマーケティングサービスを地方の中小・ベンチャー企業に提供しています。収益を上げ、自社でWebマーケティングを行うフェイズに移行した際には、Webマーケティングのインハウス化教育等の支援も行います。また、グループ会社である人材派遣会社グロウスギアにてWebマーケティングの人材支援も行なっており、「人とモノ」両面で支援しています。

荻原氏:テクノロジーの発展により大企業だけでなく、中小企業や個人事業主の方もマーケティングを実践できる世の中になりました。ターゲティングの精度は増し、ソーシャルメディアや検索広告は低価格で実施できます。いわゆる「マーケティングの民主化」だと思っています。そうした意味で、テクノロジーの恩恵は中小企業が最も受けるのではないか、と考えています。Webマーケティングを発展させ、一社でも多くの企業のお手伝いができれば幸いです。

顧客にメリットを享受してもらうことが第一。収益はあとから上がれば良い

長澤 一雅 氏
ソウルドアウト株式会社 管理部門執行役員
長澤氏:弊社は全国21拠点に営業所を構えており、対面でアドバイスを行うことができるのがメリット。地方と首都圏では想像以上に情報格差があります。地方の中小企業ではクラウドで会計システムが使えることなどビジネスにITを活用できることがあまり知られていないばかりか、会社のホームページすらないケースも少なくありません。まずは収益アップやコスト削減など、インターネットを活用するメリットを知っていただきたいです。

池村氏:ECで買い物する前に配送料金やレビューを確認する人が多いように、人間は安心しないと発注しないもの。ネットを知らないからこそ、対面式でタッチポイントを増やし安心感を提供することが大切です。

一般に、地方の優秀な人材が力を発揮するためには地方ではなく、東京に出なくてはならない状況です。自分が生まれ育ったエリアで働くことが格好良いと思える世の中にしなければと私たちは考えています。全ての都道府県に優れた企業があリます。仲間や家族と同じ地元エリアで働き、高収入を得られ、社会に素晴らしい価値を提供できる、そんな世界を作れたらいいね、と社内で話しています。

荻原氏:弊社の社是として「先義後利(せんぎこうり)」つまり、先ずは義あり、後に利あり、を掲げています。まずは、お客様にメリットを享受していただくことが最初のステップ。それが成し遂げられれば、結果として収益は必ずあとからついてくる、という意味です。お客様企業が成長するに従い、自社の収益も上がっていくビジネスイメージのもと、地方の中小企業で眠っている潜在能力の高いサービスを見つけて、顧客の事業拡大を支援します。ともに成長していくことが弊社のミッションです。

そうした企業ビジョンは私個人の体験が元になっています。店舗デザインや什器を販売する会社を起業した際にWebマーケティングの必要性を痛感しました。その経験を踏まえ株式会社オプトで10年間働き、デジタルマーケティングの最前縁に立ち、執行役員を務めた後、2009年にソウルドアウトを立ち上げ現在に至ります。

池村氏:私もオプトで営業部長やM&A等を務めていたのですが、荻原の理念に共感をしソウルドアウトに入社しました。もともと「先義後利」はオプトで掲げていた理念。独立、上場した現在でも引き継ぎ大切にしています。

岡村 悠久 氏
ソウルドアウト株式会社
コーポレート・コミュニケーション本部 IT推進部 部長
岡村氏:ソウルドアウトのIT部門は他の情報システム部署と異なり、社内のパソコンのメンテナンスや機材購入のような定型業務以外に社内ツール製作などの業務も手がけています。

管理部門を管轄している池村からは「もっとキラキラ、ワクワクしたようなITをやってくれ」と言われているのですが、そうした言葉に表されるようなクリエイティビティ溢れるメンバーが集まっており、率先して営業や経理など社内部署での困りごとをITで解決しています。たとえば画像がフォルダにたまって、どんどんフォルダが深くなり、探し出すのが困難になった事案には、データベースで写真をプレビューし、タグ付けする仕組みを作り画像が取り出せるようにしました。社内で使ってみて便利であれば、将来的に取引先の顧客に紹介するようなことも考えています。

中小企業の方々をITの力でサポートする。新しいツールの導入を盛んに進める弊社がfreeeを導入したのは自然な流れだったかもしれません。

freee導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい

地方企業や中小・ベンチャーが格好良く活躍できる社会に。
同じ志を持ったfreeeに共感

荻原氏:弊社は大企業よりベンチャー企業のサービスを活用することに決めています。「ベンチャーtoベンチャー(V to V)」と弊社では呼んでいます。「スモールビジネスが格好良く活躍できる社会に」というfreeeさんの理念が弊社と近しいこともあり、逆にfreeeさんを利用しない理由がありません。私たちは、ベンチャー企業から受注を受け、ベンチャー企業に発注することでお金を回し、大きなベンチャー経済圏をつくっていきたいと考えています。

大手会計システムからの切り替え

高橋 興司 氏
ソウルドアウト株式会社
コーポレート・コミュニケーション本部 経理部 部長
高橋氏:freeeを正式に導入したのは2017年1月。上場の半年前でした。導入前は、親会社が使用する大手会計システムを使っていました。上場を目指す上で、自社内に管理部門を独立して持つ必要があったからです。

