青色申告の基礎知識

個人事業主のクレジットカード決済と会計処理!確定申告のために青色申告と白色申告での処理の違いを解説

個人事業主が経費をクレジットカードで決済したときの記帳方法は、「どんな方法で確定申告をするのか」によって異なります。

白色申告や青色申告で10万円控除を利用する場合は、決済日に「単式簿記(簡易簿記)」で経費を計上するだけでOKです。青色申告で55万円控除、65万円控除を利用する場合は複式簿記での記帳が必要となります。

また、仕訳に使用する口座は、クレジットカードの口座が個人用か事業用かによって異なります。

個人用口座の場合は、勘定科目を「事業主借」とし決済日に処理します。事業用口座の場合は、決済日に「未払金」を計上して、引き落とし日に「未払金」を減らす処理をするのが基本です。クレジットカードは事業用と個人用で分けておくとお金の流れがわかりやすいでしょう。

この記事では、個人事業主がクレジットカードで経費を決済する際の具体的な仕訳方法や注意点などについて解説します。

また、個人事業主が事業用クレジットカードを作るメリットや、どのカードが審査に通りやすいかなどについても詳しく説明しますので、ぜひビジネスに役立ててください。

2024年提出(令和5年分)の確定申告アップデート情報

所得税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年3月15日(金)
消費税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年4月1日(月)
※ 贈与税の申告・納税期間:2024年3月15日(金)まで

<2024年(令和5年分)の確定申告のポイント>

  1. 「源泉徴収票・国民年金基金掛金・iDeCo・小規模企業共済掛金」が追加されるなど、マイナポータル連携をすることで自動入力できる対象が増えます。
  2. 国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、消費税の申告書を作成できるようになる予定です。今回、インボイス登録によって課税事業者になり、消費税の納付が必要になった方はチェックしましょう!

詳しくは国税庁ホームページ「令和5年分 確定申告特集」をご参照ください。

目次

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クレジットカード決済の白色申告と青色申告の記帳方法の違い

クレジットカードで経費を支払った場合、白色申告および青色申告10万円控除と、青色申告55万円および65万円控除では記帳方法が異なります。

また、クレジットカードの利用料金が個人用口座から引き落とされる場合と、事業用口座から引き落とされる場合でも記帳方法が異なります。

ここでは、4月2日にクレジットカードで購入した3,000円のプリンターカートリッジが5月10日に引き落とされた場合を例に、記帳方法の具体的な違いを説明します。

なお、令和2年分の確定申告から青色申告特別控除額が変更となっています。65万円の青色申告特別控除を受けるには、従来の青色申告の要件に加え、e-Taxでの申告または電子帳簿保存が必要となります。

令和2年分の所得税確定申告から、65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わりました。従来の要件(複式簿記、損益計算書と貸借対照表の添付及び期限内申告)に加えて、e-Taxで申告をするか、電子帳簿保存を行う必要があります。

白色申告と青色申告10万円控除は単式簿記で記帳

白色申告の場合、または青色申告で10万円の控除を受ける場合は、複式簿記を使用する必要はありません。

白色申告や青色申告の10万円控除で使用する単式簿記(簡易簿記)では、ひとつの勘定科目で取引を記載するため、クレジットカードで購入したものでも購入日に「消耗品費 3,000円」と記帳するだけ済みます。

収入支出
4月2日消耗品費 3,000円

青色申告55万円控除、65万円控除は複式簿記で記帳

青色申告の55万円控除、65万円控除で使用する複式簿記では、収入や支出が発生した事実に基づいて仕訳を計上する「発生主義」を採用しています。

また、クレジットカードでの購入代金が事業用口座から引き落とされるのか、個人用口座から引き落とされるのかによっても記帳方法が異なります。

個人事業主の個人口座から引き落とされる場合

個人事業主の個人口座から引き落とされるクレジットカードで支払いをした場合は、購入時に勘定項目に応じて記帳するだけでよく、クレジットカード会社からの引き落とし時の処理はありません。

費用である「消耗品費」は借方、負債である「事業主借」は貸方なので、購入した日に「(借方)消耗品費 3,000円」「(貸方)事業主借 3,000円」と記帳します。

借方貸方
4月2日消耗品費 3,000円事業主借 3,000円

事業用の口座から引き落とされる場合

事業用の口座から引き落とされるクレジットカードで支払いをした場合、購入時には「未払金」として処理するため、代金の引き落とし時にもう一度記帳が必要です。購入時は、費用である「消耗品費」を借方、負債である「未払金」を貸方に、代金の引き落とし日には「未払金」を借方、資産である「普通預金」を貸方に記帳します。

借方貸方
4月2日消耗品費 3,000円未払金 3,000円
5月10日未払金 3,000円普通預金 3,000円

クレジットカードで支払いするたびに2回記帳するのは面倒なものです。
そのため、クレジットカードでの購入の場合は、例外的に以下のようにクレジットカード代金の引き落とし時に1回の記帳で済ませることが認められています。

借方貸方
5月10日消耗品費 3,000円普通預金 3,000円

しかし、年末に購入したために引き落としが年をまたぐ場合などは、先述の「未払金」として購入時と引き落とし時の2回記帳が必要になります。

記帳時の注意事項

次に、経費をクレジットカードで支払う際に注意すべきポイントを説明します。

クレジットカード決済時は「利用明細書」が領収書の代わり

クレジットカードで商品を購入した場合、基本的には領収書ではなく明細書が発行されます。クレジットカード決済は、クレジットカード会社が仲介する信用取引であり、クレジットカード決済を行った時点では、まだショップへ代金が支払われていないからです。

