会計の基礎知識

【イラストで超かんたん解説】ERPとは? 意味や比較のポイントは? ERPパッケージを理解しよう!

「ERP」とは、必要な情報を一元的に管理し、経営資源を効率的に活用する計画をたて、その計画を実現するツールを意味します。

本記事では、イラストを用いた会話形式でERPについての基礎知識や具体的な活用方法などを詳しく解説します。

【登場人物】

中小企業の社長がERPについて学ぶ

倉戸社長

倉戸商会の社長。脱サラして起業5年目、当面の目標にしていた社員数50人を達成。つぎのステージに向けて、ビジネスの仕組みや、働き方について見直す時期だと考え始めている。

ERPに詳しいITコンサルタント

コンサルさん

ITコンサルタント。大手のソフトウェア会社で会計システムを作っていたが、中小企業にもITを活用してもらいたいと願って転身し、街中を駆け回る毎日。中小企業の社長たちにかわいがられている。

目次

そもそもERP(ERPパッケージ)って何?

最近、社長仲間がERPを導入して業績が上向いたっていうんだ。ウチも、もっと儲けて、もっと拡大したいなぁ。でも効率化は限界だし、人手不足のご時世で採用を増やすのも難しい。もっと働きたくなる職場にしないと。そのためには……とりあえず私の肩書きをCEOにして、イケてる企業イメージにするか!



社長、落ち着いてください。CEOもいいですけど、きちんとERPの導入を検討してみましょうよ。


でも、ERPがそもそもなんなのか、いまいちよくわからないし、導入コストもかかるでしょ。ウチみたいな規模の会社には用がなさそうだったから、難しい説明を読む気にならなくて。


たしかに、そういう悩みをもっている中小企業の経営者は少なくないみたいですね。でも、ERPは決して大手企業だけのものではなくなってきているんですよ。難しく考えず、「会計ソフトの進化版」くらいの気持ちで話を聞いてください。


ERP=統合基幹業務システム

ERPとは、企業活動で必要な経営資源や情報を一元的に管理し、限られた資源を効率的に活用しようとする考え方「Enterprise Resources Planning(企業資源計画)」の略語です。

そして、ERPの考え方自体を実現し、情報をまとめて管理できるシステムをERPパッケージと呼ぶこともあります。これらは企業の基幹業務に関わる情報であることから「基幹システム」や「基幹系情報システム」とも呼ばれています。


ERPでできること

ERPに含まれる機能

ERPに含まれる機能は具体的に以下のとおりです。

  • 財務・会計管理
  • 予算管理
  • 販売管理
  • 倉庫・在庫管理
  • 顧客情報管理
  • 営業支援管理
  • プロジェクト管理
  • 人事管理
  • ビジネスインテリジェンス




なるほど、経理部などバックオフィスで取り扱う情報をまとめているんだな。



それだけじゃありません。ERPの特徴は、営業部なども含めた社内の情報全体を1つにまとめて管理できることにあるんです。


社内の情報全体を1つのシステムで管理するメリット

受発注、在庫管理、会計をそれぞれ異なるシステムで管理していると、以下のようなデメリットがあります。

  • 各システムに会社の情報を入力し、更新をしなければならない
  • システム同士の連携ができないので、在庫と発注を自動連携させた処理ができない
  • 「たくさん売れているけど、この商品を売っても利益が少ない」といった情報が把握しにくい

これらのデメリットは1つのシステムで管理することで解消することができるのです。

<社内の情報全体を1つのシステムで管理するメリット>
  • 企業情報の更新は1回で済む
  • データを連携させ、在庫状況に合わせた自動発注ができる
  • 経営の全体情報が把握しやすい

ERPの有無による違い



確かに便利そうだ。とはいえ、在庫を持たない事業の場合、あまり関係なさそうな気もするけどね。



ERPは、手掛ける業務内容の全てをカバーするタイプと、必要な機能だけを選べるタイプがあります。自社に合った方を選べばいいんですよ。

統合型ERPとコンポーネント型ERPの違い

統合型ERP

統合型ERPとは、すべての業務をカバーする前提で構成されているタイプです。多機能であることから一般的には高価なものです。ERPが持つあらゆる機能を必要とする大企業でよく利用されています。

コンポーネント型ERP

コンポーネント型ERPとは、会計・在庫管理といった機能ごとに組み合わせて構成できるタイプです。必要な業務だけを拡張して利用できるため、企業規模にかかわらず利用しやすく、価格も利用する機能によって変動されます。


たしかにコンポーネント型なら導入しやすいかもしれないね。ただ、すでに使っている顧客情報システムもあるし、再導入するのは正直めんどうだなぁ。



ERPの中には、他社の提供するシステムの情報と自動連携ができるものがあるんです。すでに用意されているデータも生かせますよ!

