開業の基礎知識

副業したら所得税はいくらかかる?副業の所得税について

副業をすると気になるのが所得税のこと。本業のサラリーマンの収入については、勤め先が計算して、毎月の給料から天引きされたり、年末調整したりすれば終わりなのでそれ以上特別なことはありません。しかし、副業の場合は追加で所得税を支払う必要が出てくることもあります。ここでは、そんな副業の所得税について解説します。

目次

あなたの所得税はいくら?収入と所得から計算しよう

所得税のことを考えるときには、収入と所得の違いを知っておく必要があります。
「収入」とは、売上そのものの金額です。給料の場合は所得税や住民税、社会保険料などが引かれる前の額面を指します。
「所得」とは収入から経費を引いたものです。税金はこの所得の金額にかかります。
所得の金額に税率をかけたものが所得税の金額です。つまり、1年間の所得の金額と税率がわかれば、所得税がいくらになるかがわかります

給与所得、事業所得、不動産所得、雑所得…あなたはどれに該当?それぞれの計算方法

実は、所得税の法律では、収入がどのように発生したのかを考えて10の種類の所得に分類しています。10種類あるそれぞれの所得で、所得の金額の計算方法がことなります。そこで以下のようなステップが必要になります。

STEP1.それぞれの所得ごとに所得金額を計算する
STEP2.所得ごとに求めた所得金額を合算する


では詳しく見ていきましょう。

STEP1.それぞれの所得ごとに所得金額を計算する

①給与所得
給与所得はあらかじめ、この1年間の給料なら経費はこれだけという額(給与所得控除)が決まっています。副業がアルバイトやパートの場合、本業・副業のいずれも給与所得になるため、本業の1年間の給料と副業の1年間の給料を足して、そこから給与所得控除を差し引いたものが給与所得金額です。

給与所得金額=1年間の給与合計金額-給与所得控除

給与所得が本業の1社のみの場合も、確定申告書には給与収入と給与所得金額の両方とも記載箇所があるので、違いがあるということは知っておきましょう。
※平成29年度の給与所得控除の金額は、以下のように変更になっているので注意しましょう。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)


(国税庁HPより)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm

②事業所得
クラウドソーシングや内職を毎年継続して行う場合は、事業所得に該当する可能性があります。事業所得は、売上(収入)から経費を差し引いたものが所得金額になります。もしも事業所得で青色申告している場合は、青色申告特別控除を差し引くことができます
事業所得金額=売上-経費-青色申告特別控除(10万円又は65万円)

③不動産所得
副業でマンションやアパートの賃貸をしている場合は、不動産所得になります。不動産所得は、売上(家賃や礼金収入)から経費を差し引いたものが所得金額になります。不動産所得も事業所得と同じく青色申告をすることができます。
不動産所得金額=売上-経費-青色申告特別控除(10万円又は65万円)

④雑所得
アフリエイトや単発のライティングなどは、事業の規模ではないので雑所得になります。
雑所得は売上(家賃や礼金収入)から経費を差し引いたものが所得金額です。青色申告はできないため、青色申告特別控除はありません。
雑所得金額=売上-経費

STEP2.所得ごとに求めた所得金額を合算する

それぞれの所得金額を求めたら、その金額を合算します。不動産所得や事業所得でマイナスが出た場合は他の所得と通算することができます。雑所得でマイナスが出た場合は、他の所得と通算することができないので注意しましょう。

所得控除を引いて、税率を掛ける所得金額を求めよう

上で所得金額を求めましたが、税率を掛ける所得金額を求めるにはもうひと手間かける必要があります。それが所得控除です。所得金額から所得控除を差し引いた金額に税率を掛けて税額を求めます。確定申告書では「課税される所得金額」と記載されます。
課税される所得金額=所得金額-所得控除

※「所得控除」とは、養っている家族の人数や医療費にお金が多くかかった、生命保険や地震保険の支払いがあるなど、個々の人ごとに生活に必要なお金を考慮するために設けられている控除のことをいいます。これは所得税の計算の途中で所得金額から差し引かれます。
最低でも申告する人自体の控除である基礎控除が38万円あります。それ以外の所得控除は、計算して控除額を求めなければならないため、所得税の金額をざっと計算する場合は、所得控除を38万円として計算してもよいでしょう。

所得税の金額を計算しよう

課税される所得にその所得金額に応じた税率をかけ所得税額を求めます。
所得税額=課税される所得金額×所得税の税率

日本の所得税の制度は、累進課税制度です。累進課税制度は、所得が高くなればなるほど税率が高くなるという制度です。税率は政府の制作などで、変更が多いです。今は5%から45%の7段に分かれています。所得税の金額を簡単に計算できる速算表があります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円


(国税庁HPより)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm

※住宅借入金控除や政党などへの寄付金がある場合(税額控除)は、所得税の金額から直接控除することができます。また、東日本大震災からの復興を図るため、平成49年まで所得税額の2.1パーセントが復興特別所得税として加算されます。

納付金額=所得税の金額-税額控除+復興特別所得税

毎月のお給料などから差し引かれている所得税は、税金の前払いです。確定申告で支払う金額は、上記で計算した金額と毎月差し引かれている所得税の金額の差額になります。
支払う所得税の金額が大きくなると、いざ支払うときにお金を用意することが困難になる危険性もあります。概算で良いので、定期的に所得税の金額を計算しておきましょう。
もちろん差し引かれている所得税の金額の方が大きい場合は還付されますよ。

所得税を納付しよう!2つの納付方法とは?

確定申告で所得税を納付する方法は主に現金納付と振替納税の2つです。

①現金納付

所得税の納付書は確定申告書と同じ封筒で送付されてきます。納付書には金額が記載されていないので、支払い金額を記載し、所轄税務署の納税窓口や、銀行、郵便局で支払います。納付期限は、確定申告書の提出期限である翌年3月15日です。
※コンビニでは納付できないので注意が必要です。

②振替納税

自ら指定した口座から自動で引き落としされる納付方法です。納付書を作成する必要はありません。毎年4月中旬(20日)に自動で引き落としされます。
※確定申告書の提出期限である翌年3月15日までに「預貯金口座振替依頼書」を提出することが必要です。

このほかにe-Taxで納付したり、クレジットカードで納付する方法もあります。

まとめ

今回は、副業の所得税について解説しました。副業で利益が出るのは喜ばしいことです。 しかし、所得税の金額を常に把握し準備しておかないと、確定申告時期に支払えないということが起こる可能性もあります。ぜひこの記事を参考に、所得税の金額を普段から把握するようにしましょう。

開業フリー
会計フリー
知識総合トップへ戻る