民泊の基礎知識

必読!違法民泊にならないために知っておくべきこと

個人が自宅の一室などを旅行者に有償で貸し、宿泊場所を提供する民泊。Airbnb(エアビーアンドビー)の普及や訪日外国人の増加に伴い、日本でも爆発的に営業者が増えました。しかし一方で違法民泊も横行。

今回の記事では、どういった民泊が違法で、そうならないために必見の情報をお届けします。

必読!違法民泊にならないために知っておくべきこと

違法民泊とは?

違法民泊にならないためには「旅館業法」に基づく許可、「特区民泊」に基づく認定、2018年6月に施行予定の民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づく届出申請のいずれかが必要です。

この3つのいずれかがなければ無許可……つまり違法で民泊を行なっていることになります。

ちなみに、厚生労働省が2016年10〜12月で実施した「全国民泊実態調査」では、全国15,127 件の民泊物件のうち、合法民泊は2,505件(16.5%)のみでした。

違法民泊が増えた理由とは?

「観光先進国」を目指す日本政府は、2016年3月に「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、2020年に訪日外国人旅行者数4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円を目指しています。

この施策を受け、日本を訪れる外国人観光客は近年右肩上がりで増えています。日本政府観光局(JNTO)の発表統計によると、2011年に約621万人だった訪日外国人は2016年に2400万人を突破。2015年からは年間400万人ずつ増加しています。

しかし、その増加に日本の宿泊施設の数が追いつかない問題が発生しました。外国人旅行者が宿泊施設を探すのも一苦労だったようです。そこに世界的なAirbnb(エアビーアンドビー)のブームが加わりました。
手軽に空き部屋やマンションをインターネット上で掲載でき、需要もあったため、規制や法律ができる前に民泊ブームが起こったのです。

違法民泊と法整備の流れ

これまで日本の旅館業法では、有料で民泊業を行うためには許可が必要でした。
対象となる建物もホテルや旅館などに限定されており、一般家庭が「民泊」の許可を得るのは大変ハードルが高いことでした。しかし、違法民泊の増加を受け、政府は2013年に「国家戦略特区」に限り旅館業法の規制を緩和する政令を施行。これは特区民泊と呼ばれています。

2013年6月に特区の創設が閣議決定され、同年12月に国家戦略特別区域法が成立。2017年9月時点で、下記の地域が国家戦略特区に指定されています。

【国家戦略特区の一覧】
東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市、千葉県千葉市)
関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)
新潟県新潟市
兵庫県養父市
福岡県福岡市
福岡県北九州市
沖縄県
秋田県仙北市
宮城県仙台市
愛知県
広島県
愛媛県今治市

参照:内閣府 国家戦略特区

2016年1月に全国で初めて東京都大田区が取組みを開始。現在では、大阪府、大阪市、北九州市、新潟市でも取組みが開始されています。

そして2018年からは民泊新法によって、より民泊が始めやすくなります。

民泊新法とは、2018年6月15日に施行予定の法律。正式名称は「住宅宿泊事業法」です。
この新法ができたことで、

  • 新法の民泊
  • 旅館業法の民泊
  • 民泊条例の特区民泊

上記の3種類の民泊営業が可能になります。

違法民泊を行った場合の罰金・罰則は?

民泊営業を許可無しで行った場合、違法となります。6ヶ月以下の懲役または三万円以下の罰金が課されます。(※2018年6月15日以降、百万円に引き上げ

参考:総務省行政管理局 電子政府の総合窓口(e-Gov)「旅館業法 第十条

なお、違法民泊に対するニュースには、下記のようなものがあります。

  • 大阪市のホスト3人(女・夫婦)を旅館業法違反の疑いで書類送検。無許可営業で、それまでに売上1,200万円(2016年4月)
  • 東京都台東区内のマンションに外国人観光客4人を宿泊させたとして、無許可営業の疑いで男女6人を書類送検(2016年7月)

京都市では2016年7月より「民泊通報・相談窓口」を設置、午前10時~午後5時の間、無休で通報・相談を受け付けています。

違法民泊にならない3つの方法

合法的に民泊を営業するためには、3つの選択肢があります。民泊営業をご検討の方は、必ずチェックしておきましょう。

旅館業法の「簡易宿所」として営業する方法

前述したように、特区民泊の制度ができるまでは、旅館業法に則り「簡易宿所」として営業する方法しか民泊営業の道はありませんでした。
しかし、この簡易宿所としての許可取得は、コストと手間がかかり非常にハードルが高いといっても過言ではありません。

厚生労働省が提供する「民泊サービスを始める皆様へ ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~」によると、簡易宿所営業の許可を取得するためには、下記の基準を満たす必要があります。

客室の延床面積は33平方メートル(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること
階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること
適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
当該施設に近接して公衆浴場があるなど入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること
宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること
適当な数の便所を有すること
その他、都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること

民泊サービスを始める皆様へ ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~

また「建築基準法」と「消防法」に適合している必要もあります。非常用照明の設置、階段の寸法・廊下の幅に関する規定、消火器具の設置や火災報知機の設置、避難経路の確保などなど、細かいルールが存在し、全てクリアする必要があります。

