開業の基礎知識

個人事業主と消費税~消費税の基礎知識~

Tax Day Financial Economy Money Concept

個人事業を始めてある程度の規模になると考えなければならないのが、消費税のことです。
消費税の課税事業者になると、赤字でも消費税を納める義務があります。しかも1年間の売上等に課税されるため、実際に納税をするときになると思ったより大きな金額になることが多いです。
一歩間違えると、資金繰りに支障をきたすこともあります。
そのようなことにならないよう、消費税の知識をしっかりと持っておく必要があります。消費税の基礎知識について解説します。

目次

消費税はいつから納税する必要がある?

消費税を考えるうえでまず大事なことは、いつから納税するかをできるだけ早く知ることです。納税する時期を早く知ることで、資金繰りなど納税準備をすることができます。
ここでは消費税の納税時期について見ていきましょう。

個人事業主の場合、売上高の金額などで消費税を納める必要があるかどうかが決まりますが、開業初年度に消費税を納める必要はありません。消費税を納める時期には原則と特例があります。

①原則は「基準期間」の課税売上高で判断

消費税を納める時期は原則、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで変わります。基準期間とは2年前のことです。2年前の1年間の課税売上高が1,000万円を超える場合、その年は消費税の納税義務があります(課税事業者)。逆に2年前の1年間の課税売上高が1,000万円以下の場合は、その年に消費税を納める義務がありません(免税事業者)。
課税売上高が1,000万円を超えた年にすぐ消費税を納める義務が生ずるのではなく、その2年後からであることに注意しましょう。
※課税売上高とは消費税がかかっている売上高のこと。通常お店で売っている商品であれば車いすや教科書などの特別なものを除き消費税がかかりますので、個人事業主の場合は売上高=課税売上高になる場合が多いです。

②特例として「特定期間」の課税売上高で判断することも

2年前の1年間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特例でその年に消費税を納める義務が生じることがあります。それは1年前の上半期(個人事業主の場合は1月~6月)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判断します。この1年前の上半期のことを特定期間といいます。1年前の上半期(個人事業主の場合は1月~6月)の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、その年から消費税を納める義務があります。

①と②をまとめると、2年前の1年間の課税売上高が1,000万円未満かつ1年前の上半期の課税売上が1,000万円未満のときは、消費税の免税事業者となります。
※従業員がいる場合は別の基準もあるので注意が必要です。

消費税の課税事業者になることがわかったら届出を出そう

消費税の課税事業者になることが分かったら、税務署に届け出を提出する必要があります。税務署ではその個人事業主が消費税の課税事業者かどうかわからないためです。

①その年の1年間の課税売上が1,000万円を超えたら

税務署に2年後から消費税の課税事業者になる旨の届け出「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を提出します。

②その年の上半期の課税売上が1,000万円を超えたら

税務署に翌年から消費税の課税事業者になる旨の届け出「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を提出します。
※どちらの書類も提出期限は「速やかに」です。少しあとで届出を提出していないことに気づいても問題ありませんので、その場合はすぐに提出するようにしましょう。

消費税の基本の計算方法 本則課税

基準期間や特定期間の課税売上高などで消費税を納める義務が生じるようになったら、消費税の納付額を自分で計算し、税務署に申告納付する必要があります。そのためには消費税の計算方法を知っておく必要があります。
ここではその消費税の基本の計算方法を見てみましょう。

消費税は売上などでお客から預かった消費税から、仕入れ先などから商品購入時に支払った消費税を差し引いた残りを国に納めます。

例)売上高2,160万円(内消費税160万円)、経費1,080万円(内消費税80万円)の場合
売上に対する消費税160万円-経費にかかる消費税80万円=80万円を国に納付します。
このように1年間に実際に預かった消費税から、実際に支払った消費税を差し引いて納付額を求める方法を「本則課税」といいます。

消費税の簡便の計算方法 簡易課税

納める消費税の額は原則、1年間に実際に預かった消費税から、実際に支払った消費税を差し引いて納付額を求めますが、仕入れ先などに支払った消費税を一つひとつ計算するのは煩雑です。そのため売上高の規模がそこまで大きくない場合は簡便な計算方法が認められています。それを「簡易課税」といいます。簡易課税とは簡単にいうと売上だけを使って納める消費税額を計算する方法です。
売上の税額に業種ごとに定められた「みなし仕入率」をかけ、経費の税額計算を行います。
例)売上高2,160万円(内消費税160万円)、経費1,080万円(内消費税80万円) 小売業 みなし仕入率80%の場合
売上に対する消費税160万円-経費にかかる消費税(160万円×80%=)128万円=32万円を国に納付します。

同じ売上や経費の金額でも、本則課税と簡易課税では納める消費税の金額が異なります。
※簡易課税を選択するためには、基準期間(2年前)における課税売上高が5,000万円以下であることや「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出するなどの条件を満たす必要があります。

<参考 みなし仕入率>
第一種事業(卸売業)     90%
第二種事業(小売業)     80%
第三種事業(製造業等)    70%
第四種事業(その他の事業)  60%
第五種事業(サービス業等)  50%
第六種事業(不動産業)    40%
業種は参考です。同じ業種でも取引によって、みなし仕入率が異なることがあります。

まとめ

個人事業を始めてある程度の規模になると消費税のことを考える必要があります。消費税は、実際納税をするときになると思ったより大きな金額になることが多く資金繰りに支障をきたすこともあるので注意してください。消費税の計算方法には、本則課税と簡易課税の2つの計算方法があります。どちらの方法で計算するかによって納める消費税の金額が大きく変わるので注意しましょう。

開業フリー
会計フリー
知識総合トップへ戻る