民泊の基礎知識

特区民泊とは?基礎知識から必要な要件、メリット・デメリットまで

民泊新法の施行により、旅館業法、民泊新法、特区民泊のいずれかでの民泊営業が可能になりました。どの形態で行うのがいいのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、特区民泊に焦点を当て、その概要、メリット・デメリット、認定要件についてご紹介します。

特区民泊とは?基礎知識から必要な要件、メリット・デメリットまで

特区民泊とは?

特区民泊について考える前に、そもそも「民泊」とは何なのかについて解説します。
民泊とは、個人が自宅の一室などを旅行者に有償で貸し、宿泊場所を提供することです。

しかし日本の旅館業法では、有料で民泊業を行うためには許可が必要です。
対象となる建物も、ホテルや旅館などに限定されており、一般家庭が「民泊」の許可を得るのは大変ハードルが高いことでした。その結果、無許可での民泊が横行。そこで政府は2013年、「国家戦略特区」に限り旅館業法の規制を緩和する政令を施行したのです。これがいわゆる特区民泊です。

正式名称は「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」。少し硬い言葉で言うと、「国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した民泊」を指します。

特区民泊の対象地域「国家戦略特別区域」とは?

国家戦略特別区域とは、地域振興と国際競争力の向上を狙った経済特区のことです。民泊に限らず、エリア内では従来の規制を大幅に緩和することが認められています。

参考:首相官邸ホームページ 国家戦略特区

2013年6月に特区の創設が閣議決定され、同年12月に国家戦略特別区域法が成立。2017年9月時点で、下記の地域が国家戦略特区に指定されています。

【国家戦略特区の一覧】
東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市、千葉県千葉市)
関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)
新潟県新潟市
兵庫県養父市
福岡県福岡市
福岡県北九州市
沖縄県
秋田県仙北市
宮城県仙台市
愛知県
広島県
愛媛県今治市

参照:内閣府 国家戦略特区

特区民泊では、内閣総理大臣および都道府県知事から「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」についての認定を受けることで、旅館業法の規定が適用されないというルールになっています。国家戦略特区に指定されている自治体は、自ら条例を定めることで「特区民泊」を行うことができるのです。
ただし、国家戦略特区の全てで「特区民泊」ができるわけではありません。あくまで条例を定めた自治体だけ、という点には注意が必要です。

特区民泊が可能な自治体

特区民泊は、2016年1月に全国で初めて東京都大田区が取組みを開始しました。大田区は羽田空港から近く、東京・神奈川の主要観光地への良いため人気の地域。特区民泊の先駆けであるだけではなく、2017年12月には全国で初めて民泊の規制条例も成立しました。

大田区だけではなく、現在では、大阪府、大阪市、北九州市、新潟市でも取組みが開始され、各方面からの関心が高まっています。

参照:大田区における国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)
参照:大阪府 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する情報提供
参照:大阪市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区)
参照:北九州市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)について
参照:新潟市特区民泊事業を開始しました!

民泊新法と特区民泊

特区民泊は定められた地域でしか活用できない制度ですが、2018年からは民泊新法によって、より民泊が始めやすくなります。

民泊新法とは、2018年6月15日に施行予定の法律。正式名称は「住宅宿泊事業法」です。
民泊新法で定義される民泊は、従来の旅館業法や特区民泊にあてはまらない新しい営業形態の民泊です。

この新法ができることで、

  • 新法の民泊
  • 旅館業法の民泊
  • 民泊条例の特区民泊

上記の3種類の民泊営業が可能になります。


【 民泊新法と旅館業法、特区民泊 】

旅館業法
(簡易宿所)
特区民泊 民泊新法
(家主居住)
民泊新法
(家主不在)
申告方法 都道府県に申請 都道府県に申請 都道府県に届出を提出
営業上限 なし なし 180日
宿泊日数制限 なし 2泊3日以上
(※大田区は6泊7日以上)
なし
火災報知器 必要 必要 必要(民泊部分の面積が小さい場合は緩和) 必要
宿泊者数 制限なし 制限なし 制限なし 制限なし
苦情受付 事業者 事業者 家主 管理者
フロント設置 努力義務あり 不要 不要(宿泊者名簿の作成・保存ができれば物理的な設置は求められない)
宿泊施設 ホテル、旅館、簡易宿所
(民泊)
自治体の条例に従う 住宅
(家主居住)
住宅
(家主不在)