自治体に事前相談を行い、上記の要件を満たした上で、申請を行います。その後、自治体の調査を経て許可が出た場合のみ、営業が可能です。外国人宿泊者とのトラブルなど住民への配慮から、各自治体が独自にルールを設置しているケースもありますので、必ずチェックしましょう。

特区民泊を活用した民泊営業

「特区民泊」とは、国が指定した国家戦略特別区域で民泊を運営する方法です。
都道府県知事、市長、区長などに認定してもらうことで「旅館業の許可」は必要ありません。国家戦略特別区域全てで認められているわけではなく、東京都大田区、大阪府、大阪市、北九州市、新潟市で運営が可能です。

特区民泊の認定を受けるための主な要件としては、下記が挙げられます。

対象施設

  • 宿泊施設が特区民泊が可能な地域(国家戦略特別区域)内にあること
  • 一居室の床面積が25㎡以上であること
  • 客室に専用の出入り口、台所、浴室、トイレ、洗面所があること

宿泊期間

  • 宿泊施設の滞在期間が2泊3日以上であること

民泊事業者の責務

  • 外国人旅客の滞在に必要な情報提供(施設の使用、緊急時の情報など)
  • 滞在者名簿の備え付け
  • 施設周辺地域の住民に対する適切な説明
  • 施設周辺地域の住民からの苦情および問合せへの対応
  • 騒音などを起こさないこと

上記以外にも衛生設備や消防設備などに関する様々な要件がありますが、詳細は各自治体に確認の必要があります。簡易宿所として許可を取るよりも条件は緩和されますが、営業可能地域が限られている点がネックでしょう。

民泊新法を活用した民泊

最後は2018年に施行予定の民泊新法です。これまでの旅館業法での民泊、特区民泊よりも規制が緩和され、参入しやすい点で注目を集めています。

具体的に、家主は都道府県知事への住宅宿泊事業届出書の提出が義務付けられています。届出の提出のみでOKで、立ち入り調査や許可取得は必要ありません。

なお、届出に記載する項目には、以下のものがあります。

(1) 商号、名称、または氏名および住所
(2) 法人である場合、役員の氏名
(3) 未成年である場合、法定代理人の氏名住所
(4) 住宅の所在地
(5) 営業所または事務所を設ける場合、その名称および住所
(6) 住宅の管理を委託する場合、住宅宿泊管理業者の商号、名称または氏名
(7) 住宅の図面

ホテルや旅館などではなく、完全に住宅を対象とした民泊である点も特徴です。ただ、参入しやすくなった一方で年間の営業日数の上限が180日など、制限がある点には注意が必要です。
また、家主が不在型の民泊に関しては、住宅宿泊管理業者への管理委託が必須です。

民泊開業の届けを提出しよう

民泊を始めるためには、まず行政への申請や届出が必要です。また、民泊を個人事業として行う場合は税務署に開業届を提出する必要があります。

あわせて、毎年3月15日までに提出が義務付けられている確定申告の準備を始める必要もあります。
確定申告には、青色と白色の2種類があり、「青色申告は難しい」と敬遠されがちですが、会計ソフトを使用すれば、実は労力はほぼ変わりません。このため、節税効果が高い青色申告を選択することをおすすめします。
開業届の提出時に青色申告承認申請書も一緒に提出すると、スムーズにその後の確定申告が進みます。

「提出しなければいけない届け出がたくさんある…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。そんな方にオススメしたいのが、民泊開業freeeです。

民泊開業freeeとは、会計ソフトのfreeeが提供するサービスの一つで、民泊の開業に必要な書類を無料で一括作成することができます。

image1 ステップは全部で4つ。質問に答えて「保存」ボタンを押すだけ


image2 項目になんと入れたらいいかわからない方のために、
「?」マークがついておりカーソルをあてると説明が出てきます。


image3 三番目のステップ「民泊」のページでは、民泊を始めるための
方法を詳しく解説。難易度についても説明しています。
オススメは「民泊新法」に則ってスタートする方法です。


image9 民泊新法で始める場合の詳しい手続きについても解説。
「何を提出すればいいかわからない!」となりがちな必要書類に関しても、一覧でご説明しています。また別途専門家に相談することもできます。


image11 届け出を提出するためには、観光庁が運営する民泊制度運営システムへの登録が必須。
どうやって登録したらいいのかに関しても詳しくご説明しています。


image12 自治体の窓口確認もボタンを押すだけで簡単にできます。
最後は、開業に必要な書類を無料でダウンロード。郵送するだけで完了!

まとめ

外国人観光客や社会問題を背景に注目を集める民泊。しかし、営業許可を得てサービス開始するまでには様々な準備が必要そうです。
今回の記事を参考に、スムーズに民泊の開業準備をすすめていただけますと幸いです。

民泊開業 freee

民泊の開業に必要な書類を無料で、自動作成することができます。必要最小限の簡単な質問に答えるだけで、個人事業主の民泊開業に必要な手続きが完了します。

バックオフィス基礎知識