2020年は導入しやすいクラウドERPが5割に? ERPはもう大企業だけのものじゃない!


ただ実際のところ、ERPを導入してどれくらいの恩恵があるのか、そこがいまいちわからない。大企業ならメリットが大きいのかもしれないけれど。



ERPは、システム利用者も多い大手企業を支える多機能なサービスとして、1990年頃に普及しました。当時はサーバも企業自身が用意するのが一般的だったので、いまも、「ERP=大手企業のもの、中小企業には関係ない」というイメージをもつ人もいますよね。しかし2000年代後半から、クラウドコンピューティング技術を使った「クラウドERP」が登場し、中小企業でも導入できるほどにコストが下がっているんです。

矢野経済研究所の2019年調査によるとERPのクラウド化率は45.8%に達すると予測されているんですよ。




んん? クラウドのERPとはどういうことなんだ? ちょっとややこしくなってきたな……。



焦らなくても、大丈夫です。先ほどは機能で分けた2タイプを紹介しましたが、クラウドというのは「ERPの導入方法」の1つなんです。従来の「インストール型(オンプレミス型)」と、「クラウド型」、それぞれの違いやメリット・デメリットを見ていきましょう!


インストール型(オンプレミス型)ERP

インストール型(オンプレミス型)ERP

サーバーなどのハードウェアを自社で用意し、システムをインストール・メンテナンスまで自社で行うタイプのERPです。歴史が長く、比較的規模の大きな企業で導入されてきました。ありとあらゆるシステムをERPにまとめることを前提としており、多機能な「統合型ERP」が中心です。

インストール型(オンプレミス型)ERPのメリット

  • 必要な業務だけを拡張して利用できるため、企業規模にかかわらず利用しやすい
  • 価格は利用する機能によって変動する

インストール型(オンプレミス型)ERPのデメリット

  • 新しい機能を追加するためには手間がかかり、利用できないケースも
  • メンテナンスやセキュリティ対策を継続的に実施する必要がある
  • 必要なハードウェアの性能を見積もり、機器を調達しセットアップする必要があるため、導入まで時間がかかる
  • 機器やERP全体を購入するため、初期費用の負担が重い

クラウド型ERP

クラウド型ERP

ERPの機能をクラウド上で実現したサービスで、ネット環境があればソフトウェアのインストールもERP用のハードウェアは不要です。「コンポーネント型」ERPでよく利用される形態ですが、「統合型ERP」でもクラウド対応している製品が増えています。料金は、利用者一人あたりの月額課金や従量課金制が中心です。

クラウド型ERPのメリット

  • ネット環境とパソコンがあれば、すぐ使い始められる
  • セキュリティ対策やバージョンアップ、機器の老朽化への対応など、必要なメンテナンスはすべてサービス事業者が行うため、メンテナンスの手間がない
  • 他のクラウドサービスと接続させることで、機能拡張やデータの自動連携が容易にできる
  • 機能や構成によりますが、一般にインストール型よりもトータルでのコストを低減できると言われている

クラウド型ERPのデメリット

  • クラウド環境で利用するため、ハードウェアに関する設定のカスタマイズがしづらい
  • 重要な情報や業務をクラウドで扱うことを不安視されていたが、現在は大企業もクラウドへ移行するケースもある

ERPはどんな経営課題を解決できるの?


なんとなく全貌が分かってきたけど、ERPの導入によって具体的にどんなメリットがあるのか、なかなか見えてこないんだよね……。


ERPは、急速に変わるビジネスシーンにおいて、さまざまな経営課題の解決ができます。具体的に、よくある問題を見てみましょう。

非効率な業務やミスを減らす

会計や顧客情報など、さまざまな機能を集約できるERP。営業や経理部などそれぞれの部署で発生する情報を1カ所にまとめられるため、いちいち情報を転記する必要がありません。そのぶん重複入力をはじめとするミスのリスク、そして時間コストを減らせます。

業務の属人化を防止する

複雑な業務は属人化しやすいもの。極端な例では、担当者のパソコンに入っているExcelで処理され、そのマクロの開発者以外にはどういう仕組みで処理されているのかすら分からないなんてことも。これでは、担当者の退職後や休暇中に業務へ支障が出てしまいます。

