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仮想通貨利益の確定申告どうしよう?そんな人を助けたい!freeeのマジ価値サービス開発

個人事業主の方々にとっては毎年の風物詩、確定申告。
「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションを掲げるfreeeにとっても重要なこの時期、社内はいつもより盛り上がりを見せます。「仮想通貨元年」とも言われた2017年を受けて、freeeは仮想通貨の利益(雑所得)の確定申告へ対応することを発表しました。

仮想通貨対応を含め、今年の確定申告に向けての体制、意気込みについてプロジェクトチームに話を聞いてきました。聞き手はPRチームより辻本が担当します。

メンバー紹介

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前村 菜緒 Maemura Nao
スモールビジネスプラットフォーム事業本部 個人事業部 事業部長
2012年、東京工業大学大学院在籍中に創業直後のfreeeへエンジニアインターンとして参画。広報、マーケティング、事業戦略など幅広く担当したのち、現在は個人事業主を対象とする個人事業部の事業部長を務める。freeeのパラキャリエヴァンジェリストとして自らも2017年に開業、freeeのオウンドメディア「パラキャリ」編集長も務める。趣味は2年前から始めたゴルフ。最近はジム通いにもハマっている(取材当日も朝6時半から1時間半ジムで汗を流してきたとのこと...)。

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安達 隆仁 Adachi Takahito
金融プラットフォーム事業本部 新規ビジネス開発事業部 プロジェクトマネージャー
freeeのCTO・横路と同じ島根県松江市出身。SIerとしてキャリアをスタートし、前職ではITコンサルとしてPMO支援などを行っていた。FXや債券に関連するシステムの知見を活かすため、金融プラットフォーム事業のプロジェクトマネージャーとして2017年7月入社。最近は人に誘われてジムに通い始めたがそこまで熱心ではない。猫背改善を狙っている。

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小暮 貴大 Kogure Takahiro
プロダクト戦略本部 プロダクトマネージャー
前職はヤフー株式会社にて、ヤフーショッピングでのwebの検索結果やアプリのプロダクトマネジャーを務めていたが、より自身の裁量を広く持ち、社会に貢献したいという気持ちが強まり2017年10月にfreeeに入社。現在は個人事業主向けfreee会計とモバイルアプリのプロダクトマネージャーを務める。趣味は写真と音楽。ライブに行くのも好きで、2017年はColdplayの東京ドーム公演にVIPチケットで参加したとのこと(羨ましい...!)。

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【聞き手】辻本 祐佳 Tsujimoto Yuka
PR
前職は楽天株式会社にて一貫して法務を担当。人生100年時代に向けて、法務以外にも自分の活動範囲を広げたいと考え、2017年8月入社。現在はPR&Brandチームに所属。和歌山県出身。最近は毎朝、るるてあ(@k_r_r_l_l_)さんの描くコウペンちゃんに癒やされている。

freee会計、2017年度の確定申告に向けた4つの進化

―――さっそくですが今回の確定申告期に向けた『クラウド会計ソフト freee』(以下、freee会計)の取り組みを教えてください。

前村「まず、全体としては、昨年度の確定申告期終了直後から、この1年間はモバイルアプリの強化に力を入れて取り組んできました。昨年12月には、パソコンではなくスマホをメインにした日々の入力から確定申告書の作成方法を紹介する書籍『スマホでかんたん確定申告』も発売になりました」

小暮「今回の確定申告期に向けて、機能的には、大きく以下4つの対応を行いました。4つめの仮想通貨対応については2月5日にリリース予定です」

  1. 電子申告をMacに対応
    2017年2月にWindows端末による電子申告をリリースし、同機能について、今年度からはMacでも可能に!
    ※マイナンバーカード、カードリーダーについては別途準備が必要

  2. 三表/四表の自動作成に対応
    三表とは、株や土地、建物の譲渡所得・FX損益があった場合などに利用する申告書をいい、四表とは、所得金額が赤字の場合などに利用する申告書をいう。昨年までのfreee会計では紙の計算明細書を使って自身で所得額などを計算した上で、直接編集という機能を使って直接三表や四表に入力していく必要があったが、今年はfreee会計の確定申告書類作成ステップに表示される質問に回答していくことによってこれらの申告書が自動的に作成されるように!

