民泊の基礎知識

民泊と旅館業法とは?住宅宿泊事業法(民泊新法)、民泊特区なども解説

民泊を知る上で必ず抑えておきたい法律の一つに「旅館業法」が挙げられます。旅館業法とはどのような法律で、民泊をする上でどう関わってくるのでしょう。

今回の記事では、民泊にご興味をお持ちの方に向けて、旅館業法の基礎知識をご紹介します。また、旅館業法と並んで重要な民泊新法や特区民泊についても触れていきます。

特区民泊とは?基礎知識から必要な要件、メリット・デメリットまで

そもそも民泊とは

民泊と旅館業法の関係についてみていく前に、そもそも民泊とは何なのか、なぜ注目を集めているのかについて見ていきましょう。

民泊の慣習は古くからありましたが、現代とは少し意味合いが異なります。以前は、旅先で知り合った人や知人・友人を無償で民家に泊めることを民泊ということが多かったのですが、最近ではAirbnb(エアビーアンドビー)などのインターネットの仲介サイトを通して、有償で民家に宿泊させることを民泊といいます。

民泊と旅館業法について

「観光先進国」を目指す日本政府は、東京オリンピック・パラリンピック開催を踏まえ、2020年までに訪日外国人旅行者数4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円を掲げ、官民一体となってさまざまな取り組みを進めています。
これを受け、日本を訪れる外国人観光客は右肩上がりで増加。2016年10月の時点で2000万人を突破しました。

しかし、民泊への需要が高まる一方、火災や病気、テロなど宿泊者の安全確保の点での課題や、地域住民とのトラブル事例が指摘されています。
また、民泊サービスを行うには、以下の3つのいずれかの方法があります。

  • 旅館業法の「簡易宿所」としての民泊
  • 民泊条例の特区民泊としての民泊
  • 民泊新法の民泊

旅館業法の「簡易宿所」として”許可”をとる民泊

まずは、旅館業法の「簡易宿所」としての民泊について見ていきましょう。この方法で民泊を行う場合、許可を得る必要があります。

なお、旅館業法に基づく許可にはいくつかの種類がありますが、民泊サービスを行う場合は、簡易宿所営業で許可を取るのが一般的です。

旅館業の種類

簡易宿所営業 宿泊する場所を多数人で共用する構造および設備を主とする施設を設け、宿泊料をとって人を宿泊させる営業
例)ペンションやユースホステル
旅館営業 和式の構造および設備を主とする施設を設け、宿泊料をとって人を宿泊させる営業
ホテル
営業
洋式の構造および設備を主とする施設を設け、宿泊料をとって人を宿泊させる営業

厚生労働省「旅館業法とは?

厚生労働省が提供する「民泊サービスを始める皆様へ ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~」によると、簡易宿所営業の許可を取得するためには、下記の基準を満たす必要があります。

客室の延床面積は33平方メートル(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること
階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること
適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
当該施設に近接して公衆浴場があるなど入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること
宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること
適当な数の便所を有すること
その他、都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること

民泊の許可取得までの流れ

民泊の許可を得るためには、サービスを開始する地域の保健所に申請をする必要があります。許可取得までの流れは、各自治体やお持ちの施設(住宅)によって異なりますが、一般的には以下の流れです。

STEP1:事前相談を行う

許可の申請を行う前に、各自治体に事前相談を行いましょう。
その際に、施設(自宅)の所在地、施設(自宅)の図面、建築基準法への適合状況、消防法への適合状況、マンション管理規約について確認を求められることがあります。
マンション管理規約に関しては、そもそも民泊が禁止されていないかどうかを確認しましょう。

STEP2:保健所への許可申請

許可申請には、書類の提出とあわせて手数料が必要です。提出書類に関しては各自治体ごとに異なるため、事前相談の際にご確認ください。
なお、施設(自宅)が構造設備基準を満たさない場合や、公衆衛生上不適切と判断された場合などは、許可が降りない場合があります。

民泊サービスの構造設備基準に関する詳細は、厚生労働省が提供する「旅館業法とは?」をご参照ください。

STEP3:施設(自宅)の検査

民泊を行う施設(自宅)が構造設備基準に適合しているかを確認するために、保健所の職員の方などによる立ち入り検査が行われます。

なお、構造設備基準に関しては自治体ごとに異なる場合があります。構造設備基準以外に、建築基準法や消防法などに関する手続きは、厚生労働省が提供する「その他の制度に基づく手続き等」をご参照ください。

STEP4:民泊許可取得、営業開始!