ERPを導入しておけば、経営側の意図に合わせて誰でも使えるよう作業の標準化・自動化できます。これによって業務の習得自体が容易になり、従業員も休みをとりやすくなるでしょう。

ペーパーレス化を実現

紙で行う処理にはミスと手間がつきもの。例えば、マイナンバーをはじめとする従業員の個人情報の収集。セキュリティ基準をクリアしているERPを使えば、紙に記載してもらう必要も、鍵付きの金庫で情報を保管する作業もなくなります。また、税務調査の際、分厚いファイルから資料を探すのは大きな手間。仕訳にひもづく取引が残るERPの場合、調査員にアカウントを1つ渡して自由に見てもらえば、社員の対応も最小限に抑えられます。さらに、支社が多い企業でも担当者がわざわざ調査協力のために本社に出向く必要がありません。

業務全体を見える化でき、迅速な経営判断の助けになる

個別のシステムでは業務ごとに情報が分断されてしまうと、優先順位や投資などの経営判断が難しくなります。システム全体がつながっているERPなら、企業活動のすみずみを一元的かつリアルタイムに“見える化”でき、迅速な経営判断の助けになるでしょう。

企業規模を拡大した場合でもワークフローがスムーズに

企業の規模拡大には、権限委譲が欠かせません。決裁が必要な業務も、それまでの紙とハンコでは時間がかかります。

ワークフロー機能を備えたERPであれば、決裁を電子化でき、支社をまたいだ決裁も容易に。また、社員の口座情報や業績評価、顧客情報といったプライバシーに関する情報へのアクセス権限も、役職や役割に合わせて厳密に設定できるので、コンプライアンスを強化できます。



なるほど。ERPだからできる効率化があって、さらに働き方改革にもつながるわけか。



さらに、「クラウドERP」だからこそ解決できる課題もあるんですよ。

クラウドERPだからこそ、解決できる問題

利用場所の制約をなくし、柔軟な働き方へ対応できる

インターネットがつながる場所であれば、どこからでも利用できるクラウドERP。交通費や出張旅費をスマートフォンで移動中に申請できるようにしておけば、わざわざ経費精算のためにオフィスに戻る手間や時間がなくなります。また、会社でしかできなかった業務が家でもできるようになり、リモートワークなど柔軟な働き方にもつながります。

部門ごとのP/L・B/Sがリアルタイムに確認できる

そもそもERPは企業全体の情報をリアルタイムに把握できるシステムです。しかし、経費精算や売上を「社内」でなければ登録できないと、つい月末ぎりぎりになってしまいがちに……。こうなると、管理者は最新の状況を把握できません。しかし、クラウドERPならどこからでも情報の入力ができる分、よりリアルタイム性の高いデータを保てます。

拡張性による連携

クラウドERPのなかには、システムとシステムをつなぐ“API”を公開しているものもあります。他のサービスと連携させれば、より柔軟かつ幅広い業務へ対応できるように。

例えば、顧客取引状況を管理するCRMや、営業状況を管理するSFA。代表的なサービスとの連携例としては、営業担当者がSalesforceやkintoneから売り上げ確定を登録すると、数クリックで請求書を発行し、会計業務へ連動できるようなクラウドERPもあります。


ERPを導入までの7つのステップ



「みんなが使う」「多くの部署に関係する」ということは、それだけ導入が大変な気がするな。


さすが視点が社長ですね。ERPは使う組織や人のことを考えないと、役に立たないばかりか業務に支障をきたす可能性もあります。導入までの流れを整理してみましょう。

STEP1:ERP導入目的、解決したい課題を整理する

そもそもERPで何を実現したいのか、目的や解決したい課題をしっかりと整理しましょう。ここを疎かにすると必要な機能が漏れてしまう可能性があります。

STEP2:ERP導入プロジェクト全体の推進者を2〜3名選抜

ERP導入プロジェクト全体の推進者は、ERPで解決したい課題に深く理解し、部署の枠を超えて発言でき、会社全体の変化を促せる経営層に近い役職者が適任です。そして、推進者は必ず2名以上にしましょう。

社内のほぼすべての業務に関係し、社員の大多数が使うことになるERP。それぞれの部署で伝統的に行われてきた業務のやり方を刷新することになった場合、そういう変化を嫌がる人は一定数います。1名だと周りからの理解が得づらかったり、そのメンバーが抜ける場合にゼロもしくはマイナスからのやり直しになったりするリスクもあります。

STEP3:各部署推進者と目的をすりあわせる

全体の推進者だけではなく、関係する各部署から現場の業務に詳しい担当者を選出します。彼らを導入プロジェクトに巻き込むことで現場業務をより深く理解でき、スムーズなERP導入につながります。そして、導入の目的を共有しつつ各部署の協力を得ながら、プロジェクトを引っ張っていってください。

