民泊の基礎知識

民泊新法の施行で何が変わる?

Airbnb(エアビーアンドビー)などの急速な広まりをうけて、空き部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」が増加しています。これまで、民泊を行うためには旅館業法に則って申請・許可が必要でしたが、許可を得るためにはハードルの高い条件もありました。
そこで、新たに民泊での宿泊提供に関する「住宅宿泊事業法(民泊法)」が2017年6月9日に成立、2018年6月15日から施行予定です。

今回の記事では、民泊での開業をお考えの方に向けて、民泊新法の施行後に何が変わるのか、どのように民泊開業を行えば良いのかについて詳しくご説明します。

民泊新法の施行で何が変わる?

民泊新法が制定された背景

2008年ごろAirbnb(エアビーアンドビー)のような仲介サイトを通じて観光客に個人宅や投資用マンションを貸し出す新しいビジネスモデルが登場しました。

しかし、自宅の空き部屋やマンションの空室などに宿泊をさせるためには、旅館業の簡易宿所として申請・許可を取得する必要があります。許可を得るためにはハードルが高い条件も多く、結果として無許可の民泊が増加する問題が数多く発生。

そこで旅館業法の改正にあわせ、民泊新法が成立。民泊開業のための事前届出・登録は2018年3月15日から、施行は2018年6月15日からです。

民泊新法とは?

2018年6月15日に施行予定の住宅宿泊事業法(民泊新法)で定義される民泊は、従来の旅館業法の営業形態や国家戦略特別区域の特区民泊にあてはまらない新しい営業形態「住宅宿泊事業」です。ホテルや旅館などの宿泊施設ではなく、あくまで一般の「住宅」が対象になります。

この新法ができることで、

  • 新法の民泊
  • 旅館業法の民泊
  • 民泊条例の特区民泊

上記の3種類の民泊営業が可能になります。

【 民泊新法と旅館業法、特区民泊の違い 】

旅館業法
(簡易宿所)
特区民泊 民泊新法
(家主居住)
民泊新法
(家主不在)
営業上限 なし なし 180日
宿泊日数制限 なし 2泊3日以上
(※大田区は6泊7日以上)
なし
申告方法 都道府県に申請し許可を得る 都道府県に申請し認定を受ける 都道府県に届出を提出
火災報知器 必要 必要 必要(民泊部分の面積が小さい場合は緩和) 必要
宿泊者数 制限なし 制限なし 制限なし 制限なし
苦情受付 事業者 事業者 家主 管理者
フロント設置 努力義務あり 不要 不要(宿泊者名簿の作成・保存ができれば物理的な設置は求められない)
宿泊施設 ホテル、旅館、簡易宿所
(民泊)
自治体の条例に従う 住宅
(家主居住)
住宅
(家主不在)

旅館業法(簡易宿所)として申請をする場合は、立ち入り審査など含め許可が必要です。しかし、民泊新法では届出でOK(許可が不要)と、これまでの旅館業に比べると条件が緩和されます。ただし、年間の営業日数180日の制限などのルールがあるため、好きなだけ民泊が許可される訳ではありません。

民泊新法のポイントと注意点

民泊新法について、知っておかなければならないポイントと注意点についてご紹介します。

あくまでも「住宅」が対象

民泊新法で対象となるのは「住宅」です。このため、ホテルや旅館が営業できない住居専用地域で営業ができるというメリットがあります。
一方で、「住居」が対象ということは、使用履歴が全くない新築等使用マンションなどは新法の対象にはならないため、注意が必要です。
また、近隣住民への配慮やマナーの徹底も重要です。分譲マンションのなかには、他の住人が嫌がるから管理規約で民泊を禁止するところもあるようです。
参考:「住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)」

年間営業日数の上限は180日

180日以上営業ができない点にも注意が必要です。民泊以外の活用方法がなければ、ビジネスや投資としては厳しいという意見も少なくありません。
各自治体の条例で民泊営業ができる地域や期間を規制している場合もあるため、民泊開業をする場合は必ずお住まいの自治体にご確認が必要です。

無申請での営業はペナルティも

民泊新法では届出を怠るなど法令に違反すると業務停止命令事業廃止命令を受けます。従わない場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金とペナルティが科されることも。申請は必ず行うようにしましょう。

民泊新法後の届出や申請は?

民泊新法では、家主は都道府県知事への住宅宿泊事業届出書の提出が義務付けられています。

届出に記載する項目には、以下のものがあります。
(1) 商号、名称、または氏名および住所
(2) 法人である場合、役員の氏名
(3) 未成年である場合、法定代理人の氏名住所
(4) 住宅の所在地
(5) 営業所または事務所を設ける場合、その名称および住所
(6) 住宅の管理を委託する場合、住宅宿泊管理業者の商号、名称または氏名
(7) 住宅の図面

なお、家主が不在型の民泊に関しては、住宅宿泊管理業者への管理委託が必要です。

民泊開業の届けを提出しよう

民泊を始めるためには、まず行政への申請や届出が必要です。また、民泊を個人事業として行う場合は税務署に開業届を提出する必要があります。

あわせて、毎年3月15日までに提出が義務付けられている確定申告の準備を始める必要もあります。
確定申告には、青色と白色の2種類があり、「青色申告は難しい」と敬遠されがちですが、会計ソフトを使用すれば、実は労力はほぼ変わりません。このため、節税効果が高い青色申告を選択することをおすすめします。
開業届の提出時に青色申告承認申請書も一緒に提出すると、スムーズにその後の確定申告が進みます。

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image9 民泊新法で始める場合の詳しい手続きについても解説。
「何を提出すればいいかわからない!」となりがちな必要書類に関しても、一覧でご説明しています。また別途専門家に相談することもできます。


image11 届け出を提出するためには、観光庁が運営する民泊制度運営システムへの登録が必須。
どうやって登録したらいいのかに関しても詳しくご説明しています。


image12 自治体の窓口確認もボタンを押すだけで簡単にできます。
最後は、開業に必要な書類を無料でダウンロード。郵送するだけで完了!

まとめ

外国人観光客や社会問題を背景に注目を集める民泊。しかし、営業許可を得てサービス開始するまでには様々な準備が必要そうです。
今回の記事を参考に、スムーズに民泊の開業準備をすすめていただけますと幸いです。

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