領収書は代金を受け取ったことを証明する書類なので、ショップ側はまだ受け取っていない代金に対して領収書を発行する義務はありません。もちろん、クレジットカード会社は商品やサービスの販売者ではないので、領収書を発行することはできません。

したがって、ショップが発行する利用明細書やクレジットカード会社から後日発行される利用明細書が領収書の代わりとなりますので、大切に保管しましょう。

なお、利用明細書にはショップの名称や購入した商品・サービス内容、購入金額、購入日が明記されていることが前提です。

また一部のオンラインショップや実店舗では、依頼すれば領収書を発行してくれる場合があります。この領収書はショップ側がサービスとして発行している書類で、税法上の領収書には該当しません。そのため、「クレジットカードにてお支払い」などと記載されており、まだ代金を受け取っていないことを示しています。

第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)は、金銭又は有価証券の受領事実を証明する目的で作成されるものです。ご質問のように、クレジット販売の場合には、信用取引により商品を引き渡すものであり、その際の領収書であっても金銭又は有価証券の受領事実がありませんから、表題が「領収書」となっていても、第17号の1文書には該当しません。

分割払いの手数料は「支払手数料」で処理

クレジットカードで決済では分割払いが可能な場合がありますが、分割払いの際には手数料が発生します。その手数料は「支払手数料」という勘定科目で記帳しましょう。

ポイントやマイルでの支払いは処理不要、商品券やキャッシュバックは「雑収入」に

ポイントやマイルを使って経費を支払った場合には、会計処理は不要です。

事業用クレジットカードのポイントやマイルを商品券に交換した場合やキャッシュバックを受けた場合には、勘定科目を「雑収入」として記帳します。

領収書代わりのWeb明細はダウンロードして紙に出力

紙の明細書を発行せず、「Web明細」を推奨するクレジットカード会社が増えています。

しかし、確定申告に関する書類は基本的に紙で7年間の保管が義務付けられていますので、Web明細の場合は印刷して保管する必要があります。クレジットカード会社によっては、ダウンロード期間が数ヶ月に制限されている場合もあるので、Web明細書はこまめにダウンロードするようにしましょう。

なお、クレジットカード会社によっては確定申告の時期に合わせて明細書の郵送サービスを行っているところもありますが、送付までに2週間程度かかる場合もありますので、ケースバイケースで対応することが大切です。

参考:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告

事業の経費は事業用クレジットカードで決済する

クレジットカードの利用は便利である一方、経費処理の面ではデメリットになることもあります。ここでは、その両面について説明しましょう。

クレジットカード決済のメリット

事業の経費をクレジットカードで支払うメリットは、個人利用と同じようにポイントが貯まることです。また、現金購入と違って支払いを先延ばしにできるので、キャッシュフローの面でも有利です。

そして事業用のカードがある場合は、カード払いを基本とすると利用明細書から経費を把握できるため、管理がしやすくなります。

<クレジットカード決済のメリット>

  1. ポイントが貯まる
  2. 支払いを先延ばしできる
  3. 利用明細書で経費を把握・管理できる

事業用クレジットカードは個人用と別にもつ

経費を個人のクレジットカードで支払っている場合、カード明細から経費を抽出するのは煩雑です。カード明細には略語や見慣れないローマ字が含まれていることが多く、どれが個人用でどれがビジネス用なのかを判断するのが大変です。

その結果、時間がかかるだけでなく、経費の計上漏れにつながることもあります。

さらに税務調査時においては、経費が適切に仕訳されていないと判断され、追加の税金が課せられる可能性もあります。また、1枚のクレジットカードをプライベートとビジネスの両方で使用している場合、分割払いで購入した際の利息の計上方法を判断するのが難しい場合があります。

クレジットカードで経費を支払う場合には、個人用とは別に事業用のカードを作り、混在させないことが望ましいです。

小規模法人・個人事業主でも事業用のクレジットカードを作る方法

中小企業や個人事業主の場合、事業用のクレジットカードを作るのが難しかったり、創業年数の点で申し込み基準を満たせなかったりすることがあります。

その点、freeeとクレジットカード会社が共同で開発した、スモールビジネスの経営や経理に最適なビジネス向けカード「freeeカード」は、年会費無料で起業と同時に申し込めるので中小企業や個人事業主でも申し込みやすいカードといえます。
※カード会社による審査があります。

クレジットカードの申し込みはWebで完結

freeeカードは、インターネットで簡単にお申し込みいただけます。最短4営業日で発行され、事業用カードとしてすぐにご利用いただけます。
※一部カードは紙による申し込みがあります。

小規模ビジネスに特化した特典が利用可能

freeeカードは、クラウド会計ソフトの優待情報や無料士業問い合わせ、各種サービスの割引など小規模のビジネスに特化したカード特典をご利用いただけます。

カードのラインナップの紹介

freeeカードには、ライフカード株式会社より発行される「freeeカード」と三井住友カード株式会社から発行される「freee VISAカード」の2種類があります。特徴を確認しながら目的に応じてお申し込みいただけます。

事業用クレジットカードのお申し込みをお考えの方は、freeeカードを是非ご検討ください。

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まとめ

個人事業主の方が事業用クレジットカードを利用する際に知っておきたいポイントについてご紹介しました。

事業を始めたばかりの個人事業主や小規模法人でも確定申告ソフトや事業用クレジットカードを利用することで、青色申告特別控除65万円をスムーズに受けることができます。

2020年分以降は青色申告特別控除の上限額が55万円に引き下げられ、所得税に適用される基礎控除額は38万円から48万円に引き上げられています。なお、従来の青色申告特別控除で65万円の控除を受けるには、電子帳簿保存やe-Taxを利用する必要があります。

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