2016年の4月、まずはじめに経理部門を立ち上げたのは良いものの、頭を悩まされたのは会計システムの問題。システムの運用についても独立性を求められました。大手会計ソフトからの切り替えを検討し始め、クラウド型会計システムの利便性と低コストな面に着目しました。クラウドであれば見えない部分の負担が軽減され、“キラキラした仕事” に注力できます。

また、freeeはクラウド会計ソフトでコストが安い。新しい技術に挑戦する弊社の理念とも合致する部分がありました。中小企業向けのサービスのため、上場準備中だった弊社業務に足りない機能や使いにくい面があったのは事実ですが、そうした不安点をfreee側にお話をしたところ、積極的に改良してもらえました。

24時間、365日止まらないクラウド会計ソフトで業務がスムーズに

池村氏:freee導入は弊社が新しい事例を作るためのチャレンジでした。例えば経理はトランザクションをまとめるだけの業務が大半を占めます。効率化を図るため、そうしたバックオフィス業務は可能な限りIT化したいと考えています。こうしたバックオフィス効率化のノウハウを積み上げ、後々サポートしている顧客企業に提供することも視野に入れています。

長澤氏:導入後、コストが下がっただけでなく、スタンドアローン型の会計ソフトと比べて、業務がスムーズになりました。

通常、改善要望を出すと半日~1日ほどシステムが停止し作業が止まり、スケジュールのやりくりに困ることが多いもの。freeeはシステムを止めずに改善要望が反映される点が大きなメリットだと感じています。24時間、365日システムが止まらず、業務が滞りません。

また、大企業向けのパッケージは多機能ですが、全ての機能を使うわけではないので「宝の持ち腐れ」状態になってしまいがち。freeeの機能はごくシンプルです。弊社の経理部メンバーには、経理歴が浅い、若いメンバーも多いのですが、彼らからは「画面が見やすく、わかりやすい」といった声があがっています。

今後の展望について教えて下さい

freeeで経営陣や現場マネージャーへの報告をよりスピーディーに

高橋氏:導入後、さまざまなメリットが生まれました。今までたくさん保持していただけだった会計情報のうち、実際には使っていない情報を切り離し、最低限の労力で業務を行えるようになりました。freeeで空いた時間を使って業務フロー改善に注力できるようになったのを機に、さらなる効率化を図っていきたいです。

これからは、これまで使用していた会計システム単体ではできなかった期間比較分析や経費精算など、freeeならではの便利な機能をもう少し使いこなしていきたいです。

また、経理が渡したデータを元に経営企画部門が部門ごとの売上情報をレポートにまとめるという工程がどこの会社にもあります。freeeは部門情報やプロダクト情報などを後から追加登録できますので、作業量が削減でき、経営陣や現場マネージャーへの報告がよりスピーディーになります。たとえば、現場マネージャー用にアカウントを発行して、当月の自部門の成績を各マネージャーが閲覧できるようにしていくと、社員の財務会計リテラシーも上がっていくのではないでしょうか。

長澤氏:私が最近注目しているのは、RPA(Robotic Process Automation、ロボットによる業務自動化)。弊社でもロボットを使ってプロセスを自動化するツールを作っています。人の手を使って行わなくても良い作業を割愛し、工数を減らせます。そういう機能をfreeeの中にどんどん取り込んでもらえれば、さらに便利になると思っています。また管理会計で必要な属性を後付けできるfreeeのメリットを活かし、よりわかりやすい管理会計のシステムを作っていきたいです。

バックオフィスを強化し、事業部門と管理部門両輪で進む企業を目指す

荻原氏:日本は高齢化が進み、労働人口が減少するなか、最新ITテクノロジーを駆使し、生産性をいかに上げていくのか、そこに向き合うことが重要です。そうして一人当たりの生産性を向上させ、付加価値を生んでいく。経営観点で考えると、事業部門と管理部門のバランスが悪く、偏ってしまうと企業は前に進まないと思っています。そのため、弊社では事業部門と管理部門の両輪を強化して、進んでいきたいと考えています。

池村氏:たとえば営業担当者が100件受注してきても、法務部門が1ヶ月で30社程度しか契約書を処理できなければ、売上は100ではなく30になってしまいます。営業が強くてもバックオフィスが弱いと事業はうまくいきません。

事業部門は売上の数字を追うため、リスクを背負いがち。ですが、事業部だけで判断させるとリスクがどんどん肥大しますので、管理部門を巻き込んで適正なリスクとリターンをジャッジすることが大切。freeeをうまく活用することでバックオフィスを強化し、事業部門と管理部門の意識をすり合わせていきたいです。

荻原氏:上場した事により、企業の社会的責任の重要度は増していくと思います。そのため、全ステークホルダーの満足度の総和を最大化する経営を心掛けていきたいと考えています。事業を通じて、社会を豊かにする志が大切です。投資家のみなさんにも、応援してよかったと思ってもらえるよう、バックオフィスをはじめとした企業の根元を固め、企業価値を高めていこうと考えています。

【取材情報】 協力 : ソウルドアウト株式会社

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