特区民泊のメリットとデメリット

上記の表を参考に、特区民泊のメリット、デメリットについて考えていきましょう。

申告方法に関して

旅館業法は都道府県に申請し「許可」を受ける必要があり、特区民泊は「認定」を受ける必要があります。それに対して民泊新法では届出を出すだけでOKです。

営業日数の制限に関して

民泊新法は営業日数に180日の制限があります。1年のうち半分しか稼働できないため、民泊専業用に不動産を購入して運用する方法は厳しい、との意見もあります。これに対して、特区民泊と旅館業法では営業日数に上限がありません。

特区民泊の主な認定要件

特区民泊の認定を受けるための主な要件としては、下記が挙げられます。

【対象施設】

  • 宿泊施設が特区民泊が可能な地域(国家戦略特別区域)内にあること
  • 一居室の床面積が25㎡以上であること
  • 客室に専用の出入り口、台所、浴室、トイレ、洗面所があること

【宿泊期間】

  • 宿泊施設の滞在期間が2泊3日以上であること

【民泊事業者の責務】

  • 外国人旅客の滞在に必要な情報提供(施設の使用、緊急時の情報など)
  • 滞在者名簿の備え付け
  • 施設周辺地域の住民に対する適切な説明
  • 施設周辺地域の住民からの苦情および問合せへの対応
  • 騒音などを起こさないこと

上記以外にも衛生設備や消防設備などに関する様々な要件がありますが、詳細は各自治体に確認の必要があります。なお、認定要件を満たすことができれば、特区民泊は分譲マンションの一室で運営することも可能です。ただし、マンションの規約でそもそも民泊が禁止されていることもありますので、必ず確認を行いましょう。

民泊開業の届けを提出しよう

民泊を始めるためには、まず行政への申請や届出が必要です。また、民泊を個人事業として行う場合は税務署に開業届を提出する必要があります。

あわせて、毎年3月15日までに提出が義務付けられている確定申告の準備を始める必要もあります。
確定申告には、青色と白色の2種類があり、「青色申告は難しい」と敬遠されがちですが、会計ソフトを使用すれば、実は労力はほぼ変わりません。このため、節税効果が高い青色申告を選択することをおすすめします。
開業届の提出時に青色申告承認申請書も一緒に提出すると、スムーズにその後の確定申告が進みます。

「提出しなければいけない届け出がたくさんある…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。そんな方にオススメしたいのが、民泊開業freeeです。

民泊開業freeeとは、会計ソフトのfreeeが提供するサービスの一つで、民泊の開業に必要な書類を無料で一括作成することができます。

image1 ステップは全部で4つ。質問に答えて「保存」ボタンを押すだけ


image2 項目になんと入れたらいいかわからない方のために、
「?」マークがついておりカーソルをあてると説明が出てきます。


image3 三番目のステップ「民泊」のページでは、民泊を始めるための
方法を詳しく解説。難易度についても説明しています。
オススメは「民泊新法」に則ってスタートする方法です。


image9 民泊新法で始める場合の詳しい手続きについても解説。
「何を提出すればいいかわからない!」となりがちな必要書類に関しても、一覧でご説明しています。また別途専門家に相談することもできます。


image11 届け出を提出するためには、観光庁が運営する民泊制度運営システムへの登録が必須。
どうやって登録したらいいのかに関しても詳しくご説明しています。


image12 自治体の窓口確認もボタンを押すだけで簡単にできます。
最後は、開業に必要な書類を無料でダウンロード。郵送するだけで完了!

まとめ

外国人観光客や社会問題を背景に注目を集める民泊。しかし、営業許可を得てサービス開始するまでには様々な準備が必要そうです。
今回の記事を参考に、スムーズに民泊の開業準備をすすめていただけますと幸いです。

民泊開業 freee

必要最小限の簡単な質問に答えるだけで 個人事業主の民泊開業に必要な手続きが完了します。

バックオフィス基礎知識