資金繰り改善の基礎知識

中小企業・個人事業主の事業資金調達|9つの方法と審査のポイントを解説

公開日:2020/12/07

中小企業・個人事業主の事業資金調達|9つの方法と審査のポイントを解説

事業の拡大やキャッシュフローの改善など、事業資金調達が必要なタイミングはさまざまあります。いざという時のためにも、経営者として押さえておくべき重要な知識です。ここでは、中小企業・個人事業主の事業資金調達方法と、それぞれの審査のポイントを解説します。

目次

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事業資金とは

事業資金とは、事業の立ち上げや運営・維持に必要な資金のこと。たとえば、開業時には設備・備品などを購入する開業資金が必要になります。事業を継続するには家賃や人件費、仕入れ費用、広告宣伝費など多くの経費がかかります。これらの事業を運営・維持するために要する費用のすべてが事業資金に含まれます。

事業の安定・拡大を図るには、適切なタイミングで投資をしながら資本を増やしていくことが重要です。必要なときに事業資金を調達できれば、計画的に成長戦略を推し進めることができます。

逆に資金不足になると、成長が見込めないだけでなく、必要な手立てを講じられずに事業基盤が揺らぐ可能性が生じます。場合によっては、売上が伸びていても手元資金が足りないために黒字倒産に至ることもあります。

つまり、事業資金の調達方法を押さえておくことは、経営者にとって必須の知識となるわけです。

【事業資金調達方法1】日本政策金融公庫からの借入

日本政策金融公庫は政府の金融機関であり、中小企業を積極的に支援してくれるため、融資を受けたい場合には優先的に検討したいところです。

メリットとしては、民間の金融機関に比べて金利が低く抑えられていること、返済期間が長いということが挙げられます。また、無担保、保証人なしでも融資を受けられる点も大きなメリットです。

国民生活事業では小規模事業者に向けた小口資金の融資を行っており、融資額の平均は約700万円となっています。一般貸付のほか、セーフティネット貸付、新企業育成貸付、企業活力強化貸付、環境・エネルギー対策貸付、企業再生貸付といった融資制度があり、運転資金や設備投資、再生資金の調達ができます。(日本政策金融公庫HP参照)

ただし、審査には期間を要するため、融資の実行までに時間がかかる点に注意が必要です。

審査のポイント

融資制度によって必要書類は変わりますが、多くの書類を揃える必要があります。事業計画書や資金繰り表、確定申告書・決算書のコピーのほか、たとえば設備資金の申込時には見積書、経営改善が目的の場合は経営改善計画書というように必要書類が変わります。

審査では、これらの必要書類をしっかり揃えることが前提です。また、面談で経営者の人柄も見られるため、経営者自身が事業計画をしっかり説明できることも重要になります。このほか、一定額の自己資金が条件となっている場合もあるため事前に確認しましょう。法人税など、税金の未納がある場合は借入できないので注意してください。

【事業資金調達方法2】銀行からの借入

銀行からの借入では、プロパー融資と信用保証付きの融資の2種類があります。

プロパー融資とは、事業計画書や決算書の内容などから返済能力とリスクを審査し、融資額・金利・返済期間などを決めるものです。金利は比較的低めに抑えることが可能です。ただし、信用力をもとに判断されるため、開業から間もない場合はハードルが高い方法です。

信用保証付き融資は「マル保」とも呼ばれ、信用保証協会の保証付きで融資を受けるというものです。保証人が貸倒れリスクを負うことになるため、プロパー融資よりも審査が通りやすく、中小企業の借入ハードルは低くなります。ただし、信用保証料を支払う必要があります。

審査のポイント

プロパー融資も信用保証付き融資も、当然ながら審査がありますが、プロパー融資のほうはより厳しい審査基準が設けられています。

銀行融資では、事業計画書と決算書がとくに重視されます。決算書の内容が悪い場合、融資審査は通りにくいと考えておきましょう。また、税金の未納があると審査に通らないため注意してください。

【事業資金調達方法3】ノンバンクからの借入

ノンバンクとは、預金業務を扱わず、貸付のみを行う金融機関のことです。消費者金融、信販会社、リース会社などがあります。

ノンバンクから借入するメリットは、融資実行までの期間が短いことです。最短では即日、長くても1週間以内には入金されるケースがほとんどです。また、資金使途の限定を受けないことも利点といえるでしょう。デメリットは、銀行に比べると金利が高い点です。

基本的に小口の融資となるため、まとまった金額の調達には不向きといえます。長期的な借入には適していないので、短期的かつすぐにでも資金が必要という場合や、つなぎの運転資金が必要なときの選択肢になります。

審査のポイント

ノンバンクの審査でも業績や信用力が判断されます。また、過去の借入状況や税金滞納の有無などを見られることもあります。銀行に比べると提出書類は少ないことがほとんどですが、確定申告書類などの収入証明書・納税証明書などが必要になります。

【事業資金調達方法4】制度融資の利用

制度融資とは、地方の各自治体が窓口となり、信用保証協会の保証を得て指定の金融機関から融資を受けることができる制度です。制度融資は中小企業や個人事業主の支援を目的に設けられているので、金利が低く抑えられています。ただし、保証料が発生する点に注意しておきましょう。

自治体によって融資の条件は異なっていますが、なかには支払利息の一部補助といったサポートがあるなど、日本政策金融公庫と並んで優先的に検討したい事業資金調達方法です。

信用保証協会が保証人となるため融資のハードルは低くなりますが、各機関での審査が必要になる分、申込から融資実行までの期間が長い点がデメリットです。

審査のポイント

制度融資の審査は各自治体が設けている制度によっても異なりますが、直近2年の決算書、納税証明書、事業計画書など多数の書類提出が必要です。信用保証協会と金融機関のどちらかで審査が通らなかった場合は、融資を受けられません。

