マーケティングパートナープラットフォーム「ボクシル」を運営するスマートキャンプ株式会社様は、2014年6月に創業して現在4期目。主にBtoB営業マーケティング領域において、業務効率化のためのサービスを展開するスタートアップです。
「マーケティングテクノロジーで職場の非効率をなくす」をミッションに掲げる同社。サービス同様、自社のバックオフィス業務も効率化すべく、2014年8月にfreeeを導入。一層の業務効率化を目指す同社の峰島侑也氏に、freee導入の経緯やその利便性を伺います。
設立の経緯や御社サービスへの想いを教えてください
「マーケティングテクノロジーで職場の非効率をなくす」をミッションに掲げ、2014年に創業
峰島 侑也 氏
スマートキャンプ株式会社 取締役CFO
新卒で投資銀行へ。大企業の資金調達及びM&Aを担当。退社後、GREE
Venturesへ入社。ベンチャーキャピタリストとしてスマートキャンプ株式会社の支援を行っていたが、2017年1月より出向し同社の資金調達に寄与、2017年5月より正式に参画。現在経営企画とバックオフィス全般の業務を担う。
2014年に創業した当社は、BtoB領域でクラウドサービスをはじめとするテクノロジーの普及支援を行い、営業・マーケティング分野の業務効率化をお手伝いしています。
昨今、企業の生産性を向上させるクラウドサービスは数多くあるものの、サービスの種類が多かったり情報が限られていることから、サービスの導入したいユーザーにとっては選びにくく比較検討しにくいのが現状です。一方、クラウドサービスを提供する企業の多くでは、飛び込み営業やテレアポ、メールアポといった営業活動がいまだに主流で、効率的な顧客獲得ができていません。そこで、サービスを導入したいユーザーと顧客を獲得したい企業の間に立ち、適切なマッチングを実現するのが当社が運営するサービス「ボクシル」です。
Googleに相通じるスマートキャンプのコンセプト
もともと私は投資銀行で資金調達やM&Aを手がけていましたが、資金やヒトといったリソースに恵まれる大企業相手のプロジェクトは、自分がいなくても回っていく感じがしてしまうことから、リソースが不足しているベンチャー企業に力を注ぎ込むことの方が有意義だと感じるようになり、ベンチャーキャピタルに転職しました。転職後、ベンチャーキャピタリストとして初めて担当したのがスマートキャンプです。
スマートキャンプは結束力が高く、ヒエラルキーのないリベラルな社風。VCの業務を通じてそんなところに惹かれていました。ベンチャーキャピタリストとして100社以上の組織を見てきましたが、スマートキャンプは特にビジョンや環境が優れていると感じ、2017年5月に正式なメンバーとしてジョイン。現在は経営企画とバックオフィス業務を担っています。
私たちは「Small Company, Big
Business.」というビジョンのもと、少人数でも世の中に大きなインパクトを与えたいと考えています。私が惹かれたのもそういう点です。スマートキャンプのサービスは「ユーザーにとって最適なサービスが見つかるマッチングプラットフォーム」というごくシンプルなものですが、ユーザーにとって最適な情報が見つかるプラットフォームを築き上げることで成功したGoogleに相通じる可能性を、ボクシルには感じています。
freee導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい
その場しのぎではない仕組み化のために、業務にかける人的コストを最少化し、企業価値を上げる活動にフォーカス
私の考える理想のバックオフィスとは、少人数でも残業なしで回すことができる効率化されたオフィスです。
営業部門の社員は、短期的な売上を上げることで組織に貢献しますが、一方で管理部門が持たなければならないのは長期的な視野。会社の成長を可視化し、リソースを最適配分できる体制を整え、企業価値を上げる経営を手助けすることが大切です。そのためにはサステイナブルなシステムを構築することが必要不可欠。
少人数で管理業務を遂行しようとすると、長時間労働に陥りがちです。確かに月末や月初に残業すれば一時的には業務を完遂できるかもしれませんが、そのがんばりは10年、20年と長期に渡り、継続的に続けられることではありません。その場しのぎではなく仕組みを変えることで、根本の問題を解決しなければいけません。
私たちはツールやサービスを導入し、より本質的なところに時間を使いたいと考えています。freeeを導入したのはそういった経緯からです。領収書処理や売掛債権の管理といった本質的ではない業務にかける人的コストを最小化し、長期的な視点で企業価値を上げるクリエイティブな業務にフォーカスしたいと考えています。
freeeで現金経費精算を口座振込にすることで効率化
「Small Company, Big
Business.」を理念に掲げるスマートキャンプと、freeeのようなクラウドサービスは文化的にマッチする部分が大きいと感じています。私がジョインする以前からスマートキャンプではfreeeを利用していましたが、すべての経理業務を外部の税理士や社労士に業務委託していたんです。バックオフィスに専任スタッフがいないどころか、管理機能すら会社の中に存在していなかったため、freeeをフル活用しているとは言えませんでした。
私がジョインした後、会計数値を「見える化」することをまず目標に据えました。その目的のため着手したことの一つが、経費精算のフローを整えることです。それまで領収書と引き換えに現金を手渡ししていましたが、金庫を開けて行う毎日の現金確認と受領した領収書を会計士に共有する手間が発生します。そこでfreeeの経費精算を使って給料入金時に口座振込にすることで、これらの手間を全て解消しました。「財布が重くならなくて便利」と社員にも好評でした。
今後の展望について教えて下さい
少人数で上場を目指すため。バックオフィスのあるべき姿とは
当社は現在、上場を目指しています。現在20人強の組織がこれから上場を目指すにあたり、他社サービスへの切り替えも検討したのですが、結局freeeを選びました。その理由はコストの安さに加え、チャットサービスで答えてくれる安心感、そして今後さらに機能改良される期待があったからです。「ボクシル」は成果報酬制ですので、顧客への請求額が月によって異なります。計算した金額をfreeeに入力すると、請求書を自動作成・発送してくれる機能があったらいいなと考えているのですが、freeeはそうしたニーズを理解してくれています。
freeeのエンタープライズ版を使っているのですが、会計作業が圧縮された実感があります。私は経営企画とバックオフィスの業務を行っていますが、freeeをフル活用するようになってから経理業務に割く時間はそれまでの半分程度になりました。新たに生まれた時間を今後の商品設計や機能改善案など、クリエイティブな作業や考えるための時間に使えており、大変助かっています。
経営者が管理部門を作り込んではいけない。ミッションを考える自立した管理部門へ
私どものように小さな会社ですと、管理業務も全て自分でフロー化・マニュアル化したがる経営者はいます。しかし、極論すると「経営者がしっかりしている会社」はダメになりがちだと感じます。
これは私がベンチャーキャピタルにいたからこそ思うのですが、100社ほどの会社を見てきて、経営者が記帳面で真面目であるほど、管理部門をしっかり作り込もうとする傾向があることに気付きました。
すると不思議なことに管理部門の方は、「単純な業務こそ、自分たちの業務なんだ」と思ってしまうんです。領収書の管理や入金消し込みが自分のミッションだと信じ込みながらモチベーションを高く保てる人はいないはずです。
本来、管理部門の理想像は単純業務を粛々とこなすことではありません。会社の数値を可視化して経営者の意思決定に貢献したり、ときには自ら経営に対する提案を行うことで企業価値のより長期的なところにコミットするというのが、自立した管理部門が生み出せる本質的な価値だと考えています。今後はさらにfreeeを使いこなして効率化を図り、より本質的な価値を管理部門からも生み出していきたいと考えています。
【取材情報】 協力 : スマートキャンプ株式会社