STEP4:業務の棚卸しを行う

経理部や人事部など、ERP導入の目的に関わる業務がどんなプロセスで行われているのか、現在はどんなツールを使って行われているのか、まずは現状の棚卸しをします。

具体的なプロセスは会社ごとに異なるため、原則的には自分たちで整理する必要がありますが、どのように棚卸しをしていけばいいのか迷ったら、ERPの提供会社にサポートを依頼してみましょう。

STEP5:ERPでのカバー範囲を検討し、新しい業務フローを構築

具体的にERPツールを使ってできること・できないことを洗い出します。その上で、棚卸しした業務内容をチェックしながら、従来のツールを引き続き使うべきか否かを検討し、導入するERPのカバー範囲を決めていきます。どんなシステムと連携できるか、新しい業務フローをどう構築していくかは、ERPの提供会社に確認・相談してみましょう。

STEP6:試験運用

関係部署にERPを使った業務フローを伝え、無理がないかを確認していきます。少し大変ですが、この時期はデータの漏れがないよう従来のシステムと併用します。ERPでカバーする範囲や内容によるので一概には言えませんが、一般的な試験運用期間は1〜2カ月程度が目安。大企業での大規模なERP導入では、2年以上かけて試験運用するケースもあります。

STEP7:本運用

いよいよ、本格的な利用開始です!マニュアルを用意し、導入プロジェクトに関わっていない社内全体へ使い方をフローします。困る部署がないように講習会や使い方のサポートする時間を設けましょう。その後も、社内の利用状況に応じて、機能などを調整していくことも利用率を上げるためには肝心です。

ERPに関するよくある質問

Q. ERPと会計ソフトは何が違うの?

カバーしている領域が違います。会計ソフトは財務諸表作成や会計処理などの経理業務に特化しており、ERPは経費精算や勤怠管理なども含めた業務効率化を行えるツールです。

会計ソフトのベンダーが、より高機能なツールとしてERPを提供しているケースもあります。経理だけではなくより幅広いデータを連動させたい時や機能、規模が拡大して会計ソフトの機能だけでは物足りなさを感じた時、ERPへの乗り換えは選択肢の1つになります。

Q. 情報流出のニュースを聞くと、何となく不安。クラウドERPにセキュリティの問題はないの?

自社のセキュリティ方針やレベルに合致しているか検討しましょう。

情報漏えいの原因はさまざまですが、パスワードの使い回しや人的なミス、社員による故意の持ち出しによるものなど、システム以外の理由も少なくありません。不安視する声に応えるため、クラウドサービスはセキュリティへの投資に積極的です。金融機関で求められるレベルのセキュリティ認証を取得しているなど、高い水準をクリアしているサービスも登場しています。

また、クラウドERPは24時間365日の監視態勢が一般的で、脆弱性にもいち早く対応します。こうした対応を中小企業が自社でまかなうのは現実的ではなく、むしろクラウドサービスのほうが安全に運用できるでしょう。

Q. 業務に直結する重要なシステムがクラウドで動作に問題はないの?

どのサービスも利用ができなくなるリスク回避の対策をしており、極めて100%に近い稼働率を達成しています。同時に、データが消失しないようにバックアップ体制も整えています。

ただし、事業者によって違いがありますので、自社の要件を満たしているか確認しましょう。動作スピードに関しては、各サービスやネットワークよって異なりますので、実際の業務に照らして不都合がないか、よく確かめるようにします。

Q. すでに使っている他のサービスとスムーズに連携できる?

クラウドERPならば、APIを介して連携が可能です。

例えば、「クラウドERP freee」ならば、Salesforceやkintoneなど約60種類のサービスと自動連携できます。これまで使っていたサービスに登録された営業活動の記録を同期し、請求書発行や入金管理機能をリンクできるため、導入コストを抑えながらスムーズに移行します。

Q. BI、CRM、SFAと、ERPの違いは?

コア機能ではありませんが、BIやCRM、SFAの機能も含んだERPがあります。それぞれの機能は下記のように整理できます。

BI(Business Intelligence)

組織のあらゆるデータを収集・蓄積・分析・報告し、経営の重要な意思決定に役立てる手法や技術。また、それを実現するツール。

CRM(Customer Relation Management)

営業担当と顧客の関係を記録し、関係づくりを効率化するツール。顧客関係管理が目的。

SFA(Sales Force Automation)