  3. セルフメディケーション税制に対応
    2017年1月より開始された特定の医薬品購入に対する新しい税制であるセルフメディケーション税制。freee会計はこちらの税制にも対応し、医薬品や支払い金額などを入力していくだけで、控除額の計算から確定申告書へ反映やセルフメディケーション税制の明細書が自動的に作成されるように!
    ※セルフメディケーション税制は従来の医療費控除との選択適用であり併用は不可だが、最高で8万8千円の所得控除を受けることができる(2018年2月時点情報)

  4. 仮想通貨に対応
    国税庁「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」に定める仮想通貨で得た利益のうち、仮想通貨の売却と交換で得た利益について、損益通算の計算を行うことのできるサービス「freee会計 for 仮想通貨」を2017年2月5日にリリース!

―――このうち、特に仮想通貨のところは1月に予告して、すごい反響でしたね!

>> CNET Japan クラウド会計「freee」、仮想通貨の確定申告をサポート--2月上旬に提供予定
>> INTERNET Watch 「クラウド会計ソフト freee」が仮想通貨の確定申告に対応、2月上旬に提供予定
>> engadget日本版 クラウド会計のfreee、ビットコインの確定申告にも対応。2月上旬めど
>> MdN Design Interactive クラウド会計の「freee」、ビットコインなどの仮想通貨の儲けを申告できる機能を追加

―――今回リリースする『freee会計 for 仮想通貨』ですが、具体的には何ができるんでしょうか?

前村「対応している取引所の取引履歴のcsvデータをアップロードすることで、仮想通貨取引の損益計算を簡単に行えるサービスが『freee会計 for 仮想通貨』です。国税庁が発表した計算方法に関するガイドラインをもとに、総平均法を用いた計算ができます。計算結果はあくまで参考値ではありますが...」

―――なるほど。それでは基本的な機能を見ながら、ユーザさんが気になりそうなポイントを聞いていきますね。まず対応している取引所とはどこですか?

安達「今回対応する取引所はbitFlyerさんとbitbankさんの2つです。なるべく多くの取引所のご利用者に対応したかったのですが、限られた時間内で仕上げるためにはある程度の思い切りも必要と判断しました」

―――そもそも国税庁からの計算方法に関するガイドライン発表も昨年12月でしたからね。このガイドラインでは、『仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益』として、①仮想通貨の売却、②仮想通貨での商品の購入、③仮想通貨と仮想通貨の交換の3つが挙げられていますが、今回のサービスでは②には対応しないんですよね?

安達「はい。仮想通貨で商品を購入した場合には、どの時点でのレートでその商品を購入したことになるか、といった情報の取得がかなり困難なため対応を見送りました」

―――それでも、①と③に対応しているだけで助かるという人はかなりいるんじゃないでしょうか。レートについては取引所毎に異なると思いますが、どうやって参照しているんですか?

安達「利用許諾をいただいている外部サービスのレート情報を元に算出しています。なので厳密に正確性を担保することはできず、あくまで参考値とはなるのですが、現状では計算できる方法が他にありません」

―――そもそもの疑問なんですが、なぜ取引所自身のレートを使わないんでしょうか?

安達「各取引所から取得できる取引明細には共通の規格といったものがなく、必ずしも取引時点における円貨対応のレート情報が載っているわけではないためです。現状、各自が自分の取引したレート情報を確実に取得するには、取引する際に自分でその時点のレートをメモに取っておくしかないのですが、実際にそれをやっている人は少ないのではないでしょうか」

―――テクノロジーも制度も市場の急激な拡大に追いつけていない形ですね...。ちなみに、確定申告したい場合もこのサービスから可能なんですか?

前村「いえ、確定申告書類に反映するためには別途『クラウド会計ソフト freee』を申し込んでいただく必要があります」

―――このサービスを使いたい人はどこから何をすればいいんでしょう?

前村「サービスページからメールアドレスを添えて申込が可能です。こちらでアカウントの準備ができ次第、順次メールアドレスにアカウント情報を送付しますので、そちらのメールをお待ちいただければと思います」

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「freee会計 for 仮想通貨」上で、対応取引所から取得したcsvデータのアップロードが可能。

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アップロードされたcsvデータを元に、取引所ごとに参考値として損益計算が行われる。

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別途「クラウド会計ソフト freee」のステップUI上に仮想通貨取引に関する入力欄があるので、計算結果を入力することで、確定申告書類にも反映可能。

確定申告で困る人を助けたかった

―――ところで、仮想通貨の部分は当初は対応予定ではなかったと聞いていますが...?

