確定申告の基礎知識

不動産所得と事業所得どちらで確定申告するべき?有利不利の違いとは

不動産を貸して家賃収入がある場合、確定申告を不動産所得と事業所得、どちらで行ったらよいのかわからないということはありませんか?不動産収入が事業的規模にあたる条件や所得の計算方法、どちらで申告したほうが有利あるいは不利なのか、不動産所得に関する疑問を解決します。

事業所得とは?

〇事業所得とは

事業所得にあたるのは、主に自営業者の事業による所得です。小売業やサービス業、農業、漁業などさまざまな事業が当てはまりますが、不動産を貸して得られる所得の場合は事業所得ではなく不動産所得として扱います。

〇事業所得の計算方法

事業所得がある場合、収入(売上)金額がそのまま所得になるわけではありません。その事業で得られた収入(売上)の合計金額から必要経費や原価を差し引いたものが事業所得の金額になります。

(計算式) 事業所得の金額=収入(売上)金額-(売上原価+経費)

収入金額には、事業での通常の売上金額のほか、家事消費分や事業で発生する空箱などの売却代金、リベート、災害などによる商品の損失があった場合に受け取った損害賠償金や保険金などが含まれます。

一方、必要経費に含まれるのは、商品の仕入金額や棚卸高などの売上原価のほか、水道光熱費、通信費、消耗品費、租税公課及び管理費など事業を行うために支出したさまざまな費用並びに減価償却費です。店舗や事務所と自宅が併設されている場合、家賃や水道光熱費などの経費は、事業に関わる部分を区分できる部分のみ必要経費に入れることができます。

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不動産所得とは?

〇不動産所得にあたるのは?

不動産所得にあたるのは次の3つの所得です。

①土地や建物など、不動産の貸付けで得られる所得
②地上権などによる所得
③船舶や航空機の貸付けで得られる所得
これらのうち、事業所得や譲渡所得にあたらないものが不動産所得になります。 アパートなどの不動産を所有し、人に貸している大家さんのほか、資産運用のためにワンルームマンションなどを貸している給与所得者も、不動産所得の確定申告が必要です。

〇不動産所得の計算方法
不動産所得の金額は、不動産に関わる収入金額の合計から必要経費を差し引いて算出します。
(計算式) 不動産所得の金額=総収入金額-必要経費

総収入金額に含まれるのは、地代家賃のほか、名義書換料や更新料、敷金や保証金などで返還の必要がないもの、共益費として受け取る電気代・水道代・掃除代などが含まれます。

必要経費に含まれるものは、貸している土地や建物の固定資産税や損害保険料、減価償却費、管理費、修繕費などです。土地や建物の借入金利子も必要経費に含みます。

修繕費にあたるのは、貸している建物の付属設備や器具備品、機械装置、車両運搬具などの資産の修繕にかかる費用です。維持管理や修理費用は一般の必要経費に含まれます。

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事業的規模にあたる不動産所得

〇不動産所得が事業的規模として認められるのは?
不動産収入を事業所得として申告するためには、不動産の貸付けが事業規模で行われているかどうかで判断します。通常、事業規模として認められる基準は以下の通りです。

①アパートなどの場合は、賃貸できる独立した部屋の数がおよそ10室以上
②独立家屋の貸付けはおおむね5棟以上

このことから、事業規模としての貸付けかどうかの判断は、5棟10室が目安になっています。

〇事業的規模に該当する場合は不動産所得の計算方法が変わる
不動産の貸付けが事業的規模に相当する場合は、不動産所得の計算方法も変わってきます。大きな違いは以下の通りです。

記帳などの条件を満たせば、青色申告特別控除として最高65万円を不動産所得の金額から控除できます。事業的規模に当たらない場合は、控除できるのは最高10万円です。

②配偶者や親族が事業に従事している場合は、事業的規模であれば青色申告の専従者給与、白色申告の場合は専従者控除が適用されます。専従者控除額は1人あたり86万円(又は50万円)か専従者控除前の所得金額のいずれか低い方になります。一般の不動産所得として申告する場合は、これらの控除は受けられません。

③事業的規模の場合、賃貸用の不動産の取り壊しなどで生じる資産損失を必要経費として計上できます。それにより不動産所得が赤字になった場合は、他の所得との損益通算又は青色申告での3年間の繰越控除の適用ができます。事業的規模でない不動産所得の場合、必要経費に算入できる額は、取り壊しなどを行った年の不動産所得の総収入金額が限度になり、不動産所得金額を0円で申告するだけでマイナス計上はできません。

④回収不能の賃貸料が発生した場合、事業的規模では貸倒損失をその年度の必要経費に計上できます。不動産所得として申告する場合は、回収不能となった所得がなかったものとみなし、その貸し倒れが上した年度にさかのぼって所得金額を再計算しなくてはなりません。

まとめ

不動産で得られた収入は不動産所得として申告します。もし、事業的規模を満たしていれば不動産所得の計算は、小規模不動産を所有の場合に比べて有利になります。さらに、青色申告にすれば青色申告控除の適用も受けられるので、検討してみるとよいでしょう。

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