給与計算・労務管理の基礎知識

勤怠管理とは?勤怠管理の方法から企業における重要性まで解説

残業手当の未払いや過労死は、会社の労務管理が適正に行われていないがために起こるものです。適正な労務管理のためには、まずは勤怠管理を正しく行うことが重要となります。そもそも勤怠管理とは何なのか、出勤管理や退勤管理の方法、重要性までを解説します。

目次

勤怠管理とは

勤怠管理とは、企業が従業員の勤怠など、就業状況を把握して、適切に管理することです。適切な管理といっても、特に大きな会社では、使用者が従業員の状況を一人一人確認するという訳にはいきません。広義では、従業員の勤怠を管理するためのシステムを会社が取り入れて、システムによって状況を把握することを指します。

勤怠管理を行うべき事業所

厚生労働省によると、勤怠管理を行うべき事業所とは、労働基準法の労働時間の規定が適用される事業所であるとしています。反して、労働時間の規定が適用されない職種は、自然や天候に仕事が左右される農業や水産など限定的です。従業員を雇うほとんどの事業所において勤怠管理は必要です。

勤怠管理の対象になる従業員

勤怠管理の対象である従業員は、管理監督者以外が該当します。管理監督者とは、工場長や部長など、従業員の労務管理において一定の責任がある者や秘書など業務が経営者などと一体になった従業員などをさします。

勤怠管理により管理する事項

労働基準法では、労働時間を適切に管理することとなっています。労働時間を適切に管理するというのは、各労働日において、従業員の始業時間と終業時間を記録することです。従業員の勤怠の記録によって、休日や時間外労働の有無、有給休暇の取得などを正確に把握することができます。

勤怠管理の方法

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」によると、勤怠管理の方法として、使用者自ら確認・記録することと、機器を用いて客観的に確認・記録すること、従業員の自己申告制による方法が認められています。客観的な確認とは、タイムカードやICを使った勤怠管理の方法のことです。

タイムカードによる勤怠管理

機器を用いた客観的な記録の方法として一般的だったのが、タイムカードではないでしょうか。現在でも、中小企業を中心にタイムカードで勤怠管理を行っている企業は少なくないかと思います。タイムカードは、タイムレコーダーに専用のタイムカードを入れて、時間を記録するというものです。

ICカードや指紋認証などそのほかの勤怠管理

機器を用いた勤怠管理の方法には、タイムカード以外にも、近年ではICカードや指紋認証を利用した方法も導入されています。タイムカードと比較したときのICカードや指紋認証の利点は、システムによって自動で勤怠管理を行うことが容易になったということです。

さらに、タイムカードのように誰でも押すことが難しくなったため、適正な労働時間の確認においてもメリットがあるといえます。

自己申告制の勤怠管理では従業員への周知も重要

勤怠管理の方法として、自己申告制によるものも認められています。自己申告制での勤怠管理とは、たとえば下記のように従業員が出勤簿をつけて、会社に提出することです。


ただし、自己申告制をとる場合は、従業員に対し適正に記録を行うことを周知したうえで、必要に応じ実態調査も行わなければならないので、自己申告制を取り入れる際は注意が必要でしょう。

勤怠管理の方法など、厚生労働省のページ「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずるべき措置に関する基準」より確認できます。

勤怠管理の重要性

そもそも勤怠管理は労働基準法によって、使用者が適正に行わなければならないものですが、勤怠管理を行うことで会社側にとっても健全な労務をアピールするメリットがあります。

労働時間の管理は使用者側の義務

前述したように、一部を除いて、従業員の勤怠管理を行うことは、使用者側の義務です。任意ではなく義務なので、直接的、客観的、または自己申告といずれかの方法によって従業員の就業の実態を明らかにしなければなりません。

正しい給与計算に繋がる

勤怠管理は、労働基準法に基づいた使用者の義務と説明しましたが、会社側にも勤怠管理を行うことはメリットに繋がります。まず、正しい労働時間の確認による正しい給与計算の算出です。単にコストの見直しに役立つだけでなく、正しい給与算出のアピールにも繋がるはずです。

また、残業代は保険料や税金の計算にも関わり、勤怠管理が正しく行われていないと、残業代も正確に把握できず、保険料や税金の計算が異なってしまう可能性もあります。未払いの残業代については、2年を遡って支払うことができますが、いずれにせよ正しく勤怠管理を行うことが重要です。

コンプライアンス(法令順守)による健全化

コンプライアンスとは、企業が法令を正しく守ること。近年、残業手当を出さない企業や長すぎる労働時間など、いわゆるブラック企業といわれる会社が問題になってきました。ブラック企業は、適正な労務が行われておらず、コンプライアンスができていない企業のことです。

勤怠管理を正しく行うことは、法令を順守し、企業が健全な経営を行っているということを示すことでもあります。

トラブル回避にも繋がる

正しく勤怠管理が行われていなければ、従業員の勤務時間や時間外労働時間数などを把握することはできません。特に、会社の規模が大きいほど、従業員一人一人を管理することは難しくなります。

勤怠管理を行うことは、問題のある労働について早期に対策ができ、訴訟などのトラブルや過重労働を未然に防ぐことにもつながるのです。さらに、長時間労働を減らすことにより、従業員の心身の健康維持や増進、生産性の向上につながる可能性もあります。

まとめ

勤怠管理は、使用者の義務だということをまずは念頭に置く必要があります。方法としては、直接管理する以外にもタイムカードや自己申告などの方法もあるので、業種や規模にもあった方法を取り入れるのが良いでしょう。



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