前村「はい、もともと対応するつもりはありませんでした。昨年9月に国税庁がビットコインを使用することにより利益が生じた場合に雑所得として所得税の課税対象とすることを発表したので、今回が仮想通貨の確定申告初年度となることはわかっていました。ですが、その時点ではまだ仮想通貨は、情報感度の高いイノベーター層がやっているものであって、全体的にはそこまで関係する人は多くないと見ていたんです。ただその後、年末にかけて社会で仮想通貨の熱があれよあれよという間に高まって、それを見て急遽対応することを決めました」

安達「関心の高まりを受けて、2017年12月に国税庁も仮想通貨の利益の計算方法についてのガイドラインを出しましたしね」

―――昨年末の熱の高まりはすごかったですね。12月初旬に国内の複数の取引所で1ビットコインあたり200万円を超えましたし...。しかし、そこからだとかなり短期間での対応を迫られたのでは?

前村「そうですね。11~12月のビットコイン急騰を始めとして、仮想通貨市場は急激に成長しました。仮想通貨の取引をしていた人で利益を得た方も多いと思いますが、そういう方々の中には初めての確定申告となる方も多いのではないかと考えました。初めての確定申告に向けて何をすればいいかさっぱりわからないという方々に向けて、freeeの持っている知見でなるべくサポートできればという想いで、12月後半にキックオフしてそこから急ピッチで動き出しましたね」

―――年明けすぐのタイミングに非常に活発に動いていた印象があります。具体的にはどうやって進めたんですか?

安達「まずは関係者間で、"理想ドリブン"でサービスの仕様を決めていきました。その中から、技術的な難しさ、期間や対応人員を含めたコストとサービスレベルの総合考量をしながら、最終的な仕様に落ち着いていった形です」
※理想ドリブン:「理想から考える。現在のリソースやスキルにとらわれず挑戦しつづける。」という考え方で、freeeが大切にする価値基準の1つ。

前村「もともと私や安達さん含め、社内で仮想通貨に関心のあるメンバーが多かったので、みんなで知見を持ち寄ってどんどん作っていった形ですね。小暮さんが確定申告まわりのプロダクトマネージャーとしてシステム全体を把握していて、安達さんが今回の仮想通貨対応のサービスのプロジェクトマネージャー、私がビジネスの視点からも全体を把握してプロジェクトをリードするというチームワークでした」

―――小暮さんは最近入社されて、元々のバックグラウンドも会計領域とは遠そうですが、どうやってキャッチアップを?

小暮「入社前にも入社してからも、書籍や関連資料を読みまくり、実際のプロダクトをとにかく触りましたね。仮想通貨の部分については安達さんと担当が分かれている分、お互いがお互いの担当領域については責任をもって任せられるという体制でした」

前村「小暮さんは本当に勉強熱心で、すごいんですよ!10月後半に入社して、3ヶ月で確定申告全体の開発をリードして、新しい機能開発にも対応してくれて...って本当に小暮さんじゃないとできなかったと思います。すごく感謝してます」

―――苦労したのはどのあたりですか?

安達「最初に思い描いたものを実現するのは難しいね、というところですかね...(笑)。最初に要件定義して松・竹・梅でプランを立てて、それぞれ開発するのにどういう作業が必要かというフローチャートを簡単に描いて見積もりを立てたんですが、各ステップでの懸念点などについて関係者に意見をもらって、それを受けて直して、という繰り返しで調整しながら作っていったので」

小暮「やっぱり時間が短いなかで作っているので、最初に決めたことを正としてずっと進めるというのは難しくて、仕様の確定ができる前から実際に作り始めるということもありました。あとはやはり確定申告ということで税制がからんでくるので、仮想通貨に詳しい税理士さんにレビューをいただいて修正したり、そのあたりは苦労していますね」

―――現在進行形ですもんね(※取材日は2017年1月31日、まさにリリース直前の追い込み時期)。では最後に、意気込みをお願いします!

安達「やるしかない!」

小暮「がんばります!」

前村「freeeが真価を発揮できるときだと思うので、やりきってきます!」

―――期待している人も多いと思います。ありがとうございました!

「freee会計 for 仮想通貨」に関するヘルプページ

https://support.freee.co.jp/hc/ja/categories/360000006306

本記事に関するお問い合わせ先

freee株式会社 PR
   宛先:pr@freee.co.jp