会計の基礎知識
出納帳をエクセルで作成する方法

経理業務を経験したことがある方であれば、現金取引の収入と支出を記録する「現金出納帳」がいかに重要な帳簿であるかよくご存じだと思います。事業を行ううえで現金の管理にミスは許されません。
その現金出納帳を手書きで作成すると、時間がかかるうえに人為的なミスを招く可能性が出てきますが、エクセルを使えば短時間でミスのない帳簿を作成することができます。この記事では、エクセルを使った現金出納帳の作り方について紹介していきます。
目次
現金出納帳の基本的なシステムを理解しよう
経理業務で使用する帳簿には、貸借対照表や損益計算書などの「決算書」を作るために作成が義務付けられている「主要簿」と、主要簿で網羅しきれない詳細な取引状況を記録する「補助簿」があります。仕訳帳や総勘定元帳は主要簿にあたり、現金出納帳は後者の補助簿にあたります。
この現金出納帳は文字通り「現金の出入りを記録する」帳簿ですので、入金伝票や出金伝票などをもとに、日付や取引の内容、借方、貸方、残高を記入していきます。
実際に現金出納帳を作成してみよう
現金出納帳に記載する項目は6つあります。その種類を以下にまとめてみました。
日付:お金の出入りがあった日付を記入します。
勘定科目:勘定科目の区分ごとに内容を記載してください。
摘要:取引の内容や取引先名を記入します。
入金:入ってきたお金の額を記入します。
出金:支出したお金の額を記入します。
差引残高:入金があった場合は前の残高にその分の金額を足し、出金があれば前の残高から引きます。
記載項目とレイアウト
まずエクセルを開き、一行目のセルに「日付」「勘定科目」「摘要」「入金」「出金」「差引残高」と打ち込みます。打ち込んだら、項目を書いた列を拡げて、内容が記入やすいようにします。取引内容を記入する「摘要」のスペースは、大きい方がいいでしょう。

記入が終わったら、出納帳として使用する部分のセルを選択し、格子状に罫線を引きましょう。これで基本的なレイアウトができあがりました。

ちなみに、差引残高の一番うえの欄には「期首残高(一番初めの残高)」を記入するので、わかりやすくするために期首残高の隣のセル(この図の場合E2のセルです)に「期首残高→」と書いておきましょう。
数式を記入・各項目を記帳して正しく作成されたかチェック
次は、差引残高を求めるための数式を「期首残高」のセルに記入します。数式の内容は「=差引残高+入金-出金」なので、この出納帳の場合ですと「=F2+D3-E3」となります。

その他の差引残高にも同様の数式を入れたいので、数式を入れた差引残高セルから一番下のセル(この図の場合F20)まで選択し「ctrl」を押したまま「D」のキーを押してください。これで、数式が選択したすべてのセルにコピーできます。これで現金出納帳の形ができあがりました。実際に各項目に記入するとこのような形になります。すべて正確に計算されていることがわかります。

便利な裏ワザ「桁区切り」
数字を3桁で区切りたい場合は、表を丸ごと選択して、右クリックで「セルの書式設定」を選んでください。「分類」の「数値」を選び「桁区切り(,)を使用する」にチェックを入れ、3桁区切りを選択し「OK」をクリックするとすぐに反映されます。

このように、excelを使えば、とても簡単に現金出納帳を作成することができます。覚えることも少ないので、すぐにマスターできます。ぜひトライしてみてください。
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