会計の基礎知識

減価償却の計算をおこなう適切なタイミングとは?

 税務調査などで間違いを指摘されることも多い減価償却は、非常に細かく複雑なルールのもとに機能しているシステムです。

ここでは、減価償却の計算を始めるタイミングや基礎知識、具体的な計算例について詳しく説明していきます。

減価償却の計算はいつから始めるべきか

 税務上、資産の種類ごとに定められた耐用年数表に従い、その年数で減価償却がなされます。資産を購入した時からすぐに減価償却はスタートしていると認識される方もいるかもしれません。
しかし、これは誤りです。実際は、使用を開始した時点「事業の用に供した日」からのスタートとなります。

事業に使用する設備や備品などは購入してすぐに使い始めることも多いため、ほぼ購入と同時に償却スタートできる場合が多くなります。しかし、テナントや特殊な機械装置など、実際に使用可能な状態になるまでに工事や調整を必要とする資産に関しては、実際に稼働し始めた日が始点となります。

法令では、減価償却資産を事業の用に供したかどうかは、業種・業態・その資産の構成および使用の状況を総合的に勘案して判断するとしています。

たとえば機械類を購入した場合、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとは言えません。その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となります。

状況によっては、物理的に使用し始めた日でなくても事業の用に供したと認められる場合があります。たとえば賃貸物件の場合、建物は完成しているものの入居者がまだ決まっていない場合があります。その場合は、入居募集を始めていればすでに事業の用に供したものと考えられ、入居募集を始めた日から償却をスタートできます。

減価償却の計算例(機械を購入した場合)

 10万円以上の機械を購入した場合の減価償却費の計算方法は、その資産を取得した日や事前申請の有無によって異なります。

たとえば、平成19年4月1日以降に取得した減価償却資産については多くの場合「定額法」「定率法」によって計算されます。

建物(及び平成28年4月1日以後取得の建物附属設備)は減価償却の計算方法の届け出にかかわらず、定額法により計算します。その他の資産については減価償却の計算方法を届け出ていない場合は、法人は定率法(平成19年3月31日以前に取得した資産は旧定率法)による計算が原則です。

正確な計算のためには、購入した機械や装置の耐用年数も把握しておかなければなりません。 おもな機械装置の耐用年数表を記載します。

機械または装置の種類 耐用年数
農業用設備
(トラクター・園芸設備・耕運機・収穫用具・運搬用器具など)
7年
林業用設備
(ブルドーザー、ショベルなど自走式作業用機械・穴堀機・刈払機など)
5年
通信業用設備
(デジタル交換設備及び電気通信処理設備・アナログ交換設備など)
9年
倉庫業用設備
(冷凍、製氷または冷蔵業用設備・移動式荷役設備など)
12年
飲食料品卸売業用設備
(食肉処理加工設備・果実またはそ菜処理加工設備・精穀設備など)
10年
宿泊業用設備
(ホテル、旅館または料理店業用設備及び給食用設備)
10年
洗濯業、理容業、美容業または浴場業用設備
(クリーニング設備・浴場設備・温水器その他)
13年
輸送用機械器具製造業用設備
(自動車車体・エンジン・タービン・航空機・建設機械・船舶など)
9年
総合工事業用設備
(建設機械・排砂管及び可搬式コンベヤ・アスファルトプラントなど)
6年
引用元:別表第二 機械及び装置の耐用年数表における新旧資産区分の対応関係表(川崎市公式ウェブサイト)

上記はほんの一例です。品目によって耐用年数はさらに細かく定められています。購入した機械や装置の耐用年数と、定率法か定額法どちらかの計算方法を選択し、償却費を計算することができます。

ここで、以下の機械を購入した場合の定額法での減価償却費計算を例として取り上げます。

  • 取得原価:100万円
  • 耐用年数:10年
  • 定額法償却率:0.1%
  • 事業の用に供した日:平成29年10月1日(3月決算)

この場合は、取得原価の100万円を平成39年度までの10年に亘って均等に配分し償却していきます。つまり1年あたり10万円という単純な計算になります。

定率法の場合は、取得原価(100万円)÷定額法での償却率(1/10(耐用年数))×2=20という計算式によって、取得原価の20%を10年にわたって償却してくことになります。

平成29年度は100万円のうち20%を、翌年からは前年度償却分を除く残高に対して20%を償却していきます。 定率法で計算する場合は計算が複雑になりますが、年を追うごとに償却額が低くなっていくことになります。

無形固定資産の場合(ソフトウェア)

 無形固定資産であるソフトウェアの減価償却計算方法は、残存価格を0円と見なした「定額法」のみとなります。自社で利用するためのソフトウェアは耐用年数5年と見なして計算されます。販売を目的としたソフトウェアは、税務上では耐用年数3年と見なされます。

たとえば平成29年10月1日に20万円の自社利用目的のソフトウェアを購入・使用開始した場合は、平成34年度までの5年間にかけて年間4万円ずつを償却していく計算になります。

まとめ

 減価償却は購入した日ではなく、使用を開始した日から始まります。そのため、購入した年度に使用しなかった場合は翌年度に持ち越すことになります。
物品によって耐用年数は異なるため、購入と同時に把握しておく必要があります。定額法・定率法どちらで計算するのかも事前に決定しておくのが良いでしょう。

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