【事業資金調達方法5】補助金・助成金を利用

補助金とは、一定の要件を満たしている場合に申請し、採択されれば支給されるものを指します。助成金は、一定の要件を満たしている場合は必ず支給されるものです。いずれも、基本的には返済する必要がない点が大きなメリットとなるため、申請できる補助金・助成金は必ずチェックしたいところです。

ただし、補助金・助成金は発生した費用に対して後払いされる点に注意が必要です。たとえば設備投資に活用したい場合、すでに費用が発生した後に補助を受けるということになります。

審査のポイント

助成金は、受給要件を満たせばよいため審査はありません。ただし、要件は高めになっているのでしっかり確認しておきましょう。

補助金の場合は、必要書類を揃えて募集期間内に申請し、採択されれば交付決定という流れになります。その後、補助対象の事業を実施して事後報告書を提出、確定検査後に入金されるという多くのステップを踏みます。

補助金の採択率を高めるには、事業計画書などの必要書類をしっかり作ることが重要です。補助金・助成金は種類が多く、それぞれに必要な書類が異なるため、計画的に準備を進める必要があります。心配な場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

【事業資金調達方法6】小規模企業共済の貸付制度

中小機構が運営している小規模企業共済では、契約者への貸付制度を設けています。一般貸付のほか、資金繰りが困難になった際の緊急経営安定貸付など、合計7つの制度が用意されています。

貸付制度のメリットは、金利が低く抑えられていること。一般貸付では1.5%、その他の貸付では1%未満となっています(2020年11月現在)。

小規模企業共済は、もともと小規模企業の経営者や個人事業主の退職金制度として運用されているもので、貸付制度のほかにも、掛金が所得控除されるなど税金の優遇を受けられるというメリットがあります。将来に備えるという意味でも、加入の検討をしてみる価値はあるといえるでしょう。

審査のポイント

貸付制度は積み立ててきた掛金を利用して融資を受けるため、審査なしで事業資金を借入できます。ただし、貸付資格要件として1年以上の加入期間が必要で、貸付限度額は掛金の納付期間に応じて決まる仕組みになっています。

【事業資金調達方法7】ベンチャーキャピタル・個人投資家からの出資

ベンチャーキャピタルや個人投資家から出資を受けるのも事業資金調達方法のひとつです。将来的に高い成長が見込まれる企業に出資して株を取得し、成功すれば利益を得られるという仕組みになっています。

資金を返済する必要がないというメリットがある反面、経営を監視されるため、経営者の決定権が低下する点がデメリットに挙げられます。一般的な傾向としては、ベンチャーキャピタルでは多額の出資を行い、個人投資家は小口の出資が多くなっています。

ベンチャーキャピタルでは経営ノウハウや人脈提供などの経営支援も行っているので、資金調達以外にも経営者が得られるメリットは大きいといえるでしょう。

審査のポイント

将来有望な企業に投資することで利益を得るため、審査は厳しくなっています。とくに将来性を伝える事業計画書では、市場の成長性や自社の競争優位、実現可能性、経営陣の過去の実績など高い水準の計画書作成が求められます。

個人投資家の場合は、個人の裁量で出資判断をするため、嗜好や思いが反映されることも多いという特徴が見られます。

【事業資金調達方法8】クラウドファンディングの活用

クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の第三者から資金を募るという方法です。事業プランやプロジェクトの魅力を訴え、支援者を集めます。

クラウドファンディングには大きく3タイプあり、リターンの必要がない「寄付型」、商品やサービスなどで返礼する「購入型」、投資・融資の資金を募る「金融型」に分類されます。

事業資金の調達ができるほか、自社の商品・サービスに対する消費者の反応がわかるため、マーケティングに活かせるというメリットがあります。一方で、賛同者が少ない場合には資金が集まらず、かかった労力に対するリターンを得られないという点がデメリットです。

審査のポイント

事業プランやプロジェクトの魅力に賛同してもらえなければ、資金を集めることは困難です。また、返礼の魅力度合いによっても支援者数が変動します。金融型の場合は、個人投資家と同様に将来的なリターンも重視されます。

【事業資金調達方法9】ファクタリングの活用

ファクタリングとは、売掛債権を売却することで、当初の入金予定日よりも早期に現金化する仕組みのことです。メリットとしては、最短で即日の現金化が可能で信用情報への影響が出ないことなどが挙げられます。ただし、ファクタリング会社への手数料が発生するため、本来の売掛金よりも少ない金額になってしまうというデメリットがあります。

ファクタリングには、自社とファクタリング会社との間で売却契約をする2社間ファクタリングと、売掛先の合意のもとに契約する3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングのメリットは、スピーディに現金化できること、また、取引先の承諾を得る必要がなく、ファクタリングの実施を知られずに済む点です。デメリットでは、3社間に比べて手数料が高いということです。

3社間ファクタリングのメリットは、2社間よりも手数料が安く、10分の1程度に抑えることも可能です。ただし、取引先の合意を得なければならない点がデメリットになります。

審査のポイント

ファクタリング会社の審査では、売掛金回収のリスクの程度を見られます。たとえば、単発で発生した売掛金よりも、継続的に発生しているほうが取引実績としてリスクが少ないと判断されます。また、売掛先の信用力も審査基準の一つです。

融資のように決算書の内容によらないため、事業資金調達方法としてのハードルは低いといえます。

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まとめ

ビジネス環境はつねに変化を続けているため、経営者としての対応力を磨く必要性に迫られているのが現状でしょう。事業資金調達の選択肢を多数知っておくこと、また、成否を分けるポイントを押さえておくことは経営者にとって重要なポイントとなります。

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