公開日:2020/03/31
最終更新日:2020/05/08
新型コロナウイルスの拡大により世界的に経済的影響をうけ、多くの企業が倒産の危機に直面しています。政府はこの状況をみて、新型コロナウイルスに関連する助成金制度を発表しました。様々な助成金制度があるものの、どれを利用すると良いのか、どのように申し込むのか適切に把握するのが難しい状況にあります。この記事では、2020年3月19日、4月28日に行われた「新型肺炎に負けないウェブセミナー」に登壇していただいた、スポット社労士くん社会保険労務士法人 溝渕麻理氏による新型コロナウイルスに関連する助成金制度の最新情報をご紹介します。
目次
助成金とは?
補助金とは、国や地方公共団体が事業者に対して、原則返済不要なお金を支給してくれる制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたどんな会社が、どんな助成金を、いくら貰えるのか、順番に解説していきます。
新型コロナウイルスに関連する助成金制度
新型コロナウイルスに関連する助成金制度は、大きくわけて2つ発表されました。(2020年4月28日時点)
- 雇用調整助成金
- 小学校休業等対応助成金
雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、景気変動(世界的金融危機、地震、台風等によるもの)で事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者に対して一時的に休業等(休業・教育訓練・出向)を行い、労働者の雇用を維持した場合、休業手当、賃金等の一部を助成する助成金です。
下記の情報は4月28日時点の情報となります。最新情報は必ず厚生労働省のサイトをご覧ください。
【対象事業主】
- 新型コロナウィルスの影響を受ける全業種の事業主
- 雇用保険を適用している事業主※(法人、個人事業主)
役員だけの会社は対象外 - 売上が、昨年の同月(1年未満の会社は令和元年12月と比較)よりも10%以上下がった場合。※4/1〜6/30の緊急対応期間は5%以上の低下、及び雇用保険に加入していない従業員も対象になります。
- 仕事が少なくなってしまった影響で以下(1)~(4)のいずれかを実施
(1)従業員を休業させて、休業手当を支払った。
(2)事業所の授業員全員が、一斉に、1時間以上時短勤務させ、休業手当を支払った。
(3)教育訓練を実施した、賃金を払った。
(4)出向させた。
※4/1~6/30の緊急対応期間に関しては中小企業4/5解雇を行わない場合は9/10まで支給されます。
【支給額】
休業:支払った休業手当の額
教育訓練:支払った賃金の額 大企業:2/3 ※教育訓練:プラス1人1日1,200円
出向:出向元の賃金負担額 中小企業:4/5
※4/1~6/30の緊急対応期間に関しては中小企業4/5、解雇を行わない場合は9/10まで支給されます。
【限度額】
前年度の雇用保険料の算定基礎となる
支給限度日額:8,330円 ※労働者1人1日あたり
支給限度日数:1年間で、100日
【対象期間】
休業等の初日が、令和2年1月24日~令和2年6月30日までの場合
1年間、賃金の締めに合わせ1か月毎等の実績により申請
申 請:支給対象期間1か月~3か月毎、給与の支払日で。
お申し込みや最新情報について詳しくは厚生労働省のサイトをご覧ください。
小学校休業等対応助成金
小学校等が臨時休業した場合などに、その小学校などに通う子の保護者が、仕事を休んだことによる所得の減少に対応するため、有給で休暇を与えた事業主に賃金の助成をしてくれるものです。
【対象事業主】
- 全業種の事業主
- 雇用保険を適用事業主であること(法人、個人事業主)
- 対象の従業員が雇用保険の被保険者出なく、雇用保険を適用していない事業主の場合は、労災保険の適用事業主であること
【対象労働者】
- 小学校など※が臨時休校になった子の世話をする者
小学校などとは=小学校、特別支援学校、幼稚園、保育園等 - 障害のある子については、中学校、高等学校、各種学校も含む
- 新型コロナウィルスに感染した、または感染したおそれのある、小学校等に通う子供の世話をする者
【必要条件】
(有給休暇は、年次有給休暇とは別に与えるものであること)
【対象期間】
令和2年2月27日~令和2年6月30日
該当期間の間、どんな理由で有給休暇を取る必要が出たかによって対象となる日が異なります。具体的には下記の違いがあります。
(1) 小学校等が臨時休校になった子の世話をする者の場合
学校の元々の休日以外の休日(日曜日等、春休みを除く。)
(2) 新型コロナウィルスに感染した、または感染したおそれのある、小学校等に通う子供の世話をする者の場合
春休みを含む実際の休日
【助成金額】
対象従業員に払った賃金の10/10 上限:日額 8,330円
フリーランス:日額 4100円
【申請期間】
令和2年3月18日~令和2年9月30日
お申し込みについて詳しくは厚生労働省のサイトをご覧ください。
まとめ
新型コロナウイルスの影響による経営の悪化が避けられない今「どう会社と従業員を守るか」経営者は頭を悩ませています。
新型コロナウイルスによる経済的ダメージは大きいですが、この様な助成金をうまく使い、困難を乗り越えましょう。
又、助成金は申し込みから着金まで、3ヶ月ほどかかると言われていますが、申し込み件数が多い場合は6ヶ月ほどかかってしまう現状があります。なるべく早く検討〜申し込みを行いましょう。
記事で詳しくご紹介した助成金制度以外にも、旅館業や飲食業を営む方が対象となる融資制度なども用意されています。
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