青色申告の基礎知識
個人事業主がふるさと納税をした際の確定申告

ふるさと納税を行うと、その寄附金額に応じて確定申告の際に控除が受けられることをご存じでしょうか?
ふるさと納税のしくみやメリット、また個人事業主がふるさと納税をした際の、青色申告における控除額の計算方法をご紹介します。
確定申告の期間延長について
確定申告は通常3月15日が期限ですが、2021年3月提出分(令和2年分)の確定申告期間は、新型コロナウイルスの影響により4月15日に延長されました。
併せて、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限も4月15日に延長されます。
詳細は以下のサイトからご確認ください。
参考:
国税庁「令和二年分 確定申告特集」
国税庁「申告・納付期限を令和3年4月15日(木)まで延長します(報道発表資料)」
目次
ふるさと納税の基礎知識
ふるさと納税は、「納税」といっても税を納めるわけではありません。全国の都道府県や市区町村に一定額寄附することで、寄附金額に応じた所得税の還付や住民税の税額が控除されるしくみのことです。
過疎化が深刻な自治体に向けた改革のひとつとして、2008年から始まりました。個人事業主でもサラリーマンでも受けられる控除として、多くの人に注目され、利用されています。
ふるさと納税の特徴
では、ふるさと納税というのは具体的にどのようなものなのでしょうか?
・寄附したい自治体を自由に選べる
「ふるさと」という言葉から、自分の生まれ育った地域やゆかりのある地域を選ばないといけないと思われがちですが、そんなことはありません。全国どこでも、自分が好きな自治体を選択でき、複数選ぶことも可能です。生まれ故郷を選んでもいいですし、それ以外に応援したい地域などからも自由に選んでください。
・寄附金の使い道を指定できる
ふるさと納税をする際、どのような目的に使用してほしいかを指定することができます。教育や文化に関する事業や産業に関する事業、保険や医療、福祉に関する事業など、自治体ごとにいくつか寄附を募っている項目があり、自分が支援したい事業を選べます。何に使われるかわからないという不安がありません。
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税には、寄附をすることによっていくつかのメリットがあります。
・税金の控除が受けられる
2,000円以上ふるさと納税を行うと、その金額に応じた税金の控除を受けることができます。寄附として支払った金額の大部分が、所得税と住民税から差し引いてもらえると考えるとわかりやすいかもしれません。ただし、限度額もありますので、のちほど紹介する計算式で確認しておきましょう。
・寄附した地域からお礼の品がもらえる
ふるさと納税の人気の理由のひとつに、寄附金額に応じて地域の特産品や加工品といったものがもらえるというのがあります。そのため、お礼の品から寄附する自治体を選んでいる人も多いようです。
ふるさと納税の申込みの方法
実際にふるさと納税はどのような手順で行うのでしょうか。
1. ふるさと納税を行いたい自治体を選ぶ
応援したい地域、お礼としてもらえる特産品、寄附の使い道などから自由に選んでください。
2. 選んだ自治体のふるさと納税申込みフォームに入力して送信
各自治体のホームページには、ふるさと納税の申込みフォームがあるはずです。そこから申込みを行いましょう。
3. 指定された納付方法で寄附金の納付を行う
自治体によって納付方法が異なるので、指定された方法で納付します。

引用元:総務省
全国のふるさと納税情報を網羅する便利なサイトもありますので、どの自治体に寄附するかを検討したいときなどは、こういったサイトを利用してみてはいかがでしょうか。申込みも簡単にできるようになっています。
寄附金の納付が完了し、自治体がその確認を終えると、以下のようなものが送られてきます。
・お礼の品
寄附金額によって、予め決められたお礼の品が送付されます。発送時期を確認しておくと良いでしょう。
・寄附金受領証明書
寄附をした自治体から「寄附金受領証明書」が送られます。この証明書は確定申告の際に必要となりますので、必ず取っておきましょう。送られてこない場合は、自治体に確認してみてください。
個人事業主のふるさと納税の計算
ふるさと納税での寄附金額によって、所得税の還付金額や住民税の控除額が決定します。個人事業主がふるさと納税を行った場合も、白色申告か青色申告で申告する必要があります。計算式は所得税と住民税で異なりますので、注意しましょう。

課税される所得金額 | 税率 | 免除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
<住民税の控除額の計算式>
基本控除額+特例控除額(AまたはB)
・基本控除額=(寄附金額-2,000円)×10%
・特例控除額(A)=(寄附金額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
・特例控除額(B)=住民税所得割額×20%
※(A)で計算した金額が住民税所得割額の20%を超える場合に、(B)の計算式になります。
寄附金控除の対象となる金額は、所得税は総所得の40%まで、住民税は30%までです。また、控除される金額は、収入や家族構成に応じて上限もあります。
所得税・住民税の控除額シミュレーション
それでは具体的に、控除額の計算シミュレーションをしてみましょう。
所得税率が10%の人が10,000円のふるさと納税を行った場合、所得税と住民税の控除額は下記のようになります。
<所得税控除額>
(10,000円-2,000円)×10%=800円
<住民税控除額>
基本控除:(10,000円-2,000円)×10%=800円
特例控除(A):(10,000円-2,000円)×(100%-10%(基本分)-10%)=6,400円
※特例控除(B)の計算で算出された金額が6,400円を下回ったことを前提に
つまり、10,000円のふるさと納税で、
所得税の所得控除:800円
住民税の税額控除:800円+6,400円=7,200円
が控除対象額となります。
ふるさと納税の青色申告時の記入方法
青色申告をする際は、ふるさと納税を行ったあとに送られてくる「寄附金受領証明書」を基に、確定申告書の寄附金控除の欄に金額を記入します。
記入するのは、「寄附金額-2,000円」または、「所得金額の合計×40%」のいずれか少ないほうの金額となります。また、ふるさと納税以外にも寄附を行っている場合には、それらも合算する必要があります。
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まとめ
ふるさと納税は2,000円の自己負担は必要ですが、寄附した額の一部は所得税や住民税から控除される上、寄附金額に応じてお礼の品をもらえるのが魅力です。地域活性化のお手伝いをしつつ、メリットもあるのはうれしいですね。控除額には上限がありますので、自分の限度額と照らし合わせながら利用してみてください。
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