人事労務の基礎知識

平成28年分 年末調整 保険料控除申告書の書き方とは

所得税の課税対象になる所得額から各種保険料を控除するために必要なのが「保険料控除申告書」です。項目ごとに書き方や対象者などが異なるため、毎年のこととはいえ、記入には注意が必要となります。
また、平成28年4月1日以降には、申告書提出の際に「マイナンバー」の記載が不要となりました。

この点も踏まえ、年末調整時の各保険料控除の内容や間違いやすいポイントについて、再確認してみましょう。

生命保険料控除

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生命保険料控除の記入対象には、生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料が含まれます。具体的には、県民共済や民間の生命保険に加入して保険料を支払っている人が該当します。

少し手間がかかりますが、生命保険料に関しては申告書に載っている計算式に従って自分で控除額を算出して記入する必要あります。

保険契約日によって計算式が異なる

計算式には「新」と「旧」がありますが、保険の契約日が平成24年以降(「新」)なのか、平成23年以前(「旧」)なのかによって使用する計算式・控除額が違ってきます。ご自身の保険の契約日を確認して、正しい計算式を使いましょう。なお、新契約・旧契約問わずすべての生命保険料控除額の合計で12万円が限度額となります。

新契約(平成24年1月1日以降に加入した保険)の場合の控除額
年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下 (支払保険料×1/2)+10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料等×1/4 +20,000円
80,000円超 一律40,000円

<例>新契約で年間に生命保険料12万円を支払った場合 →4万円が控除されます。

旧契約(平成23年12月31日までに加入した保険)の場合の控除額
年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超~50,000円以下 (支払保険料×1/2)+12,500円
50,000円超~10万円以下 (支払保険料×1/4)+25,000円
10万円超 一律50,000円

<例>旧契約で年間に生命保険料16万円を支払った場合 →5万円が控除されます。

ちなみに介護医療保険料の控除については、平成24年分の所得税から適用開始されたため、控除額は契約日に関わらず最高4万円となります。

支払った保険料額には「参考額」を

申告書記入の際に注意したいのが「あなたが本年中に支払った保険料などの金額」欄です。
ここには、実際に12月31日までに支払う場合の金額、「参考額」を記入します。 保険会社からハガキなどで送られてくる「保険料控除証明書」に支払済額と参考額が書いてありますが、支払額のみの記載しかない場合もありますので、記載する際には確認が必要です。参考額の記載がない場合は、自分自身で計算して記入します。

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地震保険料控除

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この項目の記入対象は、地震保険料・旧長期損害保険料となります。
地震保険料は、自分または生計を共にしている親族が所有する建物に住居として住んでいて、地震保険に加入している場合に記入します。

旧長期損害保険は、下記の条件をすべて満たしている場合のみ記入します。

  • 平成18年12月31日までに契約した保険であること
  • 平成19年1月1日以降、保険料が変更されていない
  • 保険に加入している期間が10年以上である
  • 期間満了後の満期返戻金がある保険であること
地震保険料・旧長期損害保険料を合わせて最高5万円までの控除となっています。
生命保険料と同様に、保険会社からのハガキに記載されている証明額ではなく、参考額を記入するようにしましょう。

社会保険料控除

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この項目は主なものとして、国民健康保険・国民年金保険料・国民年金基金の掛金などの公的保険や公的年金を支払った際に全額を記入します。

一般的な給与所得者の場合であれば、社会保険料や厚生年金などは給与から天引きされていることが多いため、その場合はこの項目には記入しません。 自分の分だけでなく、同一世帯で一緒に生活をしている配偶者や家族の分を払った場合も控除の対象になります。

また、社会保険料控除に関しては上限額がありません。支払った際の領収控等はしっかり保存しておき、記入漏れがないようにしましょう。

やはり社会保険料控除も、12月31日までに支払う予定の参考額を記入します。 なお、国民年金保険や国民年金基金については、毎年10月末頃に発行される「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」の添付が必要です。

小規模企業等掛金保険料控除

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この項目の記入対象は以下の掛金保険料になっています。
加入している場合は忘れずに記入しましょう。 規模企業等掛金保険料控除にも、上限額はありません。

・独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金
企業規模20人以下の会社や個人事業主が加入できる共済です。 万が一廃業になってしまった際に、退職金共済金が受け取れる制度になっています。 なお、年末調整の際には、機構から毎年11月頃発行される「小規模企業共済掛金払込証明書」の添付が必要となりますので、紛失しないよう注意しましょう。
・個人型または企業型年金加入者掛金
資産形成のひとつ、確定拠出型年金のことになります。
・心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金
障害のある家族を扶養している保護者に万一のことがあった場合に、障害のある家族に終身一定の年金を支給するための共済です。

まとめ

年末調整は年に一度の手続きですので、なかなか慣れない部分が多い業務のひとつと言えるでしょう。人事労務担当者としては、上記の点について従業員から質問された場合、適切に説明できるよう知識をつけておくことが重要です。実際に提出された申告書や添付する書類の管理なども徹底しましょう。

年間を通してみると、支払う保険料額はかなりの額になりますので、きっちりと年末調整で控除したいものです。
保険料支払額の証明書類を忘れずに添付し、正しく申告しましょう。

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