経営管理の基礎知識

予実管理について解説|目標と結果の管理を行うために

企業では期初に計画や目標が設定されていることが多くあります。その予算と計画した目標としている内容が滞っていないかの進捗状況を把握し、コントロールしするのが「予実管理」です。

企業のみならず個人であっても同様で、またビジネスのみならず家計においても同じことが言えます。当初の計画通りに進めても大丈夫なのか、途中で修正をした方がいいのかなど、設定している予算と進捗の実績を比較しながら計画を達成するための管理です。

ここでは「予実管理」について詳しくご紹介していきます。

目次

1.予実管理の目的

予実管理とは「予算実績管理」、呼び方を変えると「予算管理」のことです。計画して目標として設定していた予算と、その実績を管理するのが予実管理です。

通常、企業では実績を把握するために月次決算や半期決算、または年に4回ほど決算を行って数字を把握しています。赤字を避け、利益を出していくためにも、当初設定した予算と実績を比較して利益が出ているのかを判断し、もし予算を達成できていない、つまり実績が悪ければ都度問題や原因を分析します。問題を意識し原因を明らかにすることによって、対策を練ることができるからです。

そこから予算が達成できるように軌道修正をし、改善に繋げるなどしていきます。中小企業などでは経営者の経験から予実管理を行っていない、あるいは経営者自身が予実管理を行っているところも多くありますが、大企業の多くでは部署毎に予実管理を行っているところがほとんどです。

予実管理では、目標や計画を定めてからそれに向かっていく途中で差異や問題点が発生したらそれらを一早く知り、コントロールしながら目標を達成することが大切です。

2.予実管理の良くない例

予実管理をしていく上で良くない例もいくつかあります。予実管理をする意味を理解し、ただ数字を把握するだけで終わらないようにしましょう。

低めの予算設定

目標を無事に達成したいというのは誰もが思うことでしょう。利益の目標は経営者の考えによって変わり、経営者が決めることもありますが、目標を達成しやすくするために予算を低めの設定にしてしまうのは、成長段階の企業にはおすすめしません。

一方で、現実離れした高すぎる予算の設定にも無理があります。過去のデータがある場合はそれを参考にしながら少し高めの予算を目標にし、なんとか手が届きそうな数字を定めるといいでしょう。

タイムリーな予実管理ではない

予実管理は設定した予算と実績の差異を確認するためのツールですが、その差異を見つけるのが半年後などでは既に手遅れである場合があります。ビジネスは常に動いているので時間が経てば経つほど情報が古くなります。また気付くのが遅すぎると、取り返しがつかないことになることもあります。

予実管理はタイムリーに行うことによって、差異があったとしても最小限に抑えることができたり、問題点があればその原因を早めに探ったりすることができます。早急に対応し、対策を考え改善していくためにも、タイムリーな実績数値を把握することが重要です。

予算を強引に達成させようとする

設定された予算に実績が届かず達成するのが難しくなった時に、強引に予算を達成させようと残った期間で無理をすることがあります。実績の水増しをする、あるいは無理な労働をさせて強引に達成しようとするのは良くない例です。

予算と実績に差異が大きく生じる場合には、もともとの予算が現実的に達成不可能であることがあります。時には計画や設定を見直し、予算修正をすることも必要です。

予実管理における問題点の原因を追及しない

設定した予算と実績を集計し差異を把握するだけでは何も変わりません。問題点がわからないまま、うやむやにするのは良くない例です。差異があった場合には何が問題だったのかをきちんと考え、原因を追及することが非常に重要です。

実績を集計していくと事業の強みや弱みをきちんと知ることができます。それらを把握することによって改善すべき箇所があれば、対策を練り軌道修正をしていきます。問題の本質を見極め、予実管理における原因を追及して明らかにしていきましょう。

3.予実管理の具体的な進め方

予実管理における目標の設定

予算作成の目標である営業利益の設定を行います。過去の実績があれば、過去の実績データをベースにして年間予算を計画していきます。過去の実績から大きく異なる数値の設定や、過去の実績をそのまま利用するのではなく、目標の数値が実現できるかがポイントになります。

達成しやすい数字を目標にする、あるいは現実的に考えて不可能という数字は設定せず、実現可能であり、且つ手が届きそうな数字を目標として設定するのがポイントです。

予実管理の具体的な数値を設定する

目標となる営業利益が設定できたら、次は具体的な数値の予算を設定していきます。具体的な予算とは、人件費や減価償却費、管理費などの経費や、原価予算、製造予算などの予算を明確に設定していきます。

また、細かく分けると通信料や交通費なども含まれ、季節による売上の変動なども発生してくるので、このような予算も決めた上で数値を考慮していきます。企業の場合は部署や課などがあり、それぞれに与えられる予算の数値があることがほとんどでしょう。各部署や課で与えられた予算数値をそれぞれが予実管理していきます。各部署で設定された予算を合算して全体の予算と相違がないか確認します。

予実管理は経理が行うこともありますが、各部署で管理している場合はExcelや、最近では非常に便利なツールもあるので、最も効率的に管理ができる方法で行うと良いでしょう。

予算と実績の比較をし差異を確認する

当初設定した予算数値と利益の実績を比較します。予実管理をしていくとこれらが明確に分かるようになります。ただ比較をするだけで終わらせてはいけません。

設定していた数値との差異が大きければ、その差異を埋めるために原因の分析をし、原因が一時的なものなのか、それとも今後も続くものなのかという見極めが必要になります。どうしたら予算が達成できるか、設定していた予算に無理はなかったかを確認します。

そこで弱みなどの原因がわかれば、改善するための対策を練り、軌道修正が必要か否かを判断することができます。予算と実績の比較をし差異を見つけたら、原因の分析を必ずすることが大きなポイントになります。

予実管理は毎日行っているところもありますが、そうも言っていられないところも多いでしょうから、週毎行うのがベストです。そうでない場合はせめて月毎に行うのがポイントです。

週や月毎の管理をおすすめする理由としては、時間差をかけずにタイムリーに管理をしていくことで、予算と実績の差異があった場合に軌道修正がしやすいからです。月毎の予算や実績が必要になりますが、差異が大きくなる前の、最小限のうちに対策を練ることができます。

予実管理の改善、軌道修正をし差異を埋める

原因が分かり今後の対策案ができたら、それを実行に移します。月毎に予実管理をしている場合なども、問題点が見つかったらすぐに改善、軌道修正していきましょう。

予実管理は手遅れになる前に原因に気づき、差異を埋める対策を練り改善していくためのものでもあります。

予実管理のポイント整理・まとめ

予実管理のポイントは大きくまとめると以下になります。

  • 低めの予算設定をしない
  • タイムリーに数字を把握
  • 問題点があれば原因を探る
  • 改善するための行動を移す

予実管理についてご紹介しました。予実管理の目的は予算を達成するためではなく、設定した予算に対して実績はどうだったかを把握し、会社が成長すると共に、利益を得ていくために管理をするということです。予算と実績を比較することにより問題があれば原因を探り、それらを改善し、軌道修正するためのものです。

予実管理をするにはExcel以外にも新しいツールが出てきています。操作しやすいツールを選んで予実管理していきましょう。

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