顧客の情報を活用して、既存顧客へのアップセルやクロスセル、見込み客へのアプローチを促すツール。営業支援が目的。

ただし、これらの機能をより深く高度に活用したいならば、BI、CRM、SFAを使ったほうがいいでしょう。コンポーネント型のERPならば、ほかのツールで収集したデータもERPに取り込み、活用できます。

Q. RPAとERPの違いは?

RPA(Robotic Process Automation)は、パソコンで行う提携作業などの自動化プログラムを作り、業務効率化を目指すツールです。

ERPとは別の目的のツールですが、ERPとRPAをうまく組み合わせれば、ERPで実行する作業の自動化が実現できます。

中小企業でも大きな変化が!ERP導入で変わった3つの事例



大手以外のERPでは、具体的にどんな効果が出ているのだろう? 実際の声を知りたいなぁ。


では、クラウドERP freeeでの導入事例を3つご紹介しましょう。社長と同じように、50名規模の会社で、お悩みを解決したケースもあるんですよ。

事例1:IPOを見据え、より高いレベルで社内業務を整理

株式会社GA technologies

株式会社GA technologies

  • 事業内容:中古不動産ポータルサービスやアプリの運営
  • 規模:301~500名

導入のタイミング

1年間で、社員が100名から200名強へ拡大した2018年。アプリでも使え、UIも見やすく、業務に不慣れなメンバーでも使えるように、800万円かけて導入したインストール型の会計ソフトから「クラウドERP freee」へ切り替えた

課題1:紙を使ったバックオフィスの非効率なワークフローを刷新したい

従来は月次決算で紙の稟議書からExcelに転記して集計するのに半月かかっていましたが、freeeならCSVを出力して加工するだけなので、わずか5日で締められるように。その後、新たな採用で社員が100人ほど増えたにもかかわらず、バックオフィスを増員することなく対応できました。

課題2:経費精算などの申請が月末に集中する状況の緩和したい

アプリの活用によって、営業が外出先からでも経費精算できるようになりました。スムーズな申請の環境が整ったことでバックオフィスの月末の負担が減り、大幅な業務効率化につながりました。

課題3:IPOを見据えた社内業務の改善したい(会計数字の集計、紙による社内稟議)

IPO準備の一つである内部統制審査には2年分の資料が必要です。まず1年分はスタッフが夜通しで9人日かけて稟議書の一覧表を作成。しかし、freee切り替え後はCSVファイルで出力するだけなので、残りの1年分の資料作成がわずか数時間で完了しました。

▼事例をくわしく

事例2:二度手間をなくし、提携業務を9割削減!

株式会社メドレー

株式会社メドレー

  • 事業内容:人材採用プラットフォーム事業、医療プラットフォーム事業
  • 規模:301~500名

導入のタイミング

サービス拡大に伴い顧客数が倍増。より複雑化するバックオフィス業務を効率化するために、2017年にfreeeを導入した。

課題1:月末の大量入金! 集中した仕訳の取り込みや試算表作成が非効率だった

当時採用していた会計システムには、インポート可能な件数に上限がありました。そのため、月末の大量入金後の仕訳取り込みや試算表の作成が非効率に。しかし、freeeではその件数の処理を基本的な機能だけで補え、短時間で終えられるようになりました。

課題2:会計と請求書システムが異なり、二度手間に!

会計と請求の1つのシステムにまとめられたことで、作業工数が半減。バーチャル口座番号を発行によって、医療機関からの入金情報をfreeeで自動的に取り込み、計上までできるようになりました。結果、入金の定型業務を9割削減し、経理経験がなくても経理作業を担当できるようになりました。

課題3:営業とバックオフィスによるデータを連動させたい

債権回収のたびに、スプレッドシートと会計システムを行き来して情報を確認するのが手間でした。さらに「サイトウクリニック」など似た名前の医療機関が多いため、入金確認や突合には経理担当者4人が月末・月初に3日間フル稼働での対応が常態化することに……。しかし、freeeとSalesforceを連携させたことで、営業とバックオフィスのデータを一元管理する環境が整いました。

▼事例をくわしく


ERPなんてウチには関係ないと思っていたけど、クラウドERPなら業務の効率化はもちろん、働き方を変えたり将来の成長に備えた組織づくりに取り組んだりできるそうだね。「攻めの経営」に使える気がしてきたよ。


会社自体を進化させられるのがクラウドERPの真骨頂なんです。これを機に、ぜひクラウドERPの本格導入を検討してみてください!


(執筆:加藤学宏 編集:鬼頭佳代/ノオト)

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