保健所の許可を得ましたら営業を開始できます。

旅館業法、特区民泊、民泊新法の比較

前述したように、旅館業法に則って民泊を始めるのは多くの手続きが必要です。また、現実的に一般住宅を民泊として活用するのはかなり厳しい状況でした。このため、無許可での民泊が横行する問題が発生しました。

そこで政府は2013年、「国家戦略特区」に限り旅館業法の規制を緩和する政令を施行したのです。これがいわゆる特区民泊です。

特区民泊は、2016年1月に全国で初めて東京都大田区が取組みを開始しました。現在では、大阪府、大阪市、北九州市、新潟市でも特区民泊を活用して民泊を行うことが可能です。

特区民泊は定められた地域でしか活用できない制度ですが、2018年からは民泊新法によって、より民泊が始めやすくなります。
民泊新法とは、2018年6月15日に施行予定の法律で、正式名称は「住宅宿泊事業法」です。

民泊新法で対象となるのは「住宅」です。このため、ホテルや旅館が営業できない住居専用地域で営業ができるというメリットがあります。

民泊新法と旅館業法、特区民泊の違い

旅館業法
(簡易宿所)
特区民泊 民泊新法
(家主居住)
民泊新法
(家主不在)
営業上限 なし なし 180日
宿泊日数制限 なし 2泊3日以上
(※大田区は6泊7日以上)
なし
申告方法 都道府県に申請し許可を得る 都道府県に申請し認定を受ける 都道府県に届出を提出
火災報知器 必要 必要 必要(民泊部分の面積が小さい場合は緩和) 必要
宿泊者数 制限なし 制限なし 制限なし 制限なし
苦情受付 事業者 事業者 家主 管理者
フロント設置 努力義務あり 不要 不要(宿泊者名簿の作成・保存ができれば物理的な設置は求められない)
宿泊施設 ホテル、旅館、簡易宿所
(民泊)
自治体の条例に従う 住宅
(家主居住)
住宅
(家主不在)

民泊に必要な申請・届出とは?

民泊新法では、家主は都道府県知事への住宅宿泊事業届出書の提出が義務付けられています。なお、民泊開業のための事前届出・登録は2018年3月15日からです(※民泊新法の施行は2018年6月15日から)。

届出に記載する項目には、以下のものがあります。
(1) 商号、名称、または氏名および住所
(2) 法人である場合、役員の氏名
(3) 未成年である場合、法定代理人の氏名住所
(4) 住宅の所在地
(5) 営業所または事務所を設ける場合、その名称および住所
(6) 住宅の管理を委託する場合、住宅宿泊管理業者の商号、名称または氏名
(7) 住宅の図面

なお、家主が不在型の民泊に関しては、住宅宿泊管理業者への管理委託が必要です。

無申請での営業はペナルティも

民泊新法では届出を怠るなど法令に違反すると業務停止命令事業廃止命令を受けます。従わない場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金とペナルティが科されることも。申請は必ず行うようにしましょう。

民泊開業の届けを提出しよう

民泊を始めるためには、まず行政への申請や届出が必要です。また、民泊を個人事業として行う場合は税務署に開業届を提出する必要があります。

あわせて、毎年3月15日までに提出が義務付けられている確定申告の準備を始める必要もあります。
確定申告には、青色と白色の2種類があり、「青色申告は難しい」と敬遠されがちですが、会計ソフトを使用すれば、実は労力はほぼ変わりません。このため、節税効果が高い青色申告を選択することをおすすめします。
開業届の提出時に青色申告承認申請書も一緒に提出すると、スムーズにその後の確定申告が進みます。

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民泊開業freeeとは、会計ソフトのfreeeが提供するサービスの一つで、民泊の開業に必要な書類を無料で一括作成することができます。

image1 ステップは全部で4つ。質問に答えて「保存」ボタンを押すだけ


image2 項目になんと入れたらいいかわからない方のために、
「?」マークがついておりカーソルをあてると説明が出てきます。


image3 三番目のステップ「民泊」のページでは、民泊を始めるための
方法を詳しく解説。難易度についても説明しています。
オススメは「民泊新法」に則ってスタートする方法です。


image9 民泊新法で始める場合の詳しい手続きについても解説。
「何を提出すればいいかわからない!」となりがちな必要書類に関しても、一覧でご説明しています。また別途専門家に相談することもできます。


image11 届け出を提出するためには、観光庁が運営する民泊制度運営システムへの登録が必須。
どうやって登録したらいいのかに関しても詳しくご説明しています。


image12 自治体の窓口確認もボタンを押すだけで簡単にできます。
最後は、開業に必要な書類を無料でダウンロード。郵送するだけで完了!

まとめ

外国人観光客や社会問題を背景に注目を集める民泊。しかし、営業許可を得てサービス開始するまでには様々な準備が必要そうです。
今回の記事を参考に、スムーズに民泊の開業準備をすすめていただけますと幸いです。

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